鳥が唄うと、蛙も吟う。
たなびく雲の下で満開に酔っていると、
花冷えした風が追い掛け追い越して行く。
友と語らうと、心から笑う効能を改めて感じる。
詩をかき消すように、洗濯機を回す。
家中の窓を開け放つ。
掃除機はペットの様にまとわりつく。
昨夜洗い残した食器類を洗う。
テレビやラジオを付けなければ、ここは別世界。
草刈機が唸りをあげている。
甲高い鳴き声は、突き抜けてやってくる。
無意識に漏れる下手くそな鼻歌は、
壊れたレコードみたいに
同じところで振り出しに戻っている。
苦しい時も、楽しい時も、
それが今という現実であって、いつでもない今という時の砂。
鼻歌うたいながらそんな事が、
考えるでもなく、
思うでもなく、
流れて行った。
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