新たな週の始まりでもあり、月の始まりでもある。
東の空は黄金色に輝き、あらゆるものを秋色に染めていく。
今シーズンの秋を、満喫は出来ていないものの、長く楽しんでいる気がしている。
通勤路は申し訳程度の植木しかなく、視界には人工物が多く入ってくる。
イメージする秋とズレがあるのは、このせいかもしれない。
それでも空は広がり、手入れはされていないものの管理された草木があり、鳥がいる。
今日もそれぞれの幸せのために駅へ向かって人が流れていく。
食べて行くための芸を磨き、世間様から嫌われないための行儀を更新していく。
幸か不幸か、私もその一人として数えられる。
ふと忘れ物を思い出した。
けれど、もう引き返すわけにはいかないところまで来ている。
笑ってこのまま進むことにした。