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ワビスケ・2~落花

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が上々の滑り出しのようだ。主役の明智光秀を演じる長谷川博己さんの爽やかさだけでなく、松永弾正久秀役の吉田鋼太郎さん、齋藤道三役の本木雅弘さんらの快演が話題を呼んでいる。サントリー緑茶飲料“伊右衛門”のCMに出ている本木さん演じる道三が、娘婿の土岐頼純を茶で毒殺すると、翌日サントリーは、公式ツイッターでCM妻役の宮沢りえさんの画像と『昨晩は主人が熱演のあまり、皆様をお騒がせしたようで、すみません。まずは心を落ち着け、茶などお召し上がり下さいませ。妻より』という洒落の利いたコメントを流し、『サントリーが来る~』とネットが沸いた。あの放映時間帯に『ダーウィンが来た!』『麒麟がくる』と偶然続いているのも面白い。
 さて明智光秀の家紋は名門土岐源氏の支流として“桔梗紋”であり、松永久秀は生命力が強く子孫繁栄に通じる縁起の良い“蔦紋(つたもん)”になる。齋藤道三の出自は不明であり、油売りから何度も名前が変わり、その都度家紋も変わったが、最終的には“二頭立浪(立波とも)紋”となりこれは道三のオリジナルになる。
 家紋の図柄は植物、動物、天体、文様など様々だが、家紋の図柄として使われなかった植物が“桜”と“椿”だった。『花は桜木、人は武士』であり、散り際の美しさから桜は好まれるが、一族もろとも散ってしまうというのは避けたかったのだろう。椿は花後に潔くポトリと落ちるが、これは打ち首を想像させるのでやはり家紋としては敬遠された。しかし武士が椿を嫌っていたというのは俗説で、江戸時代には武家屋敷などでも盛んに椿栽培、品種改良が行われていた。
 写真はいせまいり公園に植栽されている「ワビスケ(侘助)」。ツバキ科ツバキ属の常緑小高木で樹高は4~5メートル。先日、咲き始めを撮ったが、再び訪れると樹の下にたくさんの落花があった。ワビスケには強い香りの品種があるらしいので、咲いている花を嗅いでみたがそれには香りが無かった。ワビスケは花粉を作らないのが特徴で、指先で雄蕊を触ってみたが花粉は全く付かない。
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