建交労長崎県本部

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中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故に関する談話(中央生公連)

2012年12月10日 10時18分20秒 | 活動報告
 建交労が加入している、生活関連公共事業推進連絡会議(略称:生公連)が、中央自動車道笹子トンネル天井版崩落事故に関しての談話を発表しましたので、ご紹介します。


央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故に関する談話

 平成24年12月2日早朝、中央自動車道笹子トンネルで天井板崩落事故が発生し、9名もの尊い人命が奪われた。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、御遺族に対しお悔やみを申し上げます。
 私たち生公連は、公共事業を防災や生活関連事業への転換を求めるとともに、社会資本の老朽化が進むなかで維持・更新を中心とした管理の充実を提言し、政府や各方面へ訴えてきた。こうしたなかで、今回の事故が発生したことに、あらためて関係機関に抗議する。
 笹子トンネルは、昭和50年に旧日本道路公団が新設したものであるが、トンネルアーチ部の覆工コンクリート等の施工が設計と相違し、その一部の強度が設計に比べて低くなっていると会計検査院に指摘されるなど、当時から監督及び検査が適切でなかった。
 今回の天井板崩落事故の原因について、NEXCO・中日本高速道路(株)は3日の記者会見で、天井板(てんじょうばん)を支えるつり金具をトンネル本体の固定するボルトが抜けている箇所があったことを明らかにした。一方、山梨県警は、同社がボルトの劣化など老朽化への有効な対策を講じていなかった疑いもあるとみて、業務上過失致死傷容疑で本格捜査に乗り出す方針を固めたと伝えられている。
 日本では高度成長期に次々と造られた社会資本構造物の老朽化が進んでおり、様々な事故が発生している。トンネル事故に限っても、高速道路だけでなく国の管理する国道でも全国各地で事故が起きている。このことから、国や高速道路会社は、老朽化による事故の危険性を認識していたのは明らかである。
 日本の高速道路会社は、「構造改革」路線の中で民営化され、利用者の生命と安全・安心の経営から利益追求の経営に変質されたことで、十分な点検及び維持修繕作業が行えなくなっていたことも重大である。特に、中日本高速道路(株)の受注企業が下請け請負金額をたたいて受注させていると言われているように、この下請け金額たたきによって品質に影響を与えた可能性も否定できない。
 更に、自民党政権下ですすめられてきた大規模プロジェクト中心の政策をはじめ、政府による「コンクリートから人へ」の政策など、道路特別会計の廃止や維持・管理予算の大幅削減により安全・安心の維持管理ができなくなっている。本来あるべき社会資本の維持管理は、国民の生命や安全・安心を確保するため予算を確保しておこなうものである。社会資本構造物の安全確保については、諸外国では仕組みの違いはあるものの「社会資本構造物の点検・報告・修繕を義務付けた法整備」が確立されているが、日本では極めて不十分である。さらに施設点検技術にかかる「開発及び研究体制の整備拡充・予算確保」、「施設点検技術者の育成」も急務である。政府及び国土交通省に対し、構造的な欠陥と維持管理体制の不備などのシステム問題点などから徹底した原因の究明を行い、緊急に法整備について検討することを求める。
 私たち生公連は、国民の生命と安全・安心を守るべく「民営化の問題と国の責任」及び「社会資本構造物の点検・報告・修繕を義務付けた法整備」を早急に確立することをめざすと同時に、「構造改革」路線を転換させ、真に国民の生命と安全・安心をもとめ運動を強化するものである。    
以 上

2012年12月5日
生活関連公共事業推進連絡会議(略称:生公連)                        
事務局長 山 崎 正 人


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