不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

不登校のまま高校へ

2018-04-03 14:10:57 | 日記
冬でも布団もかけず、ろくに服も着ないで過ごしていた息子は、ひどい風邪をひきました。

「こんな時に布団をかけてやることも、服を着せてやることもできないなんて」
と言いながら,
私はおろおろ息子の周りをうろつくばかりでした。

そんなある日、息子が自分から、
「胸が痛い。病院行く」
と言ってくれました。
私を嫌ってめったに話しかけてくることもなかったのに……。

仕事がちょうど忙しい時でしたが、本当にありがたかったです。
このままでは息子が死ぬのではないかと、本気で心配していましたから。

それ以来、布団はかぶって寝るようになったものの、志望校に提出するはずの課題は出せないまま、
とうとう最終締め切り日を迎えてしまいました。

(高校進学は、無理かもしれない)
と、私は一人で気をもんでいました。私はこの頃ストレスのためか歯を食いしばる癖がつき、
顎が痛かったことを覚えています。

「あなたも慰めてやってよ」
と私は夫に頼みました。

「だって、居間に下りてこないんだもん……」
夫は息子が近づいてこないのが悪いと言いたげです。

「部屋に行けばいいじゃない」
「部屋に入ると、怒られるもん」
子供か、お前は。

「自分が傷つくのがそんなに怖い?
自分の育て方が悪かったんじゃないかとか、親なら思うのが普通じゃない?」
「俺、別に何もしてないもん」
確かに夫は何もしていません。

「何もしてないのが自慢?昔からAばっかりかわいがって、Bにだけ何もしてやらなかったじゃない。
何もしないのが一番いけなかったんじゃない?」

私はもうキレる寸前ですが、
(こいつに言っても無駄だな……)
という無力感で黙り込むしかありませんでした。

たとえ進学できたとしても、この状態では毎日通えるはずもありません。
私は通信制の高校を調べて、なるべく通う日数が少なそうな学校を2校ピックアップしました。
たくさんあると優柔不断になって決められないと思ったからです。意欲が低下している時は、決断力も低下するものです。

「ほとんど通わなくても卒業できる高校もあるよ。こっちの学校はきれいだけど、通う日数は少し多い。どっちがいい?」

どんな形でもいいから居場所を与え、高卒資格を取らせてやりたい一心でした。

わざと高校浪人という選択肢を隠して選ばせると、息子は
「じゃ、こっち」
と渋々、通う日数が少なくて済むほうを指差しました。