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米ファイザー製ワクチンは、原液に希釈用の生理食塩水を加えると1瓶2・25ミリリットルになる。
接種1回の必要量は0・3ミリリットルだが、一般的な注射器は先端部に液体が残るため、5回分しか取れない。2.25÷0.3=7.5なのにね・・・
2.25÷5=0.45 多分、0.1ml弱のデッドスペースがあるのでしょう。
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ローデッドタイプと呼ばれる特殊な注射器だと6回分取れるが、供給が不足している。2.25÷6=0.375なので、デッドスペースが0.075ml以下なのですね
ローデッドタイプと通常タイプ注射器のデッドスペースの違い
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ローデッドタイプでも、針の付け根部分と針の中はデッドスペースですね。
宇治徳洲会病院(京都府宇治市)は8日、インスリン用注射器を使って1瓶で7回分の接種を可能とする方法を報道関係者に公開した。ワクチンの量が限られる中、5回しか接種できない一般的な注射器を使うのに比べ、条件が合えば回数を1・4倍にできる可能性がある。同病院は厚生労働省に報告し、資料を提供した。
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この注射器は皮下注射に使われ、針が埋め込まれているために針の付け根のデッドスペースがほぼゼロです。
ただ、針の長さが、深い筋肉注射をするワクチン用の注射器(25㎜)の半分程度(13㎜)と短いです。
2.25÷7=0.3214 ワクチンがバイアルのガラス瓶のふちに残る分、針の中のデッドスペースを考えると、本当にギリギリだと思いますが、何とか7回取れる様です。凄ワザですね。
宇治徳洲会病院では、日本人は欧米人よりも皮下脂肪が薄く、インスリン用で筋肉注射が可能だと説明。超音波検査で皮下脂肪の厚さを確認した上で、職員への接種を始めました。
国からワクチンとともに支給されてくる注射針は25Gで長さ25㎜が標準の様です。皮下脂肪の薄いに日本人の9割程度は13㎜で筋層に届く様ですね。インスリン用の針一体型注射器なら、単価も安いし増産もし易いでしょう。エコーで皮下脂肪の厚さを測定するのは、手間ではありますが、ワクチン不足の改善はそれを上回る大きなメリットです。厚生労働省も「筋層に届くのならOK」と柔軟な姿勢を見せています。
我が奈良県でも医療従事者に対するワクチン接種が始まりました。私たち開業医のところにはまだ届いていませんが、何とかうまい方法を見つけて早く安全に広く接種が行きわたると良いですね。
ところで、私、一般の注射器で6回接種可能な秘策を持っています。長くなったので、次回に回します。
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