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3か月に一度、東京・上野で句会をしていました。
大学時代に詩を書いていた仲間が三人、それぞれが俳句を詠んでいると分かり、句会を開くことにしました。今は閉店してしまった天神下の居酒屋「三四郎」に集い、句を語り合いうまい酒を飲み、最終の特急で帰宅したものでした。10年ほど前に、ひとりが急逝し、その後合流した仲間と三人で場所を「上野・藪蕎麦」に移し句会を続けてきました。
新型コロナウィルスの流行が続く今はやむなく休会しています。たまに私の句や歌が「朝日俳壇」や「歌壇」に載ると、すぐにお祝いのメールが届きます。今回の「いととんぼおのがかるさをもてあます」にも、以下のような評が送られてきました。
入選おめでとうございます。
この度の入選句は、名句ですね。句境の一段の深まりを感じます。当日の「俳句時評」(角谷雅子)の中で、秋櫻子の主題性俳句と虚子の客観写生についての論評がありました。風生に、記憶に間違いがなければ、「いととんぼ飛ぶより止まること多き」というがありましたが、この句はまさに客観写生であり、貴兄の句は、これに対し主題性の俳句と拝察します。わたしは、主題性俳句であろうと、客観写生の俳句であろうと、いいものはいい、と考えています。この度の貴兄の俳句は、風生に勝るとも劣らない出来栄えであったと信じます。この句が到達した境地から、新たな展望が広がっていくことが楽しみです。
誉めすぎとわかっていても嬉しいものです。昨年末ごろから俳句も短歌も「主観性を捨てて客観性へ」と詠み方を変えてきましたが、それでもまだ飽き足らないものを感じていました。
今回の入選句が主題性の句なのか客観写生の句なのか・・・。
俳句を始めてたかだか10年、「分かることは分からなくなること」「分かるとは分かり続けること」という自らのモットーのもとに、「写生」を大切にした「主題性」のある句や歌を詠んでいきたいと思います。友の嬉しい評が背中を押してくれました。
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