湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

フォトコンテスト〜空の上で〜

2019-04-25 19:03:00 | ポエム
西から東
雲の流れに乗ってるのかな
飛行機も
随分と到着時刻が早いようだ
 
 
疲れからの眠気は
なんだか心地よくて
 
 
窓からの夕焼けが
空の高い場所にいるせいで
 
長く長く眺められるのは
とても美しい時間を
沢山頂いたような気分になる
 
 
眼下に広がる『ひつじ雲』
 
 
翌朝あたり
雨が降ると言われている
 
 
一緒に東に流れていく途中で
出会ってしまったんだね、私達
 
 
どうしても
青いカントリーマアムにしか
見えないじゃんって
動かない窓に
息が跳ね返ってくるほど
この風景にかじりついてる私は
この空に
恋をしちゃったんだろうね
 
 
いつまでも
青とオレンジの光が続く空の道
 
 
その境界線は
まあるい地球で
どこにいてっも隅っこで
どこにいっても果てになる
 
 
自分の居場所って
自分が立っている位置が
崖っぷちでも
いつだって
中心にもなれるというのに
 
 
私はどこに着地するのだろう
 
 
カントリーマアムみたいな
空の上から
 
 
私はふわりふわりと
恋した気分が続いてく
 
 
この熱い気持ちは
明日あたりの雨に冷やされて
 
 
ああ、
このひつじ雲のジンクスねって
きっと
思い知るのでしょうね
 
 
翌朝
私は失恋を、するのだろう
 
 
 
 
 
 
 

佐賀県武雄市でのこと

2019-04-24 16:30:00 | 旅行
四日間の滞在に
何度足を運んだだろう
 
義母がいる老人福祉施設
 
最後の日には
ここ数日の間に義母を撮った写真を
コンビニで焼いて
手渡しを兼ねて、今回の帰省を最後にと
立ち寄ったとき
 
これから、ボランティアさんたちが
慰問のステージを繰り広げようとする時間の
少し前だった。
 
集まる老人達の中に
義母を見つけ駆け寄った
 
写真を見せて
『もう出来んしゃったと?』驚く義母に
『もう、なんでん、すぐに出来っとよ』と
ウインクしながら手渡した。
 
『これから、踊りさー見ていきんしゃい』と言う義母に
 
『あー、ごめんね、もう帰らんばいかん時間とよ、空港にいかんばねー』って答えると
そこは、動けなくても母の顔になる
 
『じゃったら、こげんとこ来さされんと、はよーいかんばー、ほれほれ』って
可愛いことを言う
 
『良かよー、お母さんにこれを渡したかったとよ、また、来るけんね』
 
義母が
『ほんに、またすぐに、早よー時期に来てくれんとやろか』(ほんとに、またすぐに早い時期にきてくれないか?)
 
私は答えに困ってしまった。
 
『うんうん、出来るだけ、はよー来るようにすっとばい』
 
義母はうんうんとうなづきながら
『あんたも、元気にして風邪ばひかんでね』
 
 
『私は大丈夫よー。お母さんが一番元気でおらんと。洋服買いに行ったり、美味しいものを食べにいかれんごとなるから、気をつけて、元気でいてくれんと』
 
泣きそうになりながら、、、、。
 
 
最近の帰省の時の義母との会話は
いつも、義母の手を握りながら話している。
 
しかし、もう時間が来たようで
あたりは、慰問の人達でざわめき始めた。
 
『じゃねー、お母さん、また来るけんねー』
握っていた手をポンポンと二回
合図のようにして、手を離した。
 
 
小さく小さくなってゆく義母
 
ドアのところまで来て
振り返ると、また小さく小さくなる姿
 
 
何故、もっと早く
何故、もっとたくさん、お世話をしてやれなかったのだろう
 
 
物理的距離も
物理的時間も
無かったのは仕方がないこととは言え
やっと、この数年
私の気性が分かって
義母が体を委ねてくれるようになったのは
嬉しいことではあるけれど。
 
 
もっと喜ばしてあげたかった。
 
 
義母の娘達は
義母がこしらえた和服は一切要らないと言い放ったらしい。
義母がとても悲しい思いをしたのがよく分かった。
 
だから、今度は私にタンスから好きなものを取っていけと義母は言った。
 
私は、最後に義母に
『あの、可愛らしか着物を何枚か、私がもらっていくけんねー、良かねー』って伝えたとき
 
 
義母が細い目で笑った
『そーねー、良かよか、そーねー、良かったばい』
 
 
義母が大切にしていた和服は
私がもらう
 
そして、その中の一枚は、
義母に洋服に仕立て直してあげよう
 
 
 
武雄神社 大楠の御神木
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

本当の白い花のお話

2019-04-24 10:17:52 | ポエム
ほんとうはね
こんなに綺麗な花園なんて
生まれて初めてだったの
 
 
ほんとうはね
花のトンネルの花園なんて
ありっこしないと思っていたの
 
 
神さまが
めぐり合わせてくれたみたい
あなたと私のように
 
 
出会っただけで
ほんとうは恋に落ちていたのに
分からずに
 
 
ああっ、、て
声にしたときの感嘆符
 
 
あれが全てだったのよ
 
 
限られた場所に
数えきれないほどの彩り
 
 
『情熱』って言う
花言葉をもつブーゲンビリア
 
 
ほんとうはね
その色とりどりの花々なんて
見せかけだけのカモフラージュ
葉っぱで出来た花は偽りの花
 
 
 
ひとつひとつの中心部から
溢れ出すように
小さな白い花が本当の姿
 
 
真実はいつも真白にあるものだよ
 
 
誰にだって
簡単に近寄れないほどに
するどい棘も持っている
 
 
見た目の華やかさに
惑わされないでって
 
 
本当の綺麗さを
見たい情熱のある者だけが
その花にたどり着ける
 
 
ほら、
ここにあるよって
小さな白い花を
差し出してくれている
 
 
 
そう
本当は
いつも真白の中にある
 
 
 
 
ブーゲンビリアの花園の中
 
 
本当の白い花のおはなし
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

旅の心模様

2019-04-23 08:00:16 | ポエム
旅にこれからと、向かうとき
足はもうすでに
今この時ではない地を
踏みしめているかのようで
はやる気持ちが
色んな気持ちを蹴散らしていく
 
そんな風に旅立った
 
 
 
旅が終わりにと、向かったとき
足は今来た道
前にいた時間の場所の地へ
飛び越えたくなるかのように
急ぎ出したこころ
忘れてた気持ちを
慌ててかき集め始めてく
 
そうして帰路に立った
 
 
あの人は
この人は
 
 
どうしていたのだろうと
 
 
なぜか
置き去りにしてしまった心と
旅に出会った景色とか
混ざり合って
ほんの少し
胸が甘酸っぱい
 
 
旅から離れる寂しさと
忘れていた寂しさと
 
 
なんにも言えずに
 
 
こころの渇望の声が聞こえる
 
 
 
ただいま
 
 
西の空に沈んでいくオレンジの光に
 
サヨナラして
 
 
 
漆黒の闇の東に
向かって飛んでいく
旅はおわろうとしてる
 
 
 
ただいま
 
 
たくさんの光の街を眼下にみて
自分の街に帰ります
 
 
 
花に包まれた時間
空を眺める時間
人を思う時間
 
 
たくさん
たくさんの色んな思いの中で
 
 
甘いもの
しょっぱいもの
ツンとしたもの
あたたかなもの
 
 
私の心の中でブレンドされていく
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ピンクムーン

2019-04-20 06:30:36 | ポエム
四月の満月はピンクムーン



低い山の稜線から顔を出した

西の隅っこのような場所にきて

その日が満月の日だなんて

知らず知らずに

空に手を合わした



なぜ?

ここまで来たのかしら



招き猫に導かれてきたのやら

誰に導かれて来たのやら



飛行機に乗っても

めずかしく下界は白く覆われて

どこに着くのかわからなかったから



目隠しされて連れられて来たような



誰かに導かれて来たのでしょうね



ピンクムーン

昔、ネイティブ・アメリカンの人々が

そう呼んだ



シバザクラやツツジはピンク色



これから咲き誇って行く花々の

先駆けのように



明日を思うか

明日を憂うか



それは自分次第だけれど

明るく楽しい色の方が

彩って行くのはいいと思うの



寂しくないよ

町は彩りを放ち

あちこちに

思う人を見つけられるでしょう