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映画音楽史(90) 『死刑台のエレベーター』 1958年公開

2014-03-31 00:46:13 | 映画音楽



『死刑台のエレベーター』 Ascenseur pour L'échafaud (仏) 1957制作
監督 ルイ・マル
音楽 マイルス・デイヴィス
主演 ジュリアン・タベルニエ … モーリス・ロネ
    フロランス・カララ … ジャンヌ・モロー
    シェリエ警部 … リノ・ヴァンチュラ
主題歌 『死刑台のエレベーター』 ( Ascenseur pour L'échafaud ) 演奏・マイルス・デイヴィス

ノエル・カレフの推理小説を ヌーヴェルヴァーグの一翼を担った弱冠25歳のルイ・マルが映画化。
従前の映画作法を覆す表現手法とモダンジャズの画期的なサウンドで世界に衝撃を与えた傑作。
社長夫人のフロランスは不倫相手のジュリアンに夫を自殺に見せかけた完全犯罪を持ちかける。
ジュリアンは社長の殺害には成功したが、小さなミスて事件現場のエベーターに閉じ込められてしまう。
舗道に止めていたジュリアンの車は若いカップルに乗り回されて挙句に殺人事件を引き起こした。
警察は犯人を車の持ち主であるジュリアンとして捜査に乗り出す。やっとエレベーターから脱出した
ジュリアンはいわれのない殺人事件の犯人として疑われ当日のアリバイを追求される。
フロランスは奔走して犯人は若いカップルだと証明したものの社長共謀殺人の動かぬ証拠が…

主題歌の『死刑台のエレベーター』は、マイルス・デイヴィスの自作自演によるものです。
この映画を製作中のルイ・マルは、ちょうどパリを訪れていたマイルス・デイヴィスにラッシュプリントを見せて
音楽を任せ、デイヴィスはフランスの演奏家との即興演奏でメインテーマなど十曲を提供しました。
以降、フランス映画において、ロジェ・ヴァディムの『大運河』『何が何でも首ったけ』『危険な関係』、
マルセル・カルネの『危険な曲がり角』、エドアール・モリナロの『殺られる』等々 モダンジャズを
取り入れるのが流行となりました。

↓はマイルス・デイヴィスの『死刑台のエレベーター』 YOUTUBEより


映画音楽史(89) 『悲しみよこんにちは』 1958年公開

2014-03-30 01:32:45 | 映画音楽



『悲しみよこんにちは』 Bonjour Tristesse (米) 1958制作
監督 オットー・プレミンジャー
音楽 ジョルジュ・オーリック
主演 セシール … ジーン・セバーグ
    レイモンド … デヴィッド・ニヴン
    アンヌ・ラルサン … デボラ・カー
    エルザ … ミレーヌ・ドモンジョ
    フィリップ … ジョフリー・ホーン
主題歌 『悲しみよこんにちは』 ( Bonjour Tristesse ) 唄・ジュリエット・グレコ

フランスの女流作家フランソワーズ・サガンが18歳の時に書いたベストセラー小説が原作で
多感な少女が若さゆえの残酷さから父親とその恋人との愛を破壊していく物語の映画化。
17歳のセシールは南仏の別荘に独身の父親レイモンドとその愛人のエルザと三人で暮らしていた。
そこに、亡母の友人であるデザイナーのアンヌが現れ、レイモンドと愛し合うようになったことで
平穏な生活が狂い始める。レイモンドはアンヌと結婚すると言いだし、母親気取りになったアンヌは
セシールが彼氏とキスしたことを激しく叱責する。セシールはアンヌに復讐しようとしてエルザに手助けを頼み、
アンヌを追い出すことに成功したが、自動車で別荘を出たアンヌは事故を起こして帰らぬ人となった。
エルザも別荘を出て行き、父娘の二人きりになった。セシールは海を見つめながら暗い過去を振り返る。

主題歌の『悲しみよこんにちは』はジョルジュ・オーリックの作曲で、英詩はアーサー・ロレンツ、
仏詩はジャック・ダタンとアンリ・ルマンシャンによるものです。
映画ではダンスシーンにてジュリエット・グレコがステージで英語詩を唄っていました。
でも、グレコを聞くなら仏詩でしょう。

Depuis qu’on est ensemble 
Tu viens chaque matin 
Me donner la première caresse 
Bonjour tristesse.

↓はジュリエット・グレコの『悲しみよこんにちは』  YOUTUBEより


ポップス・ベストテン 1962年3月 補足

2014-03-30 01:24:18 | ポップス

* クロス・ヒットパレード (提供はクロス工業)

時間帯の記録がありませんが、ラジオ京都で毎週水曜日に放送されていたポピュラー番組です。
通常の週はリクエストや紹介曲などで構成されていましたが、月末の水曜日はその月の
リクエスト葉書による今月のベストテンが発表されていました。
それによりますと、1962年3月28日(水)発表の3月度ベストテンは以下のようになっていました。
①花のメキシコ娘 ビリー・ヴォーン楽団
②ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー
③さすらいのルンバ ホセイト・ロメロ楽団
④霧の中のジョニー ジョン・レイトン
⑤大人になりたい コニー・フランシス
⑥花咲く街角 デル・シャノン
⑦楽しいデイト ドリス・デイ
⑧ウエディングベル (不明)
⑨夜霧のニューヨーク フェランテとタイシャー
⑩純愛のブルース ベルト・ケンプフェルト楽団
1位の『花のメキシコ娘』は意外に思われるかもしれませんが、この番組では
ビリー・ヴォーン楽団が非常に強かった印象があります。
ちなみに、1962年1月のベストテンでは8位に『ベルリンの街角で』、1962年2月の
ベストテンでは『花のメキシコ娘』は5位にランクされていました。


* CRジュークボックス

毎週土曜日の7時からラジオ関西で放送されていた番組で、奥田博之アナが
担当されていたポピュラー番組です。
こちらはリクエストの多かった曲の今週のベスト7が発表されていました。

3月分のベスト7を紹介してみます。
3月3日分①悲しき片想い②霧の中のジョニー③花咲く街角④夜霧のニューヨーク
      ⑤月光のノクターン⑥悲しき女学生⑦ルイジアナ・ママ
3月10日分①悲しき片想い②霧の中のジョニー③花咲く街角④悲しき女学生
       ⑤悲しい恋の物語⑥ルイジアナ・ママ⑦さすらいのルンバ
3月17日分①悲しき片想い②ルイジアナ・ママ③霧の中のジョニー④恋の一番列車
       ⑤悲しき女学生⑥恋も涙もさようなら⑦戦場に陽は落ちて
3月24日分①悲しき片思い②霧の中のジョニー③ルイジアナ・ママ④月光のノクターン
       ⑤トゥナイト⑥悲しき女学生⑦花咲く街角
3月31日分①戦場に陽は落ちて②悲しき片想い③霧の中のジョニー④花咲く街角
       ⑤ルイジアナ・ママ⑥悲しい恋の物語⑦すてきな16才

いつも『今週のベストテン』と『今週のヒットレコード』のチャートばかりですので
ちょっと違ったものを紹介してみました。

↓はベルト・ケンプフェルト楽団の『純愛のブルース』 YOUTUBEより 


ポップス・ベストテン 1962年3月 その5

2014-03-29 23:04:26 | ポップス

週末が月を跨いでいましたので、3月その5 とすることにします。

『今週のベストテン』1962年3月31日
①ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー
②トゥナイト サウンド・トラック
③花咲く街角 デル・シャノン
④悲しき片想い ヘレン・シャピロ
⑤恋の一番列車 ニール・セダカ
⑥夢みる恋 ヘレン・シャピロ
⑦霧の中のジョニー ジョン・レイトン
⑧ライオンは寝ている トーケンズ
⑨悲しい恋の物語 ダイオン
⑩君去りし夜 ウーゴー・ブランコ楽団
⑪夢のデイト コニー・フランシス
⑫レッツ・ゲット・トゥゲザー ヘイリー・ミルズ
⑬ブルー・ハワイ エルヴィス・プレスリー
⑭悲しき女学生 パット・ブーン
⑮戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
⑯駅馬車のテーマ ラルフ・ハンター楽団
⑰大人になりたい コニー・フランシス
⑱子供じゃないの ヘレン・シャピロ
⑲いとしのクレメンタイン ブラウンズ
⑳さすらいのルンバ ホセイト・ロメロ楽団

『今週のヒットレコード』1962年4月1日
①霧の中のジョニー ジョン・レイトン
②ビッグ・バッド・ジョン ジミー・ディーン
③悲しい恋の物語 ダイオン
④ライオンは寝ている トーケンズ
⑤好きにならずにいられない エルヴィス・プレスリー
⑥トゥナイト サウンド・トラック
⑦戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
⑧ナポリに帰りて ナナ・ムスクーリ
⑨あなたに夢中 ジョー・アン・キャンベル
⑩ハッピー・ホセ ジャック・ロス楽団
⑪楽しいデイト ドリス・デイ
⑫ザ・ツイスト チャビー・チェッカー
⑬悲しき片想い ヘレン・シャピロ
⑭ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー
⑮すてきな16才 ニール・セダカ


『今週のベストテン』では、ウーゴー・ブランコ楽団の『君去りし夜』がベストテンに
ランクインし、コニー・フランシスの『夢のデイト』が11位に陥落しました。
新曲の『大人になりたい』がリリースされたため票が割れたのかもしれません。
下位にも変動があり、『落日のシャイアン』『ビッグ・バッド・ジョン』『ロッカフラ・ベイビー』
の三曲が20位圏外に去ってしまいました。
また、12位に映画『罠にかかったパパとママ』の主題歌『レッツ・ゲット・トゥゲザー』と
『大人になりたい』が初登場してベストテン入りを目指します。

『今週のヒットレコード』では、『楽しいデイト』と『悲しき片想い』がベストテン外に落ち、
『ナポリに帰りて』と『ハッピー・ホセ』がベストテンに入ってきました。
下位では、ニール・セダカの『恋の一番列車』と入れ替わるように『すてきな16才』が
初お目見えしヒットの予感です。
『今週のベストテン』では堂々の第一位の『ルイジアナ・ママ』がようやく14位に
ランクされていますが、こちらの番組では不思議なことに全く人気がありませんでした。

↓はヘイリー・ミルズの『レッツ・ゲット・トゥゲザー』 YOUTUBEより



↓はニール・セダカの『すてきな16才』 YOUTUBEより

映画音楽史(88) 『大いなる西部』 1958年公開

2014-03-28 10:12:01 | 映画音楽



『大いなる西部』 The Big Country (米) 1958制作
監督 ウィリアム・ワイラー
音楽 ジェローム・モロス
主演 ジェームズ・マッケイ … グレゴリー・ペック
    ジュリー・マラゴン … ジーン・シモンズ
    スティーヴ・リーチ … チャールトン・ヘストン
    パット・テリル … キャロル・ベイカー
    ラフ・ファナシー … バール・アイヴス
    バック・ファナシー … チャック・コナーズ
主題歌 『大いなる西部』 ( The Big Country ) 演奏・サウンド・トラック

新しい西部の息吹を描いたドナルド・ハミルトンの同名の小説を映画化。
東部の紳士ジェームズはテリル牧場の一人娘のパットと結婚するためにテキサスにやってきたが
パットに恋心をいただく牧童頭のスティーヴとことごとく対立する。折しも、テリル家は女性教師の
ジュリーが所有する水源地をめぐって敵対するファナシー牧場と激しい利権争いを始める。
やむなくジェームズはファナシ―家の長男バックと決闘することになる。さらには二人の牧場主も
決闘して相撃ちで倒れた。
銃で物事を解決する時代は終わった。ジェームズはジュリーと共に新しい時代を築く決意をする。

主題歌の『大いなる西部』はライトクラシック作家で民謡研究家のジェローム・モロスによる作曲です。
同じ曲でありながら、冒頭では大地を疾走する馬車の響きに呼応してたくましさを前面に、
フィナーレでは豊かな情感を思わせる一大交響詩でもありました。
なお、サントラ盤はジェローム・モロス指揮のフィルハーモニーオーケストラの演奏です。

↓はサウンドトラックによる『大いなる西部』  YOUTUBEより