ちいさなつづら

肩幅で暮らす。

伊予生糸の伝承へ!!

絶滅の危機にある文化、養蚕・製糸。その中でも、最高級品質の絹糸、「伊予生糸」は、日本の地理的表示保護制度の認証を受けています。養蚕農家、製糸技術者が減ってゆく中で、どのように後世に残して行くか、皆さんのご協力を得ながら、課題解決に向けて頑張ります。応援よろしくお願い致します!

くるま

2014-11-11 06:31:20 | かんがえるあし

 寅さんの話では、ありません。


 父の話。



 父は、長年、自動車の整備士をしていました。


 自動車が好きだから、やっていたのでは、ありません。


 戦後日本の高度経済成長以降、わりとなりやすい職業の一つだったこともあるのでしょう。


 あとは、父が結構手先が器用だったこともあって、向いていた仕事だったのかもしれません。



 車よりも、自然の方が好きだった父は、「オレの仕事が自然を破壊している」と、ときどきこぼしていました。


 家族を養うためには、やりたくない仕事でも、しなければならない時って、あるのだと思います。そんな思いに挟まれながらも、私たち家族のために働いてくれた父には、どれだけ感謝してもしきれないところです。


 「やりたいことを仕事にできる人は、世の中にはそういない」とも、よく言ってました。私が進路で悩んでいるときとか。


 
 自動車の整備士をしていたこともあって、自家用に乗るのは、たいてい、廃車寸前のポンコツ。修理すればとりあえず走る、という実用本位の車。定年まで、続きました。次々にいろいろな車に乗り換えるので、ある意味、様々な車種に乗れたのは、家族には良かったと思います。



 定年退職を機に、退職金で、初めて、父は新車を購入しました。人生初の、新車。まあ、ご褒美みたいなもんですね。


 その車も、最近、70歳で、手放しました。


 東京都では、都営交通に限り、高齢者は無料で利用できるのだそう。



 東京のように、駐車場代が家賃並みなところでは、車の維持費が馬鹿になりませんし、高齢者の運転は、リスクが高いので、賢明な判断だと思います。



 話がそれますが、本州よりも10年先を行く、超高齢化の四国では、80歳以上のドライバーが、ものすごく危険な運転をしているのに、再三出くわします。いずれ日本全国で、そうなりますよ。


 
 父は今、『自然流』(じねんりゅう)尺八の奏者として、活動しています。自然が大好きなのです。


 私が、大学を出て教員を目指していたのに、挫折した時、父はものすごくがっかりしていました。それでも、サラリーマンをやめて農業の世界に転身した時、私のことをうらやましく思っていたのは、まぎれもなく、父です。


 父は好きでもない仕事をつづけながらも、家族を養う、という、素晴らしい業績を残しました。この点では、私はまだ達成できていないところで、足元にも及ばず、父を母とともに尊敬しているところです。



 私は、今、自分の好きなことを生業にして暮らしています。父と母のおかげです。



 さて、今年の夏、NPO法人「いよココロザシ大学」の講師になった時、真っ先に父に報告をしました。父の父、つまり私の祖父は教員だったこともあって、何よりも喜んでくれたに違いありません。


 そして、この冬、東京の小学校で、食育の授業を行うことが予定されています。回り道をしたけれど、そして、教員ではないけれど、次世代に、大切なことを伝える、という仕事にかかわることができています。



 くるまの話から、だいぶそれましたね。ともあれ、父と母には、出来る限り長く、健康でいてほしいと思っています。

じゅくせい

2014-11-10 11:25:18 | うまい!

 最近、ウイスキーが、人気らしい。


 中高年、高齢者が、若かりし頃を懐かしみながら、ウイスキー談義をしているのを、耳にする。



 好みは人によって様々。スコッチが好きな人、バーボンが好きな人。


 
 私は、スコッチ派です。


 ウイスキーは、熟成期間が長いものほど、希少価値が高いので、当然値段も高くなりますね。


 
 ところで、うちには熟成期間の長くなったものが、いくつかあります。


 5年物の梅干し


 5年物の梅酒・びわ酒・甘夏酒

 3年物の味噌


 3年物の柿酢



 梅酒は特にうまい。飲むと当然減ってゆくけれど、少しずつ、経年変化を楽しんでいます。


 味噌、うちでは米味噌です。


 3年物の味噌は、熟成の塊。料理の隠し味にもってこいです。ただし、料理の色が黒くなります。


 みそ汁には、1年物の方が適していると思いますが、熟成味噌は濃厚な味を、うまく利用したいです。そのままなめて、日本酒のあてにもなります。


 保存食、熟成の知恵。


 これこそが、豊かな文化。


 
 犯罪や、戦争に利用するものの開発を、豊かな文化だとは思いません。

亥の子の季節

2014-11-09 06:35:04 | 浜の暮らし

 亥の子の季節がやって来た。


 辺野古じゃないですよ、亥の子(いのこ)です。



 簡単に言うと、和製ハロウィン。



 主に関西に普及した、伝統的年中行事。



 地域によって、スタイルは様々なようですが、子供たちが、地域の各家庭を訪ね歩いて、お菓子やお小遣いを集めるというのは、西洋のハロウィンと共通するところ。



 亥の子が来ると、いよいよ冬の到来だなあと、例年は感じるのですが、今朝は未明から暖かな雨。ここ数日、気温は高めです。


 この地域では、亥の子が来たらこたつを出す、という家庭もあります。しかし、このぬくさでは、こたつという気分ではないな。


 まあ、いずれいやでも冬は来るわけで、その準備は早いに越したことはないのだろうけど。



 

イノシシは、こうやって。

2014-11-08 19:09:18 | 栽培の現場

 今日、狩浜、日の浦の畑に行くと、うちの畑の近くで、イノシシの被害にあっている園地を見つけました。


 写真は、うちの畑ではありません。写真を勝手に撮らせていただきました。



 イノシシの害は、主に3つ。


 果実を食べる。


 木を倒す。


 土を掘り返す。(石垣を崩す)



 この畑は、かなり掘り返された様子。


 


 石垣の崩れ方は、最小限でとどまったみたいです。



 この畑がある日の浦一帯は、それほどイノシシが出るところではありません。しかし、以前に、私もこの近くで真昼間にイノシシを目撃したことがあります。



 


 イノシシが土を掘り返す理由はいろいろ。


 
 草の根っこを食べる。(葛、カラムシ、カタバミなど)


 ミミズを食べる。


 田んぼのような湿ったところでは、泥浴びをする。




 この畑では、草の根っこか、ミミズを食べたのだと思われます。


 有機肥料や、堆肥を大量に散布すると、ミミズがわきます。つまり、イノシシを呼び寄せます。


 草は根っこごとむしりとらないと、草刈り機だけでは、根っこを肥大させてしまいます。これも、イノシシを呼び寄せます。



 うちは堆肥も肥料もやらないので、イノシシはスルーした様子。



 しかし、食害が起きる可能性もあるから、油断はできません。


 ハンターの皆さん、たのんます!




 

自信

2014-11-08 11:04:47 | かんがえるあし

 自信って、人から与えられる類のものじゃないと思う。


 自ら努力して、勝ち取ってこそ、ゆるぎない自信になるわけで。



 今の若い人たちが、自分に自信が持てない、と、よく聞くけど、確かに、過剰なサービスやモノにあふれた世の中で、自分の力で生きる力を勝ち取ってゆくのは、難しいのかもしれないけど。


 私は今シーズンで、10年連続全園地完全農薬不使用の柑橘農園の経営しているけど、最初は自信なんてまるっきりなかったわけで。


 ただ、10年達成した時点で、それなりの自信はついたというわけ。


 戦後、日本で、10年連続全園地農薬不使用の柑橘栽培を達成した人は、記録がないからはっきりしないけれど、おそらく、かなり少ないはず。


 平成に入ってからとなると、これ、数人いるかいないか、のレベルだと思います。


 10年達成した人間が見る風景は、10年達成したものにしか、見ることができないのです。



 今私はその風景を、眺めています。




  
 あ、蛇足ですが、政府が、繰り返し、失われた自信を取り戻す、てなことを言ってるけれど、自信は、政府によって与えられる類のものじゃないですよね?


 
 また、勉強をしたことは、たとえ忘れても、思い出すことはできる。と、昔予備校の先生が教えてくれました。

 勉強していないことは、思い出せないんです。



 失われた自信なら、取り戻せるけれど、そもそも自信を持てずに生きてきた人は、自信は回復できないのであります。



 若いうちの苦労は買ってでも、という、言葉が、好きです。