発達障がい・こころのやまい

専門外ながら相談を受けることがあり、その際に読んだ本や集めた情報を書き留めました(本棚9)。

「心のバランスを取り戻そう」(大野裕先生)

2017-02-04 19:08:16 | 心理療法
 NHKラジオ第一放送「健康ライフ」より。
 認知行動療法の第一人者である大野先生のお話です。
 今までに彼の著書を何冊か読んだことがありますが・・・どうもピンとこないんです。
 なんとなく「当たり前のこと」しか書いてないように感じる私(^^;)。
 おそらくその本質を理解していないのでしょう。

 気になった箇所を備忘録としてメモしておきます。
 ポイントは、
・自分の気持ちや行動を立ち止まって分析するクセを付け、うまくいかないときに応用すべし。
・そのスキルとして「元気度の高い行動」を知ることと、「3つのC(Communication, Control, Cognition)」が大切。
 ・・・てとこかな。

■ 「気分の変調は心のアラーム」
・「うつ」「不安」は心のサイン。
・「何かを喪失した」「何か大変なことが起きるかもしれない」というメッセージを立ち止まって見つめてみよう。
・落ち込んでいるときの3つの徴候:自分自身に対して悲観的、周りとの関係に悲観的、将来に対して悲観的。
・不安なとき3つの徴候:「危険なことを過大評価」「自分の力を過小評価」「周りからの支援を過小評価」
・自分の心の状態を時々振り返る習慣をつけよう。
・食欲・睡眠・お腹の調子は順調か。
・気づくコツは「いつもと気分が違うかどうか、毎朝(あるいは夜)チェック」

■ 「認知行動療法を知る」
・アーロン・ベック医師(アメリカ)が提唱。受け入れられるまで30年かかった。
・認知とは? ・・・目の前で起きていることをどう受け取るか。
・感情は変えることはできないが、判断は変えることができる。
・ネガティビティバイアス:人間は何かが起きた時にマイナス(悪い方)に考える傾向がある(生き延びるための本能)。
・そこに気づき、再考して正しく認識し直し、過剰なかつ不必要なマイナス思考に陥らないようサポートすることが認知行動療法。
・心が落ち込んでいるとき=何かを失ったとき。マイナス思考の中にプラスの要素を見つけて対策を考えよう。

■ 「心のスイッチを入れてみよう」
・落ち込んで何もやる気がしない。つらいことから逃げようとする。自分の殻に閉じこもる。元気がなくなる。
・元気の素は行動の結果。何もしないと元気が出ない、無くしてしまう。
・気力が出ないときに気力を出す方法は「行動」。
・自分の行動を記録し、その行動により気持ちが落ち込む、あるいは元気が出る、ということを認識する。行動直後に「元気度○○点」と点数化・数値化することがオススメ。
・つらいくなったら「自分が元気になる行動」を増やしてみよう。元気度が低い行動をやめるよりは、元気度が高い行動を増やすのがコツ。止める努力は難しいので自然に減るように仕向けよう。
・気分転換のコツを治療に応用したものです。

■ 「考えをしなやかにする」
・行動だけではなく考えにも目を向けよう。
・自分の考えが正しいかどうか(思い込みかもしれない・・・)をチェックしてみよう。
・次の対応が考えられて試すことができれば気持ちが楽になる可能性が生まれてくる。
・感じたことが実際にどうなのか、いくつかの候補を挙げて考える習慣を。
 (例)「友達に無視された、彼は私を嫌っている。」
  → 忙しいので気がつかなかったのかもしれない、別のことで怒っていて気がつかなかったのかもしれない、などいろんな可能性を模索。でも答えはわからない。
  → メールでそれとなく聞いてみよう(次の行動につながった)。
・心がつらいときは「何でつらいんだろう、思い過ごしではないの?」と立ち止まって考えよう。その結果がよくても悪くても次のステップに進める(前向きの考えを導き出せる)。

■ 「ストレスを味方につける」
・ストレスの正体:生活に降りかかる困った問題。
・よいストレスも悪いストレスもある。ほどほどの心理的ストレスを感じている状態がよい
・ストレスを味方に付けるには・・・ストレスを強く感じすぎないようにする。それを自分でコントロールすることができれば悪いストレスをよいストレスに変えることができるかもしれない。
・ストレス認知に必要なことは、まず自分の変化に気づくこと、そして「3つのC」が大切:
 Communication:人とのつながり、これを大切にすると手助けを得たり役に立つ。
 Control:自分をコントロールできると根拠のある自信が生まれ、前向きに行動することができるようになる。空元気ではいけない。
 Cognition:冷静に現実を見て対策を考える。冷静に現実を見て柔軟に強み弱みを判断することができる。
・人には苦手なストレスと得意なストレスがある。仕事でストレスを感じやすい人、人間関係でストレスを感じやすい人がいる。
・ふだんは自動運転だが、アラームが鳴ったときは手動に切り替えて自分でチェックしコントロールする。
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