35.火地晋
晋は上り進むこと。上(外)卦という外部・新世界に向かって進み行く様。日の出。朝、太陽が東の空から一条の光を放ちながら昇ってくるイメージ。下(内)卦坤としての人々が、上(外)卦離の君子の光(徳)にあやかる内容。個人としての生活スタイルが、より大きな社会的目標によって決定付けられる状態です。これは綜卦の明夷とイメージを比較すると分かりやすいです。明夷は公明正大な者が敗れる・傷心する、そして智恵が暗むという意味。晋とは逆に日の入。夜になって太陽が水平線下に沈んでゆくイメージです。陰気が陽気を押しのける時間帯。その人の裏の顔、背面的な心理。または通常の顕在意識がなりを潜め、潜在意識が暗躍する眠りの時。そして、また朝目覚めると晋としての現実の意識に切り替わる…
裏卦は需。需要が出るまで待機する卦。「待てば海路の日和あり」。探偵や弁護士のように依頼されてから仕事を始める人のようなイメージ。または、活動に対する休息。規則正しい生活、特に寝食の重要性の認識。その時々で体力や精神力を確実に回復させることで、疲労を翌日に持ち越さない生活スタイル。一方の晋は、待ち姿勢に対する攻勢姿勢。太陽が光と熱を放出しているのと同じく、自分を表現(アピール)して周りを照らすことが目的。まず取り組む、やってみる。失敗や成功を気にせず、積極的にチャレンジしてみることが前途を拓く鍵になります。
晋は大壮での勢いを昇華した姿なので、“垣根”に象徴される枠・限定された環境を飛び出す性質があります。その結果、遠出をしたり国外進出するケースも見られます。また、普段は出不精の人も外出して気晴らしをしたくなるかもしれません。せっかくの機会ですので、思い切り羽を広げるのもいいのではないかと思います(爻にもよりますが)。また、物事に対する熱中度が他の人よりも高いので、一人でも寂しさを感じることなく集中できる利点もあります。ただ、周りとの調和を図るのであれば温度差が出過ぎないように気を配ったほうがいいかもしれません。なお、熱気が上昇するという卦象ですので、健康に良いとされる「頭寒足熱」とは逆の状態になりがちです。特に、暑い日は熱射病(熱性や急性の病気)や日射病(紫外線)に注意が必要です。
類似関係は屯。屯も晋も“はじめの一歩”的な状況を示す卦。共にスタートを表わす数字の1に象徴されています。屯は存在の始め、自分をどこに置くか、どうやって周囲に溶け込んでいくか、または根付くかを探し、悩み、その有り様を模索しています。創造の難(生みの苦しみ)があり、自分のポジションを得るための葛藤を経験しやすい。対する晋は、自ら進んだ環境の中で意欲的に活路を見出そうとします。目的のために脇目も振らず邁進していきますが、怖いもの知らずで飛び込んでいくため、子供っぽい危なっかしさも持ち合わせています。周囲の人々や環境に対して、心身を丸ごと押し込んでいくようなスタイル。意気込みとかやる気がオーラとして発散されているような状態。1という数字が持つ二重性(陰陽)が屯と晋の性質を分けています。
屯&晋、双方の卦にとって、関わる相手・状況・環境・情報には少なからず目新しさが備わっています。時には、丸っきり別物かもしれませんが、事情が何であれ、その中で自分の居場所を見つけたり、順応したり、独自の活動拠点を作っていかなくてはなりません。そして、この始まりの時点の動機が強く明確であるほど、次の蒙および明夷での反動とかウケも濃くなり、それだけ幅のある体験をします。例えば、お笑いのライブステージにでも立っているようなものです。ボケやツッコミに対して、お客さんからのリアクションがどう返ってくるか。大爆笑が沸き起こるかもしれないし、会場全体を白けさせてしまうかもしれませんが、そこでのフィードバックを次に生かすようにすることが大切です。「失敗は成功の元」とか「七転び八起き」というわけです。
補完関係は天山遯。遯は一言で言うと「逃げる」の卦ですが、逃げるにも色々あります。すばやく退避することで難を逃れることもあれば、逃げ遅れたことでかえって事態が悪化せずに、九死に一生を得ることもあるかもしれません。また、何を持って逃げるか、何を後に残すか、ということにも関係します。自分にとって本当に必要なモノは何なのか、その取捨選択を迫られます。そして遯の次の大壮で、選んだモノに対して心を決めた結果、この晋で目的に向かって進むことができるようになるのです。この晋と遯は、「進む」と「退く」という逆の相反する関係になっていますが、どっちつかずではいられません。何を捨てて、何を持って、どこに向かうか、という方向性を定める段階に来ています。
そもそも晋の場合、多くは新しい活動に当たっての事前情報や予行演習もなく、ぶっつけ本番で事に望む傾向があります。だから、不安を感じたり、失敗して挫折しそうになるのは織り込み済みだと思っていた方が気が楽です。それに、今は主体的な人生の基盤作りがメインテーマなので、うろたえていては前に進めません。晋にとってはチャレンジ精神が命です。持てる力を余すことなく発揮できる場を探しましょう。
<爻意は後日、追加更新します。>
晋は上り進むこと。上(外)卦という外部・新世界に向かって進み行く様。日の出。朝、太陽が東の空から一条の光を放ちながら昇ってくるイメージ。下(内)卦坤としての人々が、上(外)卦離の君子の光(徳)にあやかる内容。個人としての生活スタイルが、より大きな社会的目標によって決定付けられる状態です。これは綜卦の明夷とイメージを比較すると分かりやすいです。明夷は公明正大な者が敗れる・傷心する、そして智恵が暗むという意味。晋とは逆に日の入。夜になって太陽が水平線下に沈んでゆくイメージです。陰気が陽気を押しのける時間帯。その人の裏の顔、背面的な心理。または通常の顕在意識がなりを潜め、潜在意識が暗躍する眠りの時。そして、また朝目覚めると晋としての現実の意識に切り替わる…
裏卦は需。需要が出るまで待機する卦。「待てば海路の日和あり」。探偵や弁護士のように依頼されてから仕事を始める人のようなイメージ。または、活動に対する休息。規則正しい生活、特に寝食の重要性の認識。その時々で体力や精神力を確実に回復させることで、疲労を翌日に持ち越さない生活スタイル。一方の晋は、待ち姿勢に対する攻勢姿勢。太陽が光と熱を放出しているのと同じく、自分を表現(アピール)して周りを照らすことが目的。まず取り組む、やってみる。失敗や成功を気にせず、積極的にチャレンジしてみることが前途を拓く鍵になります。
晋は大壮での勢いを昇華した姿なので、“垣根”に象徴される枠・限定された環境を飛び出す性質があります。その結果、遠出をしたり国外進出するケースも見られます。また、普段は出不精の人も外出して気晴らしをしたくなるかもしれません。せっかくの機会ですので、思い切り羽を広げるのもいいのではないかと思います(爻にもよりますが)。また、物事に対する熱中度が他の人よりも高いので、一人でも寂しさを感じることなく集中できる利点もあります。ただ、周りとの調和を図るのであれば温度差が出過ぎないように気を配ったほうがいいかもしれません。なお、熱気が上昇するという卦象ですので、健康に良いとされる「頭寒足熱」とは逆の状態になりがちです。特に、暑い日は熱射病(熱性や急性の病気)や日射病(紫外線)に注意が必要です。
類似関係は屯。屯も晋も“はじめの一歩”的な状況を示す卦。共にスタートを表わす数字の1に象徴されています。屯は存在の始め、自分をどこに置くか、どうやって周囲に溶け込んでいくか、または根付くかを探し、悩み、その有り様を模索しています。創造の難(生みの苦しみ)があり、自分のポジションを得るための葛藤を経験しやすい。対する晋は、自ら進んだ環境の中で意欲的に活路を見出そうとします。目的のために脇目も振らず邁進していきますが、怖いもの知らずで飛び込んでいくため、子供っぽい危なっかしさも持ち合わせています。周囲の人々や環境に対して、心身を丸ごと押し込んでいくようなスタイル。意気込みとかやる気がオーラとして発散されているような状態。1という数字が持つ二重性(陰陽)が屯と晋の性質を分けています。
屯&晋、双方の卦にとって、関わる相手・状況・環境・情報には少なからず目新しさが備わっています。時には、丸っきり別物かもしれませんが、事情が何であれ、その中で自分の居場所を見つけたり、順応したり、独自の活動拠点を作っていかなくてはなりません。そして、この始まりの時点の動機が強く明確であるほど、次の蒙および明夷での反動とかウケも濃くなり、それだけ幅のある体験をします。例えば、お笑いのライブステージにでも立っているようなものです。ボケやツッコミに対して、お客さんからのリアクションがどう返ってくるか。大爆笑が沸き起こるかもしれないし、会場全体を白けさせてしまうかもしれませんが、そこでのフィードバックを次に生かすようにすることが大切です。「失敗は成功の元」とか「七転び八起き」というわけです。
補完関係は天山遯。遯は一言で言うと「逃げる」の卦ですが、逃げるにも色々あります。すばやく退避することで難を逃れることもあれば、逃げ遅れたことでかえって事態が悪化せずに、九死に一生を得ることもあるかもしれません。また、何を持って逃げるか、何を後に残すか、ということにも関係します。自分にとって本当に必要なモノは何なのか、その取捨選択を迫られます。そして遯の次の大壮で、選んだモノに対して心を決めた結果、この晋で目的に向かって進むことができるようになるのです。この晋と遯は、「進む」と「退く」という逆の相反する関係になっていますが、どっちつかずではいられません。何を捨てて、何を持って、どこに向かうか、という方向性を定める段階に来ています。
そもそも晋の場合、多くは新しい活動に当たっての事前情報や予行演習もなく、ぶっつけ本番で事に望む傾向があります。だから、不安を感じたり、失敗して挫折しそうになるのは織り込み済みだと思っていた方が気が楽です。それに、今は主体的な人生の基盤作りがメインテーマなので、うろたえていては前に進めません。晋にとってはチャレンジ精神が命です。持てる力を余すことなく発揮できる場を探しましょう。
<爻意は後日、追加更新します。>
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