まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

カキ氷始めました。チャブダイカフェ の軒先にて。

2018-05-13 22:21:46 | お菓子作り



発泡スチロールの箱から慎重に氷を取り出し
骨董屋から大将が大事に運んできたカキ氷機の
円盤の上に置く。
重たいレバーを回して押さえを下ろし、
ハンドルを手前にくるくる回すと
シャーーッという小気味良い音と共に
雪のような氷片が降ってくる。


チャブダイカフェ の軒先に置かれた
手製の小さな屋台に
今朝アマゾンから届いたばかりの
「氷」の暖簾がひらひらする。


小学生くらいの男の子、弟と半分こねと
お母さんに注文してもらったカキ氷が
お皿に盛り上がっていくのをじっと見ている。
三分の一削ったところにベースのシロップをかけ、
もう三分の一削ったところにベースのシロップと
いちごシロップを半々にかけ、
最後に山盛りにしたところにいちごシロップをたっぷりかける。
「いちごは好きですか?」と聞くと、こくんと頷く男の子。
トッピングの角切りいちごのマリネをちょっと多めにサービス。


土曜日の商店街の人通りは少なくないが
日中は多くがお年寄りや小さな子のいる家族連れで
お年寄りは屋台をちらとも見ないのがほとんど、
子どもは目ざとく「カキ氷だって」と寄ってくるが
「何円ですか?」「800円です。」「えーー。高い。今、100円しかないよ。」
確かに、お祭りの屋台だったら100円かそこらで
合成着色料と合成甘味料のたくさん入った液体をかけた氷を売ってるもんね。

でも切なそうなその顔を見てたら、半量で400円っていうのもアリなのかなと
ちょっと考えたり。
いやいや、違うんです、800円出しても食べたい氷を提供したいんです。

鵠沼海岸の埜庵、谷中のひみつ堂、下馬のかんな、仙台の梵くら。
季節を問わず人々がカキ氷いっぱいに千円札を2枚、3枚と用意して
長時間並んでまで食べたがるのは何故なんだろう。
それは、自己愛なんだと思う。
たかが氷に、こんだけの労力と経済力を注いでいる自分、アホみたいで可愛いし
注げるその力ってすごいと思わない?っていうね。

そして、作ってる方も多分そうなんだと思う。
だって私がそうだから。
たかがシロップに、こんだけの素材を使って、時間をかけてるのってすごいと思わない?ってね。

もし本当にそれきりだったら、ただのダメな人だと思うんだけど
なんだってそうだけどこと食べるものに関していえば
素材にこだわって丁寧に作るものは必ず食べる人の心も満たすのです。
それを教えてくれたのはチャブダイカフェ の大将の作るごはん。

まずいけど安い、は論外だし
まずいのに高い、はもう人間失格だし
美味しいのに安い、はいろんな人が泣いてるし
とても美味しいけどちょっと高い、に価値があるのです。
これは白楽にある超人気カフェのマスターの受け売りだけどね。

初回の昨日、一番心が痛かったのは
遠目から屋台を見つけて一緒にいる小さな娘に
「カキ氷だって。食べる?」と近づいてきて
そこで初めて価格を見て絶句し、でも子どもの手前引くに引けず
食べ終わってから「ありがとうございました」とかけた声に
振り向きもせずに去っていったお母さんの後ろ姿で
屋根の目立つところに「ちょっとお高いですがその分美味しいです」とでも
大書しとけばよかったのかなあと思いながら見送った。
でも、ここから少しずつ「提供したいもの」を発信していって
過たずそれに反応してくれたお客様に来てもらえたら嬉しいな。

そして大失敗したのは、抹茶白玉あずきの方の写真が
一枚も無いことです。あんなに仕入れ頑張ったのに。

そんなあれこれを学習しつつ
来月からに繋げます。

来月のフレーバーは
「マンゴー」
「柑橘」
の予定です。まだ日程も決まってないけどね。
アンテナにピピッと来てくれる人がたくさんいますように。