熱海の昭和町には、起雲閣という建物が残されています。
一見、料亭の入り口の様で
入り口のイメージでは、短時間で見られる様に思うのですが
内部は広い敷地に名建築や庭園があり、見て回るのには充分な時間が必要でした!
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起雲閣は大正8年(1919年)に別荘として築かれ、昭和22年には旅館として生まれ変わり
そして現在は熱海市が管理する史跡となっています。
広い敷地には、数棟の建物と日本庭園があります。
和館は日本の伝統的な建築で
大正8年(1919年)に政財界で活躍した海運王・内田信也により建てられました。
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昭和23年3月、2階の「大鳳」という名のこの部屋に、太宰治が崎富栄とともに宿泊しますが
その3か月後に、玉川上水で入水心中してしまいます。
ふたりの目には窓外のこの景色はどのように映ったのでしょう…
庭園は昭和の鉄道王で茶人でもある根津嘉一郎の設計です。
『金剛』は昭和4年(1926年)
根津嘉一郎により建てられた洋館です。
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「ローマ風浴場」は当時の日本では、かなり斬新な設計だったようで
1950年の映画『雪夫人絵図』の撮影地になっています。
『玉渓・玉姫』は昭和7年(1921年)根津嘉一郎によって建てられた洋館です。
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寺社建築の要素や中国的装飾・アールデコ・英国チューダー様式・サンスクリット語の装飾が
渾然一体となった部屋の数々は、まさに美のワールドカップです。
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庭から洋館を見たところです。
斬新な内装とは逆に、シンプルな外観です。
詳しい下調べもせずに行った熱海で、素敵なスポットに出会えました。
館内に展示されていた尾崎紅葉の熱海に関する文章が
現在の熱海の魅力でもあるとも思えました。
~私の気に入ったと思ふことのあらまし~
熱海の特徴は、軽井沢が避暑の最優勝地あるが如く、
我国に於ける避寒の最優勝地である上に、
頗る有効な温泉があり、加ふるに、
海と山と田園との三風致を兼ね備え、
おまけに都会的設備と田舎の趣味と
両立せしめているといふ点にある。
尾崎尾紅葉
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