満席の傍聴支援を受け分会長が意見陳述
オーナーの椎山賢治による,組合つぶしを目的とした,会社廃業・解雇とたたかう建交労長崎合同支部おおとり運送分会の解雇撤回裁判は、3月3日に福岡高裁で控訴審の第1回口頭弁論が行われました。
おおとり運送分会の裁判は,昨年10月31日に,長崎地裁佐世保支部で椎山会長らによる解雇は有効との不当判決が出され,10人の組合員が控訴していました。
法廷では,中村分会長と梶原弁護士がそれぞれ口頭で意見陳述を行い,長崎地裁佐世保支部の不当判決を取消し,椎山会長らの責任を認める判断をするよう求めました。
多くの労働者が不安を感じる地裁判決
法廷には,おおとり運送分会の解雇撤回闘争を支援するみなさんで満席となり,約20人が法廷外で待機しながら,緊張の組合員を激励しました。
中村分会長は,意見陳述の中で,「杜撰な放漫経営によるツケを労働者に負わせ,組合が出来たからつぶしたと,組合とまともな交渉もせずに会社ごと潰してしまう,こんな椎山会長のやり方を追認した長崎地裁佐世保支部の判決には,おおとり運送の労働者だけでなく,多くの労働者が不安を感じている」とし,「本件のような廃業・解雇のやり方は,地域社会にとっても,経済社会の発展にとっても,百害あって一利もありません」と,福岡高裁の公正な立場での判断を求めました。
地裁判決はおおとりの解雇の合理性に関し決定的に判断を誤っている
弁護団の梶原恒夫弁護士は,地裁判決はそもそも解雇権濫用法理(労働契約法16条)について一切考慮されておらず,解雇権濫用に関する理解に誤りがあることをまず指摘しました。
そして,廃業を決定するにあたり,椎山らはキャッシュフローの分析などを一切行っていませんが,地裁判決も,財政分析をなす際の分析評価を行っておらず,事業継続性に関わる適正な財政評価を行っていないことも指摘。椎山自身が,財務上の問題で廃業したわけではないと尋問でも述べているのであって,おおとり運送の存続不可能性を簡単に認めた地裁判決の判断は決定的に誤っている旨を,梶原弁護士は強調しました。
判決は5月31日13時10分に言い渡し
高裁は司法における正義を示せ
高裁宛署名への集中的な取り組みを
控訴審は今回の期日で結審となり,裁判長が判決の言い渡し期日を,5月31日(水)の13時10分からと指定しました。判決に際しての行動に,多くのご参加をよろしくお願いします。