季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

オキシトシン~「塔」5月号 前田康子選

2022-05-14 19:36:45 | 短歌
春寒き街はビュフェの絵のやうに黒く尖りて佇みゐたり

姉二人に挟まれ二歳の妹が大きなお日さま描いて春待つ

熱き息を白く吐きつつ求愛の舞を舞ひをり丹頂二羽が

ハグすればオキシトシンが出るのよと妻が横向き呟いてゐる

火葬待つ空見あげれば白き落つ君の遺灰か名残の雪か


3月号 永田淳選歌欄評  岩尾美加子

パソコンのつま先立てて膝に打つ電車のをみな爪に色なく   加藤宙

  電車で目に留まった光景が描かれていて「つま先立てて」にその姿が顕ち上がる。就活の女子だろうか。仕事に追われている若い女性だろうか。「爪に色なく」は今懸命に生きている人の姿ととった。

 *ありがとうございました。