けたたましい蝉の季節は過ぎ
トンボの季節が始まろうとしている。
アスファルトとコンクリートに囲まれた空間は
夜になっても熱が吸収されることがあまりない。
冬にばかり強調される放射冷却ってのは、夏には効果がないようだ。
不安と焦りは必要以上にまだまだやかましく騒ぎ立てているが
日増しに熱くなるのが早くなっている心にも、
しれっとどこかでトンボが静かに漂っているのかもしれない。
疲れが溜まっていると夢に出てくるように感じている知人が昨夜現れた。
目を覚ますと開けっ放しにしている窓のカーテンが激しく波打って揺れていた。