港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(64) 『誇り高き男』 1956年公開

2014-02-28 00:12:01 | 映画音楽



『誇り高き男』 The Proud Ones (米) 1956制作
監督 ロバート・D・ウェッブ
音楽 ライオネル・ニューマン
主演 カス … ロバート・ライアン
    サリー … ヴァージニア・メイヨ
    サッド … ジェフリー・ハンター
    ジョン・バレット … ロバート・ミドルトン
主題歌 『誇り高き男』 ( The Proud Ones ) 演奏・ライオネル・ニューマン楽団

原作はヴァーン・アサナスの小説『不屈の人々』で、伏線の多いサスペンス仕立ての西部劇。
カンサス州フライトロックの保安官カスは以前に拳銃で撃たれ、その時の後遺症で 時々失明する。
そこへ家畜を連れたカウボーイのサッドが町に立ち寄る。そのサッドはカス保安官を父親の仇だと信じている。
サッドは町の酒場でイカサマ賭博を見抜いたことで町の悪玉のバレットと騒動を起こす。
やがてサッドのカスに対する誤解は解け、カスとサッドは銃撃戦の末にバレット一味を倒す。
カスは町の保安官をサッドに任せて婚約者のサリーと共に町を出ていく。

主題歌の『誇り高き男』は印象的な口笛を取り入れたライオネル・ニューマンの作曲。
レコードは数々の競作となり、アル・カイオラ楽団、ルロイ・ホルムス楽団、フレッド・ローリ―の口笛
などが出回りましたが、日本では独特なリズム演奏のスリー・サンズが大ヒットしました。

↓はスリー・サンズの『誇り高き男』  YOUTUBEより



ついでにライオネル・ニューマン楽団の『誇り高き男』 YOUTUBEより

映画音楽史(63) 『黄金の腕』 1956年公開

2014-02-27 02:31:04 | 映画音楽



『黄金の腕』 The Man With The Golden Arm (米) 1956制作
監督 オットー・プレミンジャー
音楽 エルマー・バーンスタイン
主演 フランキー … フランク・シナトラ
    モーリー … キム・ノヴァック
    ゾシュ … エリナ・パーカー
主題歌 『黄金の腕』 ( The Man With The Golden Arm ) 演奏・エルマー・バーンスタイン楽団

黄金の腕を持つカードディーラーが麻薬を断ちドラマーとして再起するというネルソン・アルグレンの小説を映画化。
賭博カードの配り手の名人フランキーは、麻薬に溺れたがようやく治療を終えて町に戻ってきた。
家にはフランキーの自動車事故のせいで下半身不随になった妻のゾジュがいるが二人の間に愛情はない。
フランキーは再びディーラーに戻り、またも麻薬に手を出し、その障害でイカサマを見破られる。
フランキーをドラマーとして再生させたい酒場女のモーリーは、彼を自宅に閉じ込めて必死に麻薬を断たせようとする。

主題歌の『黄金の腕』はエルマー・バーンスタインの作曲で、当時の映画では珍しくモダンジャズを取り入れ、
新鮮な感覚のタイトルバックとともに大きな反響を引き起こしました。
映画でシナトラのドラムスを指導したのは名ドラマーのシェリー・マンで、彼自身も映画に出演しています。
サウンドトラックはエルマー・バーンステイン楽団ですが、一番売れたのはリチャード・マルトビー楽団でした。

↓はエルマー・バーンステイン楽団の『黄金の腕』  YOUTUBEより



映画音楽史(62) 『ピクニック』 1956年公開

2014-02-26 02:13:37 | 映画音楽



『ピクニック』 Picnic (米) 1956制作
監督 ジョシュア・ローガン
音楽 ジョージ・ダニング
    モーリス・ストロフ
主演 ハル … ウィリアム・ホールデン
    マッジ … キム・ノヴァック
    ミリー … スーザン・ストラバーグ
    ローズマリー … ロザリンド・ラッセル
    アラン … クリフ・ロバートソン
    フロ夫人 … ベテイ・フィールド
主題歌 『ムーングロウとピクニックのテーマ』 ( Moonglow and Love Theme From Picnic ) 演奏・サウンドトラック盤

ウィリアム・インジ原作のローカル色の強い人情舞台劇を映画化。
カンサス州の小さな町の労働祭は恒例のピクニックが町中総出で行われる。
そこに無一文のハルがやって来てポッツ家の庭仕事を手伝うことで朝飯にありつく。
そんなハルの姿に庭続きの隣家である女所帯のオーエンス家の女性たちが強い興味を抱く。
ピクニックの夜になり、ハルはオーエンス家のマッジとの野外ダンスを楽しみ、お互いに心を惹かれあう。
しかし、ハルはマッジを愛するアランに自動車泥棒の疑いをかけられて町を出ることになる。

主題歌の『ムーン・グロウ』は1934年に ウィル・ハドソン、エディ・デ・ランジ、アーヴィング・ミルズの三人が共作。
この『ムーン・グロウ』の前後にジョージ・ダニング作曲の『ピクニックのテーマ』が用いられて一つの曲になっています。
映画では、野外ダンスでハルとマッジが踊るシーンに使われており、演奏はモーリス・ストロフ楽団でした。

↓は映画から『ムーングロウとピクニックのテーマ』  YOUTUBEより


この主題歌の元となった『ムーングロウ』はベニー・グッドマンのレパートリーで
後にUP予定の『ベニイ・グッドマン物語』 でも挿入されています。
↓のURLでベニー・グッドマンの『ムーングロウ』を聞くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=4cq8ZGnfUN4


映画音楽史(61) 『バラの刺青』 1956年公開

2014-02-25 00:24:37 | 映画音楽



『バラの刺青』 The Rose Tatoo (米) 1955制作
監督 ダニエル・マン
音楽 アレックス・ノース
主演 セラフィナ … アンナ・マニャーニ
    アルヴァロ … バート・ランカスター
    エステル … ヴァージニア・グレイ
    ローザ … マリア・パヴァン
    ジャック … ベン・クーパー
主題歌 『バラの刺青』 ( The Rose Tattoo ) 唄・ペリー・コモ

テネシー・ウィリアムズの戯曲を、舞台で演出したダニエル・マンが監督した作品。
ニューオルリンズ近郊のイタリアに住むセラフィナは、胸にバラの刺青をしていた亡夫が忘れられない。
酒場女のエステルも同じ刺青があるという噂でセラフィナは亡夫との関係を疑って悩んでいた。
15歳になる娘のローザにジャックという恋人ができたことも気に入らなくて、セラフィナは教会でわめく。
手を焼いた神父は屈強の若者アルヴァロに頼んでセラフィナを家まで送らせる。
セラフィナはエステルに会って真相を確かめ、噂が真実であったことで失望する。
アルヴァロはそんな彼女をやさしく慰め、セラフィナは彼の胸に飛び込んでゆく。
その胸にはバラの刺青が施されていた。

主題歌 『バラの刺青』は実際はこの映画の主題歌ではなく、映画をヒントに作られた楽曲で、
映画に誘発されて書かれたいわゆるインスパイア・テーマです。
この映画では、アレックス・ノースの『セラフィナのテーマ』など十曲以上を使っていますが
どれもヒットせず、ペリー・コモの『バラの刺青』に完敗してしまいました。
なお、『バラの刺青』はジャック・ブルックス作詞、ハリー・ウォーレン作曲によるものです。

He wore the rose tattoo
To prove his love was true
But hearts can lie, so why deny?
That roses fade and love can die

↓はペリー・コモの『バラの刺青』 YOUTUBEより



映画音楽史(60) 『バス停留所』 1956年公開

2014-02-24 00:51:46 | 映画音楽



『バス停留所』 Bus Stop (米) 1956制作
監督 ジョシュア・ローガン
音楽 アルフレッド・ニューマン
    シリル・J・モックリッジ
主演 シェリー … マリリン・モンロー
    ボウ … ドン・マレー
    ヴァージル … アーサー・オコンネル
主題歌 『バスストップソング』 (The Bus Stop Song ) 唄・フォー・ラッズ

ウィリアム・インジの戯曲を映画化したもので、モンローによるモンローのための映画。
モンタナ行のバスが雪の停留所に着き、疲れ果てた歌手志望のシェリーが降りてくる。
そんな彼女に純情なカウボーイのボウが一目惚れし、シェリーと結婚すると独り決めする。
ボウに断りを入れたシェリーはロス行のバスに乗ろうとしたが、ボウは得意の投げ縄で阻止、
ひと騒動の末、先輩仲間のヴァージルやバスの運転手の手助けもあり二人は結ばれる。

主題歌の『バスストップソング』はケン・ダービーの作詞・作曲。
映画では、巻頭、巻末の他、インストゥルメンタルとして随所に使われていました。
また、モンローが酒場で唄った『恋の魔術師 ( That Old Black Magic) 』 もヒットしました。

I'll give to you a paper of pins
And that's the way our love begins
If you will marry me, me, me
If you will marry me

↓はフォー・ラッズの『バスストップソング』 YOUTUBEより