台風一過蒸し暑い日になりました。今日は新聞が休みの日、たいして読むわけではありませんが、なんとなくさびしい。今読んでいる本
「LONESAOM隼人ローンサム・ハヤト 獄中からの手紙」 郷隼人著 幻冬舎 2014.2刊 同年4月二刷発行
郷隼人氏は今年で29年間も終身刑の罪で、アメリカで服役中の朝日歌壇の有名歌人です。
(LONESAOMとは、“人里離れた“と自動翻訳されます)
昨日の朝日歌壇にはこの著者の短歌が二作入選していました。高野公彦、馬場あき子氏選では同じ歌が、佐々木幸綱氏選では別の歌がそれぞれ共選・入選とはすごい。
富山の小学生姉妹の一人、松田わこちゃんの歌も高野、馬場選で共選でした。
それにしても郷隼人氏の本はアメリカの監獄・プリズンで服役囚の日常とは、どんなものなのかがよく分かる貴重な本でした。獄中にありながら本を出版できるなんて日本では考えられない。
あとがきには、著者と同じ鹿児島県の、しかも隼人町出身のあるご夫婦が、原稿の分厚い封筒の航空郵便の米国切手シートをたくさん贈呈され本の出版に協力されたお蔭と、感謝されています。ファンが多い歌人ですから。
2004年4月刊の一冊目の著書「LONESOM隼人」(幻冬舎)は、囚人仲間にしろ、看守側にしろ善良な人々ばかりと、ポジティブな監獄暮らしだけを書いた。今回の本は日米の娑婆の人々にはあまり知られていないネガティブなサイド、即ち、獄壁の内側で日常起こっている汚い側面と悪い刑務官、そして悪い囚人たちのことを書いたと、述べている。
30年近くも服役したのだから、特赦してほしいと願うところです。
カリフォルニア州知事が特赦してくれ、国外追放、強制送還になった暁には、その一瞬のうちに郷隼人の短歌の価値も、読者の人々のサポートの感情も急速に衰退することでしょう、と著者自身が書いていました。そう願いたいと思いました。