映画音楽史(124) 『刑事』 1960年公開

『刑事』 Un Maledetto Imbroglio (伊) 1959年制作
監督　ピエトロ・ジェルミ
音楽　カルロ・ルスティケッリ
主演　イングラヴァロ警部　…　ピエトロ・ジェルミ
　　　　アッスンタ　…　クラウディア・カルディナーレ
　　　　リリアーナ　…　エレオノラ・ロッシ・ドラーゴ
　　　　ディオメデ　…　ニーノ・カステルヌオーヴォ
主題歌　『死ぬほど愛して』 ( Sinno me moro )　唄・アリダ・ケッリ

人懐こい人生派ジェルミ監督が 切なく生きる小市民の群像を警部の目線で見つめた秀作。
ローマのアパートで強盗事件が起こりイングラヴァロ警部たちが捜査に乗り出す。被害者の名士アンザローニや
女中のアッスンタも事情を聞かれアッスンタの婚約者であるディオメデが疑われたが無実と判明して釈放される。
アッスンタは隣室のリリアーナの女中もかけ持ちしていたが、今度はリリアーナの部屋に強盗が入ってリリアーナが
惨殺されてしまった。事件は迷宮入りかと思われたが捜査に当たったイングラヴァロ警部はアッスンタの使っている
合鍵に疑惑を感じディオメデが結婚資金欲しさのために強盗したことを突き止め逮捕する。アッスンタはディオメデの
名前を絶叫しながら護送される車を追う。

主題歌の悲哀を込めた愛の歌『死ぬほど愛して』 はカルロ・ルスティケッリ作曲、ピエトロ・ジェルミとジャネッティの
共同作詞によるもので、ルスティケッリの愛娘であるアリダ・ケッリが唄って爆発的な人気を得ました。
映画ではタイトルバックとエンディングなどに使われていますが、婚約者が護送されていく車を追うアッスンタの
悲痛な叫びと共にこの曲が流れたラストシーンは観た人の心の中に永遠に残る名曲となりました。
映画と音楽が見事に融合し、映画音楽の最高傑作のひとつと言っても過言ではないでしょう。

Amore amore amore Amore mio
In braccio a te me scordo ogni dolore
Vogio restare con te le sinno' me moro
Vogio restare con te sinno' me moro
Vogio restare con te sinno' me moro

↓はアリダ・ケッリの『死ぬほど愛して』 YOUTUBEより


↓は『刑事』のオープニングとラストシーン YOUTUBEより