教会に集うようになって、初めて芝居の脚本を書いてみたんです。
教会の牧師の方針として、聖書内容を劇に作るということがあったので、
自分でもできるかもしれないと、おっかなびっくりで志願してみたんです。
演出家のYさんは、脚本作りは全く初めてという私に、大切なことを教えてくださいました。
「芝居にとって大切なものが三つあります。なんだと思いますか」
一所懸命考えて答えました。
「舞台、観客、役者、脚本・・・」
ひとつ余ってしまいます。
「舞台、観客は、その通りですね。あと一つは、ホン(脚本)ですよ。」
唖然としている私に、
「一番大切なのは、ホンです。ホンが元なんです。それに舞台、観客。
極端に言って、役者が全く出ない芝居もあるんですよ。」
★ ★★ ★ ★
私はただ、首をすくめて拝聴しました。
「脚本でも書いてみよう」なんて、なんと思い上がった考え。
脚本が元! ホンがあって、場(舞台)があって、観客がいて・・・。
すると、役者ってなんなのだろう。最後に呼び集められる役者。
人間でなくても良いかもしれないなにか!
いやいや、それは・・・。
そんなわけで、
いまでは、震えながら、ホンを書くのです。