2020/7/28 05:30 (JST)7/28 17:17 (JST)updated
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新型コロナウイルスの風評被害や横野浩一さんの闘病生活について語る長女伏谷由佳さん(左)と妻の横野典子さん=神戸市須磨区(撮影・中西大二)
新型コロナウイルス感染症によって4月に亡くなり、公務災害に認定された北播磨総合医療センター前病院長の横野浩一さん=当時(72)、神戸市須磨区。遺族は、横野さんが同感染症を持ち込んで病院を休診させた-とする風評被害や罪悪感に苦しんだという。妻典子さん(65)と長女の伏谷由佳さん(36)=大阪府=に現在の思いを聞いた。
-風評被害を受けた。
長女「70代医師と匿名で報道されたが、父だと推測できたので、知らない人からや無言の電話が鳴り続けた。電車(実際は車)で病院へ行ったとされ、インターネット上では、ウイルスをばらまく殺人鬼などと書き込まれた。風俗やパチンコでもらったと言う人も。院長が病院にウイルスを持ち込んで業務を停止させるなんてお粗末とも言われた」
妻「ネット上に実名をさらされ、当時は感染するだけで犯罪者のように扱われた。近所の人もみな知っており、(濃厚接触者として)自宅待機の2週間が過ぎた後も外を歩くのが怖く、買い物は車で遠くに出掛けた」 -公務災害が認められた。
長女「当初は父が感染症を病院に持ち込んだとされ風評被害も受けた。仕事中に感染したことが認められて安堵(あんど)している」
妻「北播磨地域で頑張ってきた夫のことを、院長で医者のくせにウイルスを持ち込んでとんでもないと思われているのがつらく、夫も残念だと思うので、事実は違うと知ってもらいたかった」 -入院中のやりとりは?
長女「3月9日に入院し、翌日、急に容体が悪化して人工呼吸器をつけた。鎮静剤を入れるので意識がなくなる。万一を考えてLINE(ライン)で『大好きだよ、ありがとう』と伝えた。父も『心から愛しています。ほんとうに幸せだよ』と書いてくれた。家族はほとんど話していないし、まさか亡くなるとは思っていなかった」
妻「私も、しばらく入院して帰ってくるとのんきに考えていた。主治医から話しますかと言われ、夫が『念のためありがとうな』と言ったので、私も『念のためありがとうね』と。それが最後の言葉になった」
長女「当時、コロナが一気に悪化するとは知らなかった。陽性の判明も父は知らない。多分そうだとは思っていただろうが、新型コロナとは知らずに逝った」 -闘病中の様子は。
長女「医師からは『人工呼吸器でサポートし、自分の力で治るのを待つ』と言われたが、呼吸状態が悪くなり、わらをもつかむ思いで頼み、入院10日後にアビガンを使ってもらった。人工心肺装置エクモは人工呼吸器を装着して1週間たつと救命率が低くなるので使えないと言われた。もやもやした気持ちが残った。4月に入って回復の見込みが低くなった。たくさんのチューブにつながれ、父ならきっと楽にしてほしいと思うと考え、血圧を上げる薬をやめた。30分ほどで亡くなったが、父を囲み家族でゆっくり過ごす時間が取れた」 -お別れは。
長女「納体袋に入れられて親族6人で通夜と葬儀をした。お骨拾いも、長男がのど仏だけを拾った。最後はジャケットにシャツ、ネクタイ姿で格好よくなった。ただ、人工呼吸器を入れていたので口は開いたまま。普段は葬儀社が整えてくれるが今回は袋に入っていて触れることすらできなかった」 -家族を亡くした立場から伝えたいことは。
長女「特に高齢の方は亡くなるリスクを考えて行動してほしい。若い方も緩まず感染対策を。自分の親や祖父母にうつして、いつこういう立場になるか分からない。私たちのような思いをしてほしくない」(聞き手・小西博美)
高齢の医師は医療現場から離れろと言うのなら・・・・開業医の多くが発熱患者を・・・発熱していなくても感染の可能性はあるのだから、外来患者全員を診てはいけないことになってしまう。
高齢の医師は医療現場から離れろと言うのなら・・・・開業医の多くが発熱患者を・・・発熱していなくても感染の可能性はあるのだから、外来患者全員を診てはいけないことになってしまう。
私など、大した存在感は無いし、自分自身引退して南太平洋の藻屑になりたい希望があるのだから良いのだけれど、地域医療に邁進していた方が新型コロナに感染したという理由で評価をマイナスにされると言うのが全く理解できないでいます。
私は、SARS-COV2に感染しやすく、重症化しやすい65歳以上の高齢者で、かつ糖尿病、高血圧、高脂血症を保有しております。そのうえ、新型コロナに対する発熱外来に登録している恐れを知らぬ馬鹿医者です。自ずから感染しない様、周囲に感染を広げない様、最大限の努力は払っておりますが、一旦感染が広がれば「感染源のじじい」として攻め立てられるのでしょうね。
感染症自体よりも周囲の反応の方が怖いです。
怖いから、感染患者さんや周囲の家族さんなどが妙な差別を受けるのでしょうねぇ
COVID-19正しく恐れたいと思います。過剰に反応して無用な差別を生み出さない様にしないといけませんね。
sanae1128itezaさん 寄り添っていただけるのは何よりありがたいです。
誰もがそうあってくれたなら、こんな不幸は起こらないのにと思いました。
シャイロックに、、、胸の筋肉をえぐられたような、、、
報道者の慈悲のなさに、絶句です。
寄り添うというのではなくて
世論も、私と同じ思いの人が多いと思いますよ。
記事にする対象の人が、どのように生きてきたか、、、
大切にしてきたものを、
めったさしにしないでほしいと、、、
こみ上げる悔しさがありますね。
立ち止まって、書き方を考えてほしかったですね。
マスコミのペンは悪魔にも、神にも
化ける魔法のペンですね。
化ける魔法のペンですね。
ペンは剣よりも強い時もむごいこともあるのですねぇ
私が、生きている人が怖いと感じるのは、こんな時です!!
予測されるあらゆることに対応するという
神経のすり減らし方を、
私も、たぶん民間も
気が付かないニュースの読み方をしていました。
恐ろしいですよね。書きたてられる側は、、、。
やっと、、、生きてる人が怖いという意味が
ジンワリト、、、伝わってきました。
コロナパニックの犠牲にされる「悪魔のペンの被害者」は、
税金免除にしてくれるといいですね。立ち直り費用として!
あるいは国が、
こうした記事に精神的風評被害罪の基準を作るとか、、、。
対策費用が出ますものね。
半端なお金では事前防御は難しい対策ですよね。
本人と同様の体験をしていないと、
モナリザをインクで汚して
どうやって、、、微笑をとりもどせばいいの?
寄り添われた方は、
「お日様があたらないから、どいてくれ」ってなると思うから、力も愛も、人間尊重のロジャース並みのレベルが無いと、、、
今回のケースは、寄り添える実力の人が居たとしても、、、
フリーズしてしまいますよね。
社会性も、責任感も、感受性も、実績も、尽くす心も、
リーダー格の方だけに、、、相手は正体不明のウイルスだけに
軽率なペンは、、、許せない大きな被害を与える。
せめて、物質的被害の大きさは、、、記者当事者も、デスクも
国も理解してほしいですよね。名誉は取り戻せるのか?