With the I Ching

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易と宇宙論

2009-07-11 14:28:20 | 易の解釈

易の解釈の中で宇宙論との関連を書いていたのですが、特に興味のない人にとってはよく分からない話になりかねないので、改めて分けることにしました。これに伴い、すでに書いた解釈(屯~比まで)も再考して書き直しています。一気には無理ですが、徐々に改訂していきます。

――では、付録的内容ですが、「易と宇宙論」の短編をどうぞ。

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◎易と宇宙論
(今は序論というか走り書きみたいなもの。)

 

宇宙と易経(周易)とは相応関係があります。まず乾坤を宇宙の根本要素である「エネルギー」と「時空」と考えば、屯は宇宙誕生(ビックバン)です。ビックバンと出産を重ね合わせれば、誕生という意味でイメージが繋がると思います。かたや宇宙、かたや生命。でも、たぶん本質は同じもの。

さて、誕生して間もなくの初期宇宙は高温高密度であったために水素原子(電子と陽子)が電離したプラズマ状態で、あちこちに散乱している電子に光が際限なく衝突・乱反射してしまうために直進できない状態でした。直進できないとは先行き不透明、つまり“すりガラス”を通して外を見ているようなもので、まるで濃霧の中を歩いているかのように視界が悪かったのです。前進しようというエネルギーはあっても互いにぶつかり合う関係では思うようにならない、というわけです。これらは屯や蒙の基礎概念と通じます。

ところが、宇宙の温度が3000K(摂氏2727℃)まで冷えて原子核と電子が結合して原子となると、光の直進を妨害するものがなくなり、光が乱反射せずに自由に直進できるようになります。見通しが良くなるわけです。この現象を“宇宙の晴れ上がり”と言っています。(宇宙誕生から約37万年後の出来事)

しかしその後、晴れ上がっていた宇宙に“再電離”という現象が起きます(宇宙誕生から約4億年の頃、最初の天体が発する紫外線により中性状態だった銀河間の水素ガスが再び電子と陽子に分離した出来事)。これによって現在の宇宙の状態になったとされています。おろらく意味的には“宇宙の晴れ上がり”が需で、その数億年後の“再電離”が訟に対応すると思います。

この晴れ上がりの際、原子が形成されることで宇宙空間に密度のムラが生じてきます。これが超銀河団や銀河団のベースになっていると考えられており、この発展型が“宇宙の大規模構造(泡構造やグレート・ウォール)”と呼ばれ、現在も研究が進められています。まあ、「集団が先か個が先か」という「鶏の卵と雌鳥」に似た議論もあるのですが…今は脇に置いておきます。そしてこれ以降、宇宙は徐々に冷えながら(密度低下しながら)膨張を続けている状態です。ちなみに現在の宇宙は約137億歳であると推定されています。

今観測される無数の銀河は、宇宙誕生から10億~20億年頃(現在の宇宙の3~4分の1の大きさ)、押し合いへし合いながら一斉に花開くかのようにできたのではないかと考えられています。易卦では師・比期か、はたまた同人・大有期か、いずれにせよその辺りだろうと思います。

その後、宇宙創世から約91億年(今から約46億年前)ほど経った頃、他の太陽系も含め、“私達の太陽”が生まれ、その重力に引き寄せられる形で薄い膜のような円盤が生じました。そしてその中の重力が不安定になると微惑星同士が衝突したり合体し始め、徐々に今知るような惑星が形成されました。太陽系の誕生です。また、同時期に地球も誕生したと考えられています。

易経の下経は咸からスタートしますが、僕の考えでは一つの区切りとして明確な意義を持っているのは大壮と晋の境目です。大壮と晋の間には、未済から乾坤そして屯に変転するのと同様の垣根が存在しているように思えます。大壮が終わると一種のショックが起き、そして晋で新展開が始まるのです。その後、明夷でいったん内に沈み込むと、次の家人でファミリーを形作っていく。

仮に太陽系および地球の誕生を晋とすれば、明夷で地球における最初の生命(今から約40億年ほど前のバクテリア)が生まれ、家人になると種族が増えて、それぞれの世代が出来てくる…等と想像しています。まあ文明期(例えば1億年くらい前までなら)であれば、易の理論的展開から計算によって易卦と時期を対応付けできるんですが、さすがに数十億年も前の頃にまで易卦を関連付けるのは難しいですね。そのためには地質学的な見地も必要だろうし。

でも、とりあえず、走り書きとしてはこんなものかな。また、何か気がついたら書き足そうと思います。



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