LA LA LANDを観てきた。
日曜日の夜。
明日からはまた一週間が始まる、という
そんなタイミングで
みなとみらいの劇場はそれなりに一杯。
ストーリーはシンプル、
夢を追いかける男と女の出会いと別れ。
昔の映画を見てるよう。
主役の女の子の愛嬌のある顔が
終盤ものすごく美しく見えてくるのが不思議。
監督さんが、どうしてもどうしても作りたくて
でもお金がないから別の映画で稼いだんだけど
その映画がまたとんでもなく素敵なのだそう。
膨大な情熱がスクリーン全面から放出されていて
ただ涙流すしかなかった。
シートに座る少し前、劇場の階下にある店で
ムスメのスーツを選んでいた。
就職活動も本格的になってきて、
再来週には説明会に着用しなければならない。
店のお姉さんに手伝ってもらってあれこれ選んだり
参考に、と雑誌を見せてもらったり。
するとそこに見覚えのある写真館の宣伝。
21歳の私の奇跡のワンショットを撮ってもらった
伝説の店。いまもなお健在だと知って感動。
真っ黒い細身の上下に身を包んだムスメ
それなりに見えるのがおもしろい。
大学の入学式用にスーツを選んだ時には
試着室から出てきた彼女を見て
そのあまりのちぐはぐな感じに
私たちは声あげて笑っちゃったのだが
年月の分、成長してるんだな。
「就職のために予備校に通いたい。
ついでに教習所も行きたい。」
と言い出したのが去年の今頃。
予備校の学費は自分で払うから
教習所代を出して欲しい、っていう
なんだかよく分からないトレード。
免許は無事に取れて
今は平日夜と週末のほぼ全日を
予備校で過ごしている。
バイトがあまりできないので
節約のためにお弁当を持って行き
教室にずっといるのは息がつまるから
隣の広い公園で食べてたりするらしい。
なりたい自分があってやりたいことがあって
そのために努力してるムスメ。
「気づいたんだけど私そんなに勉強嫌いじゃなかった」
って、それはラッキーなことだよね。
店の姉さんがスーツをムスメに手渡しながら
まっすぐ目線を合わせて「頑張ってください。」と
言ってくれた言葉にマニュアルの匂いがしなくて
心がほわっとした。
さらに遡ってお昼少し前には
知らない町をドライブしてた。
ホワイトデーギフトを注文した
ゆっこちゃん家へ引き取りに。
「目的地へ近づきました。案内を終了します。」
いつも最後まで責任取らないやつだ、ナビ。
ウロウロしてたら物音に気付いて
ゆっこちゃんが表に出てきてくれた。
お茶をいただきながら少しお喋り。
これがお菓子の一般販売初回のゆっこちゃん
思う通りにいかなかったことや
こうすればよかったな、ということが
たくさんあったという。
でもまずはやってみることが大事、と
思い切ったことは正しい。
かつて営業時代に上司に
「きれいにカタチを整えてから仕事しようなんて思うな。
走りながら泥かぶりながらじゃないと、進まない。」
って言われたことを思い出した。
おっしゃる通りとは思うけど会社組織なら
もう少しガードしてくれてもよかったかなあ。
そこに行くとゆっこちゃんのように
自分で切り拓いてゆく人は
攻めるのも守るのも自分しかいない。
でもその代わり誰の意志でもない
自分の意志だけを仕事に反映することができる。
大人の事情とやらに振り回されて
機械のように降りてくるものを右へ左へ
なぎ倒すだけの私にすれば
それは心から尊敬するし、羨ましい。
目標は資格を取って仕事をすること、
夢はしあわせになること。
そう思ってた30年前。
資格は色々取ってそれを使って仕事もしてたけど
こどもを持つことで中断し
今は稼ぐことだけが目的の仕事をしてる。
こどもを持たない選択をすれば
キャリアは積み上げられたかもしれないが
そこで得られたであろうしあわせと
こどもを持つことで得たしあわせと
比較のしようもなく、正誤の識別もできない。
だけどその時、そのときに
自分がしたいことを選んで
最後に振り返ったときに
よかったな、と思えるように
日々を重ねたいと
丁寧に作られた希望に溢れるお菓子を
いただきながら思った。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます