大峯山寺の戸開式
大峯山寺は吉野の修験行者の本拠地です。
5月3日の夜中3時に始まり、山開きの合図があります。
ここは今日でも女人禁制の風習が残っていて、
女性が入れるのは洞川温泉までです。
登山入り口に書かれた女人禁制のゲート
ここから標高1700メートルの山頂に向かいます。
ルートはいくつかありますが、洞川温泉側から登る山道は、
それほどハードでないので、普通に健康な人なら大丈夫です。
距離は片道およそ7キロです。(もちろん登山ですから装備は必要です)
途中の分岐点付近に令和天皇の訪問記念碑がありました。
皇太子時代の平成2年にここまで登ったようです。
そこから先にどんどん歩いて行くと、鎖綱が現れました。
急斜面でしかも30メートルくらいあり、鎖を握って下降します。
下に着くとすれ違いの登山者が、
「どこ行くの?えっ、それ反対方向だよ!」
どうやら道を間違えたようです。
仕方がないので、今度は鎖を登って引き返しました。
まあ、割とすぐに気がついてよかったです。
そのまま、まっすぐ行ってしまうと吉野山方面で、大峯山寺に辿り着くことはできなかったでしょう。
それでも日は暮れて暗くなり、懐中電灯は必須です。
宿坊に到着したのは7時半頃でした。
食事は質素ですが、山を歩いた後の美味しさは言うまでもありません。
宿坊内のお酒はOKのようでしたが、私は久しぶりの断酒日にすることにしました。
仮眠をとって、午前3時に大峯山寺に行きます。
明け方の山頂は風も強いしとても寒いです。3度くらいだそうです。
扉が開いて中にドーッと参拝者が流れ込み、ローソクの明かりの中、全員で般若心境を唱えます。
外に出ると護摩の炎で暖まります。
終了後は宿坊にいったん戻って、朝食して下山します。
日が昇り始めると、どんどん暖かくなります。
途中に、荒行用の崖っぷちに身を乗り出して、内側を見る場所があります。
実際に立ってみると、足はすくみますね。
修行の場合は、アタフタ逃げようとすると
「一度入ったら逃げることは許されない!」
とか、まさかないですよね・・・
そういえば登山者が山頂で急病になったとかで、結局、ヘリコプターで運ばれていました。
山で事故が起こると本当に命にかかわります。
体は大切ですね。
吉野は広大な自然と秘境がたくさん残っている素晴らしい場所です。