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小林節氏、みずから出馬へ――今夏の参院選は近代立憲主義を守るか前近代的な専制国家に逆戻りするかの二択

2016-05-10 17:29:13 | 日本を守るためのアクション 2016
 憲法学者の小林節氏が、みずから政治団体を設立し、参院選に出馬するという。
 今夏の参院選で比例区での野党統一名簿構想が進まないことに業を煮やし、新たな政治団体を設立して比例区で候補を擁立する。安保法廃止だけでなく、脱原発、改憲反対といったことも訴えていくそうだ。

 驚きの展開だが、じつは、このことについては、以前当ブログで紹介した小林氏の講演会でもそれを示唆するような発言があった。
 あの講演会において、野党が必ずしも一枚岩になれていない状況について小林氏は「誰かが第三の旗を立てる」可能性に言及しており、「東京ではそのぎりぎりのせめぎ合いが続いている」としていた。いまさら新党といってもな……と私は内心思っていたのだが、しかし、それが自ら立っての政治団体設立だったとは、思いもよらないサプライズだ。

 ひとまず、この動きは歓迎したい。
 小林氏が語るように、安倍政権を支持しない人のなかにも「民主党アレルギー」が根強く残っていると思われ、それは名前が変わったぐらいでは払拭されていないようだ。そしてまた、「共産党はちょっと……」という人も少なくないだろう。そういう人たちの受け皿として、この新党は有望かもしれない。

 私は、昨年から続く反安保運動を「日本民主化運動」ととらえ、世界各地で起きている草の根民主主義運動につらなるものと考えている。
 なかでも、日本の場合はアメリカのサンダース旋風に近い。アメリカでも日本でも、表向き「民主主義」の看板をかかげてはいるが、実際にはそれを支える仕組みが形骸化していてとても民主的とはいえない政治状況になっている。そのことに有権者が気づき、それを変えていこうという運動がおきているのだ。

 これはまさに、小林氏のいう「心の独立戦争」である。
 民主主義と非民主主義の戦いであり、立憲主義と非立憲主義の戦いだ。それはまた、安倍政権によってこの国がダークサイドに堕ちてしまうのを防ぐための戦いでもある。その戦場に、いま新たな旗が立てられた。立憲主義という旗だ。いまはとりあえず、この旗のもとに無党派層が幅広く参集することを期待したい。


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