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新型コロナ感染の第6波、減少傾向にある様に見えますが、なかなかしぶといです。
減少どころか、沖縄や関東地方ではひょっとすると再増加して第7波になってしまうのでは?と思えるような小さいですが増加傾向も見られます。
第6波の減少が思うように進まないのは、3回目のワクチン接種が速やかに進んでいないからだという意見が多いです。ですが・・・・果たしてそうなのかなぁと思う私です。
3回目のワクチン接種の意義は、感染予防ではなくて重症化の阻止だと思っております。感染予防は出来ないです。3回目打っても罹患します。大きな目線で見れば、感染率は少しは下がるのかもしれませんが・・・・地方の開業医の目線で見ると、3回目のワクチンを打っても、罹患されます。症状はとても軽いです。喉風邪程度 でも感染はしちゃいます。
とはいっても、3回目のワクチンを打っていない方でも、中等症の1くらいまでくらいしか行かないです。全くワクチンを接種していない方や重症化リスクがある方にはラゲブリオ投与することが多いです
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この薬、発症後5日以内に使用開始すれば入院を30%減少させ、重症化、死亡を30%減少させるという事ですが、私は診断当日に使用開始しておりますので、発症後1日~2日で使用開始することが殆どです。そうすると、現在のところ使用した全員が中等症1以上に悪化せず、入院ゼロ、勿論死亡もゼロです。
この薬の良い所は、適応範囲が広い所です。
61歳以上なら誰でも。
18歳以上で悪化因子を持ち、妊娠の可能性が無い方なら投与可能です。
悪化因子とは
- 活動性の癌(免疫抑制又は高い死亡率を伴わない癌は除く)
- 慢性腎臓病
- 慢性閉塞性肺疾患
- 肥満(BMI30kg/m2以上)
- 重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
- 糖尿病
- ダウン症
- 脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
- コントロール不良のHIV感染症およびAIDS
- 肝硬変等の重度の肝臓疾患
- 臓器移植後、骨髄移植、幹細胞移植後
等です。
先日、往診している患者さん宅で、唾液の抗原キットの感度の低さが原因で、自宅内(大家族)でのクラスター感染が起こってしまったことを報告いたしました。
唾液の抗原キットはホントにクソです。
先日、このキットで陽性だったという方が来院されたのですが、抗原検査を2回施行ても陰性、PCR施行しても陰性でした!!
先日、このキットで陽性だったという方が来院されたのですが、抗原検査を2回施行ても陰性、PCR施行しても陰性でした!!
PCRと反対の検査結果を示す唾液の検査キットって何なのでしょうか?
100%反対の結果なら、それはそれで利用の仕方もあるとは思いますが・・・
100%反対の結果なら、それはそれで利用の仕方もあるとは思いますが・・・
滅茶苦茶、出鱈目 としか言いようがありません。
存在自体が悪です。
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話は戻って、入院の必要が無い新型コロナの患者さん、即ち軽症、中等症の患者さんには、飲み薬が投与できる場合があります。
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塩野義の薬は未だ認可されていませんので使える薬は現在ファイザーとメルクの薬2種類です。
メルクのラゲブリオは前述したとおりです。ファイザーの薬は、今のところ、とても使いづらいです。病床を確保したうえでしか使えないので、私の様な無床の診療所では使えません。病院では使えるのですが、併用禁忌の薬が多くて・・(すなわち、一緒に使っては出目よと言う薬がとても多いのです)
https://www.hosp.ncgm.go.jp/phar/140/20220210.pdf
https://www.hosp.ncgm.go.jp/phar/140/20220210.pdf
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これでは、薬を飲んでいない人には使えても、薬を飲んでいることが多い高齢者にはなかなか使う事が出来ません。高齢者にこそ出したい薬なのに!!
そこで 登場が待たれれるのが塩野義の新薬です。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/7e/054a5590fff42e236caba2757e954af4.png?1648478777)
使いやすそうな薬なのです。
ウィルス量を減らす効果は確認できたのですが、臨床症状を改善する効果が明確に立証されなかったので未だに承認されていません。国会でも与野党ともに早く承認しろと口うるさいです。何かあった時の責任は取ってくれそうにないですがねぇ!!
現在、オミクロン株が主流となっていますので、軽症の方が殆ど。なので、もともと臨床症状が軽くて少ないのです。ですから、臨床症状の改善のポイントが得にくいのです。そこが原因で今のところまだ承認が得られておりません。
明確に肺炎で呼吸状態が悪化する方が多かったデルタ株の時は、呼吸状態の改善などでこの塩野義の新薬も明確なデータが出そうになっていたのですが、数か少ないうちにオミクロンに変わってしまい、薬による改善効果が数値に出にくくなってしまった様です。
現在、オミクロン株が殆どですから、殆どの方が軽症です。そして、重症化する方は高齢者でかつ初期治療を行わなかった方が殆どで、そんな方は自己免疫が原因で重症化しておられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/f7/64c9baa20dc42f4a3cb886768f8bcd9b.jpg)
その状態で抗ウィルス薬を投与しても殆ど意味がありません。
要するに、オミクロン株主体の現況では、塩野義の新薬の治験は非常に困難だという事です。でも、まあ、時間を掛ければ、何とかいつかは認可に至るでしょう。その時期は連休前後になるのでは予想しています。
塩野義の新薬、使用禁忌の少ない、投与対象の広い薬です。国内で使用が開始されて効果が明確で、かつ、副作用が少ないとなれば、世界での投与が瞬く間に広がるでしょう。
上手くいけば・・・ひょっとすると塩野義製薬は世界的に名を馳せ、巨万の富を得るかもしれません!!
勿論私は、それを期待してはいるのですが・・・・
どうなるのでしょうねぇ!!
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