「舟を編む」って本で、新たな言葉に出会ったときの「用例採取」っていうかけ声が好きだったんだけど、わたしの一番新しい用例採取がこちら。「はつる。」削るという漢字を当てる。焚き火のための薪を集めてるのはいいんだけど、玉切りをのこぎりで切断するのに疲れまくるので、薪割り用の斧が欲しくて物色してた夫が、なぜか「グリーンウッドクラフト」にハマってしまった。木材からスプーンを作るのに、形に合わせて周りを木工用の斧で削り出す。その動作を専門用語で「はつる」というんだって。
動画ではヨーロッパのおじいちゃんが手袋もはめずに斧やナイフでガシガシと木をはつる。その方向で刃物を動かしたら指だの腕だのいっちゃうんじゃないの、とハラハラ見守るうちにスプーンができちゃう。何だか楽しそうだ。大勢で集まってクラフトする「スプーンフェス」っていうのもあるんだって。いいなあ、でもヨーロッパ遠いなと思ってたら日本でも「さじフェス」やってたよ。2017、2019と開催してるから次は今年じゃないのか?岐阜なら頑張れば行けるぞ。
まずはギアから入る夫は素敵な斧やナイフや作業用の丸太を購入。休日の昼から夕方までを費やして記念すべき1本を作成。使った木材がそこいらで拾った廃材だったので、やりにくかったらしい。いいところまで出来たのにほんの少し削るつもりがバキッとひびが入ってしまい、やり直したとか。ちゃんとスプーンになってるよ。すごいな。素手でやってたら危うく手を切りそうだったので手袋をはめたんだっていうけど、その手袋が傷だらけ。怖い。
そして唐突に「亜麻仁油ってある?」と聞いてくる。そんな高額な油はありません。エゴマ油でもいいけど、って、そっちも高額なのでありません。酸素に触れると固まる種類の油がいいんだそうだ。オリーブとかごまとかじゃダメらしい。くるみでもいいよ、って言われたけどこないだ全部食べちゃったよ。調べたら紅花油でも良さそうなので、今度買ってくるわ。表面をコーティングするのに良いらしい。一度塗ったら一週間乾かすというのを3回繰り返すといいっていうけど、そんなに長時間かかるものなんだねえ。
ステンレスは金気がするから嫌だといって、実家のママは木のカトラリーをよく使ってる。そのうち義理の息子が作ったやつでご飯食べられるかもしれないよ。
大学卒業してからずっと同じ会社で働いてる夫、本当はイベントなんかやるような仕事につきたかったんだけど恐ろしく早く結婚することになっちゃったもんだから、仕事自体の面白さより収入の安定を求めての今がある。残り8年無事に勤め上げたらそれからの人生は楽しいことやろうと、いろいろ探して見つけた遊び。ワクワクしてる様子が見られてわたしは嬉しい。
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