私の教会(町田クリスチャンセンター)では、かなり本格的な劇作りが行われています。
年末のクリスマス劇はもちろん、毎月一回、聖書箇所を聖書劇にして上演しているのです。
舞台はけっして劇上演向きではないし、役者も脚本家(さとうもその一人です)も素人。
幸い演出家は、もとプロで役者や演出をしておられた人でその指導の良さでしょうか。
案外に見ごたえのある舞台になっています。
★★ ★ ★★
劇のメリットは、観客の心に訴えやすいことでしょうか。
目で活字を拾ってその内容を飲み込むのに比べると、ぜったいに訴求力Fがあると思います。
もちろん、訴求力があるから、大変ともいえます。
作り手のメッセージが、受け手に正確に伝わっているかが問われるのは、
あらゆるクリエイターの永遠の問いでしょう。
でも、音楽、ダンス、絵画などの芸術は、どちらかといえば人の「感性」により強く訴えるのです。
ある曲を聞いて、戦闘の場面を思う人とオリンピックを思い浮かべる人がいることもあり得ます。
事実、ベートーベンの「田園」は、恋人たちの語らいのBGMにも、老人の回想の場面にも使えるでしょう。
「美しき青きドナウ」が「2001年宇宙の旅」で使われていたことは、とても新鮮でした。
同じ芸術でも、詩や短歌や俳句、小説や戯曲など文字で記されるものとなると、
感性だけでなく、知性に訴える要素が強いのです。
台本をもとに作り上げる演劇も、その意味で、言葉で言い表せる知的メッセージを伝えたいのです。
★ ★★ ★★
聖書劇はさらにもう一つ、霊的メッセージが伝えられなければなりません。
聖書は、神の言葉、つまり、神と言う霊的存在である方のメッセージです。
既に原作者がいる物語を脚色するのは、楽であると同時に神経を使うでしょう。
原作者が、神様であればなおのことです。
どうか、どうか、どうか、神様のメッセージがまっすぐに伝えられますようにと、いつも祈りながら書きます。
幸い、苦心しているのは私だけではありません。
演出家、役者、効果や小道具や衣装を担当するスタッフもいて、
みんなで作り上げるのです。
芝居が出来上がるころには、独特の一体感が生まれます。
それは、美しい花々が、見るだけで十分喜ばせてくれるのに、
その上、甘い蜜をしたたらせてくれるのにも、似ています。
一度、蜜の味を見に来てくださると感謝ですね。