ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

2020年度放課後子ども教室「わたしのわ」

2021-02-03 | 小町座
このブログで前に書きましたが、小町座は地元の椿井小学校の放課後枠で「ことばであそぼう」という、一緒に五十音を発声したり、ミニお芝居を鑑賞してもらったりしています。今年度はコロナ下で、回数も減り、子どもたちの様子も随分変わりました。昨年の6月、第1回の時のこと、とにかく静かかなのです。本当でしたら、もっと動いて跳ねたい低学年の子どもたちが、きちんと座っています。進める側としては有り難い、けれど、どうか動ける機会があれば、もっともっと動いて話して、と思いながら見ていました。2月はいつもお楽しみ会をしますが、それもなくなりました。けれど、私が書いた詩「わたしのわ」の朗読を録音してくれていたので、それを小町座の西村さんが編集して、YouTubeにアップしてくれました。私もこの動画で始めて聞きました。コロナ下のほっとタイム?!ということで、よろしければ、ご覧ください。(下の詩に五十音の一部がありますので見つけてくださいね。)

放課後子ども教室・朗読 「わたしの わ」    詩・小野小町



わたしのわ(2020年度)

2020年度、奈良市立椿井小学校放課後子ども教室「ことばであそぼう」に参加した子どもたち(1、2年生)が朗読し、声を収録したものに、自分なり...

youtube#video

 


小町座次回公演「コロナ姫」フライヤー完成

2020-12-19 | 小町座
来年、3月6日(土)奈良市ならまちセンター市民ホールでの公演「コロナ姫企画」。フライヤーできました。
第一部Zoomトーク ゲスト 渡辺えりさん(日本劇作家協会会長)→今年の演劇シーンの大変さと、だからこそ演劇の意味…。第一線で活躍されている演劇人、渡辺えりさんのオンライン生トーク!
第2部 コロナ姫 →目下、私に怒鳴られ?!必死に稽古中。中学一年生、大学生、アラフィフの小町座に、初の3名の男性陣!どうなるかしら…。 不思議な二つの世界と現実の少女の時間がどう交わるのか…。オリジナル曲、美術、衣装…ホールがどんな空間になるでしょう。マスクして、距離を意識しながらの稽古。春には皆様とお会いできますように。




小町座公演「コロナ姫」レポート①

2020-12-06 | 小町座
小町座、次の公演稽古を10月から始めています。「コロナ姫~冠を戴くように」(奈良市文化芸術活動臨時支援事業に採択)2021年3月6日(土)奈良市ならまちセンター市民ホールで公演します。こういう時期に、奈良市が文化予算を確保し、活躍の機会が減った文化活動をサポートする機会を設けたことは意義があると感じています。
さて、「コロナ」が私たちの中にもたらしたものは、病気であるということはもちろん、社会システムの問題や、人の距離感、精神や文化面の問題などなど、あまりに多岐に及びます。こういう大変な時には、新たな価値が生まれると言われますが、一方、経済的な指標で中々その価値が計れないもの…文化や芸術的なものは、難しい立場におかれます。一家庭人としては、それはやむを得ないことだと思う気持ちもある、けれども、こうした危機的な時に、私たちがどうあるべきかを問う思考力こそは、文化芸術の中にあると、強く感じています。そんな大げさな言い方をしなくても、「何かおきた時にどういう言葉が出て、どういう行動をとるか」ということでしょうか。そこには、これまで自分が見てきたもの、読んだもの、聞いたもの、感じたことが色濃く反映されます。見て、読んで、聞いたもの、美術、音楽、演劇、本…こう並べるだけで、もう既にこんなアナログの世界、終わってるんじゃないの?と聞こえてきそうなムードも、このコロナ下ではあります。けれども、こうした芸術が、長い年月で蓄えてきた力を、コロナの時代に手放してしまってよいのか?と思うのです。
ただ、こうしたことを考えるたびに、それじゃあ、関わっているものが、暮らしの中に、もっと当たり前のように、文化芸術がある環境を作ってきたかと言われると、私自身まだまだ、と思います。本当に難しい。実際に活動していて思うのは、「10歳の壁」です。小学校では二分の一成人式を、私の息子もしましたが、高学年になり、塾に行き、放課後遊ぶ時間がなくなってしまう現況で、既に子どもたちは、大人時間のモードに入ってしまい、このリズムが当たり前となります。遊ぶ中で見るもの…そこに何気に絵や音楽や台詞があればなぁと思いますが、何せ、10年でその時間が終わってしまうとしたら…。小町座の地元小学校の放課後教室は、低学年が多く、やはり10歳未満の集まりといえます。けれどまあ、何とも面白い。あの全身から物をつかむ感覚というのは、あの時期ならではでしょう。「耳の力」というものを、子育てをしながら感じてきました。文化芸術に参加する時「表現すること」ばかり言われますが、実はそちらでなく受け取る「耳」、聞く力の方が、中身を育てると確信しています。
なんだかレポートと言いながら違う方向にそれました。「コロナ姫」は、「コロナ」と耳にした時から、すぐに私の中に生まれました。私の戯曲デビューは「りんご姫」でした。続く姫シリーズ?!が「コロナ姫」。全く違う二つの世界の物語です。ようやく全てのキャストが揃い、通して読みました。アラフィフのお姫様劇!というだけで、「うそー?」となりますが、いえいえ、それがお姫様に見えるので、そこが小町座メンバーの不思議なところです。また今回、客演で男性3人参加も始めてのこと。一体、どうなるでしょう。撮影には大学生も参加してくれます。アラフィフたちが必死に「コロナ姫」と格闘する姿を、若い世代はどのように見てくれるのでしょうか。
最後になりましたが、「コロナ姫」上演の前に、なんとトーク企画があり…あの、劇作、演出、女優、日本劇作家協会会長と八面六臂の大活躍!の渡辺えり様と、Zoomトークをさせていただきます。もうこちらは、えり様にお任せして…。コロナ姫、作っていきます。よろしくお付き合いください。



小町座公演「母帰る」「五輪ものがたり」レポート

2019-12-21 | 小町座
小町座公演終わってから、もう三週間…。皆様、ご来場、ありがとうございました。
今回の公演はいろんな事情で、出演者全員が揃ったのが、本番前日の午後でした。もちろん、それまでに稽古しているとはいえ、現場のホールで
全員で揃うのが前日というのは初めてのこと。よく本番が開いたものだと振り返っています。キャストの努力を誉めたいと思います。演技内容は、見ていただいたお客様のそれぞれの声が全てですが、アンケートからは「脚本、演技」の項に皆さんの○が多かったです。
●「母帰る」→喜劇で書いたつもりが、一週間前になっても笑えず、直前、キャラクターを変え…云々…と稽古が大変だったことは既に書きましたが、小町座で初めての、時空が飛ばない?リアル劇は、ストーリーの内容がよくわかり、お客様もとても優しく?!笑いもあり、楽しんでいただけたようです。私はいつも一番後ろから見ていますが、今回、40代からシニアの男性が多かったように思いました。ですので、ある意味、これはお客様としてシビアだなと思っていましたが、ストーリーを楽しんでいただいている様子を感じました。声を出して笑ってくださるのは、女性で、舞台上の皆は、どれだけ励まされたかと思います。観客席の空気がまさに舞台を創るんですね。
●「五輪ものがたり」→今回、舞台美術を考える時に、プロジェクションマッピング的なことができたらなと思い、白いキューブを置き、その形にはまるようにデザインしました。「五輪ものがたり」は一人芝居を三人のキャストがするので、映像でサポートをとも考えてのことですが、これが割とうまくいきました。私と同じ、それより上の世代の方たちからは「当時のことを思い出した。」「札幌冬季五輪のジャネット・リン、覚えてる。」など、ご自分の五輪体験に重ねて見てくださったようです。
さて、その「五輪」ですが、一般的に「五輪」はもちろん、オリンビックのことですが、この芝居では、①戦前の五輪、②五十年前の東京、③そして二つの冬季五輪、札幌、長野の時代と自分の人生を語る、④令和の大学生がサークルで五輪映画を作る、という構成ですが、もう一つの「五輪」の仕掛を作りました。それは登場人物が持っている、実際の「輪」です。戦前の思い出を語る老婦人の「輪」は、①「毛糸で編んだ夕日」(出征する叔父に持たせたいと編んだが、空襲の火の粉で焼けて穴があいた)、戦後高度経済成長期の金の卵世代の婦人の「輪」は、②「干し柿」(福島の家の庭の柿。つないだ輪になっている)、冬季五輪を知る女性の「輪」は、③「布のリース」(昔、鼻緒職人だった父が作ったもの)、令和の大学生の「輪」は④「ドーナツ」(南米から出稼ぎに来ている家庭の子どものために作った)なので、舞台には最後、四つの四人の「輪」が登場します。でも四つだと「五輪」になりません。最後の五つ目の「輪」は…。
お客様からからこんな声を聞きました。「四つ輪が出てきて、五つ目は?どうなるのかと思っていたら、なるほど、そうかとびっくりし、納得しました。」
以下の舞台写真に五番目の「輪」があるので、見てくださいね。
最後になりましたが、お花の御礼を。
吉本興業ホールディングスの大崎洋会長様、ありがとうございました。30年前に、吉本発子どもミュージカルを書かせていただきました。まるでこの間のようです。(…当時は、ダウンタウンの番組のミーティングにも参加したりもしました。)
華やいだ受付になりました。心より御礼申し上げます。
また、奈良大学の上野誠先生には、祝電をいただきました。直筆の温かいメッセージ、ありがとうございました。
そしてご覧下さった皆様、本当にありがとうございました。演出する体力がいつまで続くかとわかりませんが、しっかり、オリジナル作を書いて形にしていきたいと思います。これからも、どうぞ、よろしくお付き合いくださいませ。
「母帰る」

・母(赤いドレス)の二十年ぶりの帰宅で家族は…。

・父や娘たちの秘密が明らかになり、勘違いも含めて大騒ぎに。
「五輪ものがたり」

・老婦人の語る戦前の東京。

・金の卵として福島から上京した少女の回想と、福島の「今」。

・バブルを体験した世代の冬季五輪の思い出。

・五つ目の「輪」。

12/1小町座公演、後少し!

2019-11-27 | 小町座
いよいよ、この日曜日に本番を迎える小町座の二本立公演。小町座は母親たちの劇団として12年前に立ち上げ、メンバーも変わりながら続いていますが、今回は出演7名のうち、初舞台組が5名。時間をやりくりしながら、直前稽古に皆、必死です。力をぬいたり、計算しながらということができるほど、皆、器用でないので、1回1回が真剣で、本番までこれで走ると大丈夫?!と心配にもなります。けど、私がきついダメだしをするのでそれに応えようとすれば、力も抜けない…。きっと間際まで私は「違う、こうよ!」とうるさく言い、皆は最後まで、どうしたら?!と考えるのでしょう。この遠慮のない?!やりとりの中で確実に変わっていきます。よくなっていきます。
全国には沢山の劇団があります。大小あわせるとかなりの数になるはず。けれど、食べていける劇団、舞台人として生業をたてていける人はほん少し。もちろん、プロの舞台は完成度も高く、対価を払っただけの、舞台演出、装置、衣装、演技です。エンタメとして楽しめる流石の舞台、なのですが、いつの頃からか、「リアリティ」と「ポエジー」をプロが持っているかといえば、それは別の話かもしれないな、と思うようになりました。演劇は、舞台に立つその人の「背景」が、「セリフ」から透けて見えます。この役者さんがこのように「セリフ」を言うということは、この人の人物に対する捉え方は、この程度?など、というように見てしまうのは、演出しているからでしょうか。私は何の演出のメソッドもありませんが、書き手なので、「こう読んでほしい」という方へひたすら、皆をもっていきます。ところが、今回、まず形にすることに必死で、人物に対して丁寧に話していなかったので、ここに来て、出演者の「読み」がズレた方向にいっていました。10日前に「母帰る」の長女役の読みをガラっと変えました。一人を変えるとつきあう皆のキャラクターも変えなければならず、本番前になって、こんな状態…。ですが、切羽詰まると…本当に皆、すごいですね。先日は、今までとは違った通し稽古になりました。どこまで自分がいけるのか、探りながら必死の出演者…。いつも私は「こんなに怒ってダメだし厳しくても、最後、私の手の及ばないのが本番だから、最後はどうか伸び伸びと、自分を出して。」と言います。プロなら、これはあり得ないでしょうが。それでも、日々の暮らし中でセリフに向き合う、未完成な人たちの「セリフ」になぜ、こうもひかれるのでしょう。子どもが必死に走るのを応援している感じ?!そう、私たちは年をとっても子どものようにずっと、成長し続けられるのです。演劇を通して。
さて、今回、照明は、関西を中心に全国で多くの舞台をてがける、大川貴啓さん。大川さんとは昔、30年前、新神戸オリエンタル劇場がオープンした時のニューウェーブシアターの一貫で、私の作品を上演しましたが、その折の照明さんです。この夏、日本劇作家協会の全国大会で久々の再会を果たし、今回舞台のお願いとなりました。こうしたことが、おきるんですね。二十代に演劇に関わった人たちが、ずっと現場で頑張って、一線で活躍している…素晴らしいです。
おかげさまで、チケットも良い感じでうまってきましたが、まだ余裕もありますので、是非、日曜日、いらして下さい。(小さなホールのため事前予約をおすすめします。予約→komachiza.theater.com@gmail.com