不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

不登校児の拒食

2017-11-14 09:18:29 | 日記
不登校になってから、息子は様々な問題行動を起こしましたが、
母親として一番困ったのは拒食でした。

学校を休み始めても、最初は普通に一日三回食べていたのです。

「学校で給食を食べてくれればいちいち作らなくていいし、
栄養バランスも取れて楽なのに」

食べていた頃はそんな嫌味を言う余裕すらありました。

ゲームに没頭してろくに食べなくなると、
お菓子でも何でもいいから食べてほしくて私は必死でした。

飲まず食わず、たまに眠るのはゲームに疲れ果てて、
椅子に座ったまま寝落ちする時だけという有様でした。

椅子の上でひょろ長い手足を器用にたたみ、
弱々しい寝息を立てている息子を目にした時、
(この子は死ぬのではないか)
と私は怯えました。

この頃はウィダーインゼリーかカロリーメイトなら
かろうじて食べられる、という状態でした。
食べる量は少なくても栄養が入っているので、
こういう時はまだ安心でした。

甘いお菓子しか食べない時もあったし、手作りの料理がダメで
コンビニのおにぎりかサンドイッチという時期もありました。

「何か食べたい物ない?」
と聞くのが習慣のようになり、かなり元気になった今でも
出かける用があるたびに聞いてしまいます。

昼夜逆転していた時は、決まった時間に手料理を食べさせることはできませんし、
あとで食べるかと思って取っておいても、
勝手にカップラーメンなどを食べて、料理には手をつけないことも。

外に出ないので運動はしないし、健康に悪いことこの上ありません。
私の言うことは聞かないし、夫は我関せずなので、
気をもみながらも放っておくしかありませんでした。

「俺、病院でテキベンしてほしい」
長らく私を無視していた息子が、ある時珍しく声をかけてきました。

「テキベン?何それ」
ようやく声をかけてもらったうれしさで、私は意気込んで聞きました。
しかも外に出たがらない息子が自分から病院へ行きたいとは。
これはぜひかなえてやらねばと思いました。

「便を掻き出すこと」

「へっ?」

「肛門に指を突っ込んで、便を掻き出してもらいてえんだよ」
息子はヤケクソのように言いました。

生活の乱れから、ひどい便秘になったようです。

私は吹き出すのをこらえながら、
「まずはイチジク浣腸、してみよっか」
と言いました。

めでたくお通じがあったらしい息子は、翌日上機嫌で私の所に来て言いました。

「俺、筑前煮が食べたい」

渋いな、いきなり。

それ以来息子は徐々にバランスのとれた食事をとれるようになりました。