CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

第107回ジロ・デ・イタリア第5ステージ

2024-05-09 09:24:39 | ジロ・デ・イタリア
 ジェノヴァからルッカまでの178kmで行われたジロの第5ステージはジェノヴァの美しい街並みと海を臨む風景の中を走り始める。プロトンの脇をジロカラーにラッピングされた列車が並走して行く。この特別な列車にはジロの歴代優勝者の名が刻まれたトロフィーが積まれていました。この黄金の螺旋型オブジェは「トロフェオ・センサ・フィーネ」と呼ばれています。

 序盤4名の逃げは62km地点で越えた3級のパッソ・デル・ブラッコの下りで吸収され、峠で遅れていたスプリンターたちも合流して集団は1つになりました。99.2km地点に設定された中間スプリント地点の手前でヨーロッパチャンピオンのクリストフ・ラポルト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)が落車する事故が発生、彼はレースを続行する事ができたようですが、今年のヴィスマは本当に厄年なのかもしれません。
 残り77.2kmで集団からバンジャマン・トマ(コフィディス)がアタックし、アンドレア・ピエトロボン(チーム ポルティ・コメタ)、ミカエル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・イージーポスト)、エンツォ・パレーニ(グルパマ・FDJ)と一緒に逃げグループを形成し、4人は1分前後のタイム差で逃げ続けました。

 このステージは最後の登りからゴールまで距離があり、スプリンターのステージだと予想していたのですが、スプリンターでゴールを狙うチームがプロトンをコントロールしながら逃げを追うも、1分前後の差がなかなか縮まりませんでした。
 途中、現地中継画面に逃げているヴァルグレンの出力が330Wと表示されていましたが、この逃げが結構強烈なのだと分かりました。今回のジロで積極的な動きを見せているEFエデュケーション・イージーポストはUCIランキングが11位という中堅チームです。今年かは日本人の留目夕陽選手が加入しています。ただ、若手を育成しても資金力のあるチームに引き抜かれてしまうので、グランツールの総合優勝を狙えるようなチームではありませんが、使用するバイクがcannondaleなので、個人的に応援しているチームなのです。

 このステージでも逃げに乗り高出力で走っているヴァルグレンに声援を送り、逃げの4人が22秒差で残り1kmのフラム・ルージュを通過するという最後までハラハラドキドキの展開でしたが、最後のスプリントでトラック選手でもある28歳のバンジャマン・トマに敗れての2位ゴール。イヤー悔しい1車身差!!付きイチだったピエトロボンの仕掛けに、追走を始めたヴァルグレンでしたが、結果的にはトマの発射台のようになってしまいました。

 cannondaleのCAADシーリスで勝ちまくっていたマリオ・チッポリーニの故郷ルッカの街にゴールするステージでcannondaleのSupersix EVOに乗るヴァルグレンの活躍には感動さえ覚えました。ミカエル・ヴァルグレンはデンマーク出身の32歳。若い頃はU23のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ連覇するような選手でしたが、2021年にEFへ移籍した年の世界選手権3位を最後にケガに泣き、結果が出せずにいたのですが、EFは契約を切ることなくデベロップチームでじっくりと復帰を待っていた選手なのです。
 それにしても、今年のジロでは自転車のトラック選手の躍動には目を見張るものがあります。前日、ゴール前のカーポ・メーレの丘でアタックを見せたフィリッポ・ガンナ、スプリントでステージ優勝を飾ったジョナサン・ミランはイタリア代表のトラック選手、今日のバンジャマン・トマはフランス代表のトラック競技選手で、現ヨーロッパ王者なのです。そんな選手に食い下がったのですからヴァルグレンの健闘を称えたいと思います。
 TV解説の辻啓氏が言っていなのですが、ポガチャルの前日のフラムルージュからゴール迄1kmの平均速度が74.9km/hだったというのです。下り基調だったとはいえ、驚きの速度です。このステージでも最後の登りを超えてからゴールまでは60km/h前後で推移していました。ここまでスピード重視になるとトラック競技の経験が生きてくるのかもしれません。
 3位は逃げ残ったピエトロボン、集団スプリントでトップ通過はミランで5位、マリア・ローザはポガチャルで変わらずでした。予想外の逃げが決まったステージを終え、明日の第6ステージは未舗装路ストラーデ・ビアンケが登場する丘陵ステージになります。勿論、今年のストラーデ・ビアンケを圧勝したポガチャルが最有力ですが、展開によっては今日のような逃げが決まるかもしれません。
 ちなみに、大会2日目にしてマリア・ローザを着る事になったポガチャルですが、バイクはジロバージョンが用意されていたのに、ビブショーツは間に合わなかったようで、マリア・ローザ獲得の翌日は紫色のパンツ。4日目は普段の黒のパンツ姿でしたが、5日目にしてようやくビブショーツもマリア・ローザカラーのものになっていました。チームはこんなに早くポガチャルがマリア・ローザを着ることを予測していなかったのか、単なる準備の遅れなのかが気になります。
 
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第107回ジロ・デ・イタリア第4ステージ

2024-05-08 09:10:47 | ジロ・デ・イタリア
 スタート直後にフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)が逃げに乗るという驚きから始まったジロの第4ステージでしたが、チームの指示か本人の意思かは不明ですがガンナは30kmほど逃げに加わった後、集団に戻りました。結果、フランシスコ・ムニョス(チーム ポルティ・コメータ)、ステファン・ドゥボッド(EFエデュケーション・イージーポスト)、リリアン・カルムジャーヌ(アンテルマルシェ・ワンティ)の逃げでレースは淡々と進みました。

 細大で5分ほど開いたタイム差も3級山岳のコッレ・デル・メロンニョの頂上では3分ほどにまで縮まったものの、この峠の山頂付近は霧が濃くたれこめ、プロトンは下りも慎重に走らざる得ず、差がなかなか詰まりませんでした。自転車乗りとしてはあの霧の中のスリッピーな道を下るなんて…と思ってしまいます。
 レースはやがてミラノ~サンレモでも目にした海岸線へと進んで行き、タイム差は約2分。今日はスタートから逃げたのがEFエデュケーション・イージーポストのステファン・ドゥボッドということもあり、cannondaleのSupersix EVOの画面露出度が高く、イタリアの美しい海岸線の風景と相まって、良い目の保養になりました。

 風があると集団が割れることもあるのですが、この日は海も穏やかで、プロトンは淡々と逃げを追う展開になりました。ゴールに向かう若干下るコースをプロトンは60km/hを超えるスピードで逃げを猛追し、最後のカーポ・メーレの登りで逃げの二人を吸収。その直後にプロトンから飛び出したのはマリア・ローザではなくイネオスのガンナでした。

 現世界アワーレコードを持つ稀代のスピードマンのガンナ。序盤の逃げにも乗り、ゴール前でもこの走り。オリンピックイヤーの今年はモチベーションも違うのかもしれません。序盤で自分の調子を確信し、これなら行けると判断してのことなのか、ポガチャル封じの為なのかは分かりませんが、ガンナのアタックにポガチャルが全く反応しませんでした。
 実は第3ステージの録画を見直していて気付いたことなのですが、ポガチャルの右膝に白い絆創膏があったのです。落車で膝に擦過傷を負っていたのでしょう。それでいてあの走りなのですから恐れ入ります。
 このステージはガンナがゴール直前でスプリンター陣に飲み込まれ、シモーネ・コンソンニを発射台にしてリドル・トレックのジョナタン・ミランがスパートし、強烈なスプリント戦を征しました。2位はケイデン・グローヴズ(アルペシン・ドゥクーニンク)、3位はフィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)という結果で、マリアローザはポガチャル、ゲラント・トーマスとのタイム差も46秒のままでした。
 今年のジロは本来の山岳標高こそ例年に比べ低いものの、この日のようにゴール前にちょっとした登りがあり、純粋にスプリンターが隊列を組んでのスプリントがないのが特徴のようです。初日と3日目のポガチャルのアタックで、この日も最後の登りからの緊張感は非常に高いものとなっていました。
 今日の第5ステージも終盤に登りがありますが。ゴールまでの距離があり純粋なスプリント合戦になる可能性が高そうです。個人的にはEFエデュケーション・イージーポストが連日のように逃げに乗ったり、最後にアタックを見せたりと奮闘していることを嬉しく思っています。また、ルビノ・チャベスが総合10位に上がって来たので、総合TOP10以内という成績も気になり始めています。
 
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第107回ジロ・デ・イタリア第2ステージ

2024-05-06 09:38:29 | ジロ・デ・イタリア
 ジロ・デ・イタリアの第2ステージは誰もが予想した通り、タディ・ポガチャルがオロパの頂上ゴールを征しました。オロパの麓でのパンクからの落車にはヒヤリとさせられましたが、バイク交換のロスも何のその、早々に集団に復帰すると、UAEがコントロールする先頭グループで淡々と登り、残り6.5kmで160km近く逃げて来た、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)を吸収、残り4.5kmでポガチャルが一発でアタックを決め、後続とのタイム差を30秒程度に保ちながらゴール。これが、彼のジロ初勝利で初マリア・ローザになりました。

 最終的には2位のダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)と3位のゲラント・トーマスに27秒差を付け、総合で2位のゲラント・トーマスに45秒のアドバンテージを得る事になりました。ただ、一発のアタックが決まり、淡々と登ったポガチャルですが、どうも万全の状態ではないのではないかと感じています。昨日のゴールスプリントもそうでしたが、少しピーキングをずらして来ている気がします。

 今日からは平坦ステージが続くので、どこかでマリア・ローザを手放す可能性もあり、ピークを山岳ステージが続く最終週に持って来ている可能性があるようです。第2ステージを観てもライバル不在で、マリア・ローザを着るイネオスが先頭を引くと、逃げ集団との差が開くという事態をみても、ボーラ・ハンスグローエがほとんど集団を引いていなかったことをみても、ポガチャル一強に他の有力チームの諦め感も感じてしまいます。

 今回のジロはむしろ一発勝負に出るチームが逃げてステージを取ってしまうことが多くなるような気がしています。今日はEFエデュケーション・イージーポストのアンドレア・ピッコロの走りが印象に残りました。若干23歳のイタリア人で、cannondaleのSupersix EVOでのこの日の走りは、下位モデルとはいえ、同じフレームのバイクを所有する身としては嬉しい限りでした。
 最近のレースではポガチャルのCOLNAGO、ファンデルプールのCYANIONの露出度が高く、EFが使用するcannondaleのSupersix EVOが画面に映るケースが激減していたので、彼が160km近くを逃げることで、久しぶりにこの長い距離のレースを堪能することが出来ました。
 ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスというレースは季節的にも風景的にも見どころ満載です。深まる緑の中を色とりどりのジャージのプロトンが駆け抜けていくのは美しい。円安の影響で海外旅行が益々難しくなる昨今、風光明媚なイタリア観光をバーチャルで3週間楽しめるのです。
 さあ、ジロも3日目になり、ここからしばらくはスプリンター向けのステージになりますが、今年は逃げる選手にも期待しています。UAEがマリア・ローザを獲得していますが、それを維持するために、平坦ステージで積極的にレースコントロールをするとは思えません。ただ、極端な大逃げだけは避けたいところではあります。ポガチャルもチームのことを考えれば、マリア・ローザに拘らないはずです。
 



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第107回ジロ・デ・イタリアが始まる

2024-05-05 10:32:15 | ジロ・デ・イタリア
 いよいよ第107回目のジロ・デ・イタリアがトリノで幕を開けます。私がグランツールを初めて目にしたのはランス・アームストロングの全盛期でした。癌を克服してからの彼の強さは圧倒的なものでした。後にドーピングで全てのタイトルを剥奪されることになるのですが、私の中では当時彼の走りに魅せられていたという事実は変わらない。

 決してドーピングを擁護している訳ではありませんが、癌と戦い抜いて勝利を手にした彼がドーピングで全ての勝利を剥奪されたというのは大いなる皮肉でしょう。ランス・アームストロングがツール・ド・フランスを7連覇したのは1999年から2005年にかけてのことでした。その後、引退と復帰を繰り返していましたが、私が彼を観ていた頃はまだ噂程度に過ぎなかったのです。勿論、その頃の私は彼がクリーンだと信じていました。そして、彼が全米反ドーピング機関 (USADA)からドーピング容疑で告発されたのは、2012年のことだったのです。ツール・ド・フランス7連覇達成という偉業から7年も経過していたのです。

 この頃は大好きだったアルベルト・コンタドールにもドーピングの疑いがかけられ、グランツール完全制覇やUCIワールドランキング初代王者にもなった偉大なるスペイン人もドーピング有罪となり、2010年のツール・ド・フランスとともに、2011年のジロ・デ・イタリアの総合優勝も剥奪されることになったのです。
 ランス・アームストロングの走りに魅せられロードレースを観始め、ランスの後もアルベルト・コンタドールという若き才能に魅了されてきた私も、自分のこれまでの感動が全て奪われてしまったような気持ちになり、ロードレースを観ることから離れて行きました。
 それから、10年以上が経過し、70歳を目前にした私も、雪道での転倒で右脚脛骨を骨折して、自転車に乗れない心を癒すため、久々にロードレースを観初めたのです。情報としては色々と知ってはいたものの、久々に観るロードレースはメンバーも大幅に入れ替わり、新しい時代に入っていることを実感させれれました。

 ストラーデ・ビアンケではポガチャルの独走、ロンド・ファン・フラーデレンやパリ~ルーベでのファンデルプールの強さ等々、私が観て来たのは一昔前の選手たちだったことを改めて知らされました。骨折から3ヶ月、ようやく自転車には乗れるようにはなったものの、未だ10km程度のポタリングがやっとという状況でジロ・デ・イタリアが開幕します。

 今回のジロ・デ・イタリアの注目はなんといってもタディ・ポガチャルの参戦でしょう。2020年に若干20歳でツール・ド・フランスを征し、翌21年も連覇、ここ2年はヨナス・ヴィンケゴーに敗れたものの、クラシックレースを勝ちまくり、モニュメントの完全制覇も目前なのです。2018年のクリス・フルーム以来となる3大ツール制覇に向けたスタートでもあるのです。エディ・メルクス、ベルナール・イノー、アルベルト・コンタドール、・ヴィンチェンツォ・ニバリといった限られたスパースターしか成し遂げていない大記録なのです。
 現在ツール・ド・フランス連覇中のライバル、ヨナス・ヴィンケゴーが骨折の為不参加の今回が最大のチャンスで、チームはともかく本人は本気でマリア・ローザを取りに来ているのは間違いないでしょう。強さと脆さを併せ持つポガチャルですが、早々とジロ・デ・イタリアの参戦を表明し、レースを絞ってコンディション作りをしているところをみても。このレースにかける本気度が伝わって来ます。
 
 
 
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ジロ・デ・イタリアを終えて

2013-05-31 08:33:16 | ジロ・デ・イタリア

 山岳が厳しいことで有名なジロ・デ・イタリアではあるのだが、今年は例年にはないほどの雨や雪の影響でさらに過酷なものとなってしまった。ご承知の通りニーバリの圧勝という結果に終わったが、度重なる悪天候と寒さなの中を完走した選手達全員に心からお疲れ様と云いたい。Giro2013_final_01

 また、あれだけのタイム差がありながら最後迄攻めの姿勢を崩さなかったニーバリのファイトには賛美を送りたい。ブエルタ・ア・エスパーニャでの総合優勝こそあったものの、ジロ・デ・イタリアでもツール・ド・フランスでもポディウムの頂上が遠い選手のように感じていたのだが、チーム移籍が見事に功を奏したのか、今までのひ弱なイメージはすっかり影を潜め、レース後のコメントにも静かな闘志が感じられたほどに成長していた。
Giro2013_stage20_01
 昨年まで在籍していたリクイガス(現cannondale pro cycling)はサガンのためのチームという色合いが濃くなり、新天地を求めてアスタナへ移籍した格好だが、それが見事に嵌ったようだ。特に今年のニーバリのTTの成長は著しいものがあった。第8ステージの個人TTではウィギンスとのタイム差を11秒に、抑えエヴァンスには14秒の差を付けるという驚きの結果でマリアローザを獲得してしまったのだから。
 戦前の予想ではこのTTでウィギンスが圧倒的なタイム差を稼ぎ、そのまま強力なチーム力に守られて昨年のツール・ド・フランスのようなレースに持ち込むものと見られていた。ウィギンスの不調もあったことは確かだが、このステージでの結果がニーバリに自信をもたらしたことは確かだろう。Giro2013_stage18_01

 その後は雨や雪という過酷なステージが続いたが、一度もマリアローザを手放すことはなかったのである。圧巻だったのが第18ステージの山岳TTだった。ここまで一度もステージ勝利のないままマリアローザを守って来たニーバリだったが、2位のサミュエル・サンチェスに31秒ものタイム差を付けてステージ優勝をしたのだ。グランツールでの後半のTTは選手達にとって最もキツイステージとなるのだが、この勝利には王者の風格さえ感じられた。
 確かに優勝候補筆頭のウィギンスが早々とレースを離脱してしまったたため、プレッシャーはかなり減っていたことは確かだが、イタリア人としてジロ・デ・イタリアに勝つことのプレッシャーは少なからずあったはずである。それを克服しての圧勝劇には価値があると思っている。この後、ツール・ド・フランスはスキップするようだが、ブエルタ・ア・エスパーニャを圧勝するようなら、来年のツール・ド・フランスでは確実に優勝候補の筆頭に名が挙がるだろう。
Giro2013_stage21_01
 また、今年のジロ・デ・イタリアでは新人賞争いも熾烈で、アージェードゥゼールのべタンクールがサクソ・ティンコフのマイカを最後の山岳ステージで逆転し、マリアビアンカを確定させた。マイカは昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでコンタドールのアシストとして活躍し、昨年のジャパンカップにも参戦したこともあり、密かに応援していたので、個人的には残念な結果となってしまった。マイカにはツール・ド・フランスでコンタドールのアシストという役割があるので、ツール・ド・フランスでの活躍に期待している。Giro2013_stage02_01

 それにしても、エースを早々と失いながらもウランが総合2位でチーム総合では1位というチーム・スカイの強さには舌を捲かざるを得ない。ウィギンスがツール・ド・フランスへも参戦することになれば、チーム内の不協和音は大きくなるだろうが、フルーム・ウィギンス・ポートの3枚看板は強烈なものとなるだろう。特に今年調子がなかなか上がらないコンタドールはかなり苦しい戦いを強いられることになるだろう。
 サクソ・ティンコフはコンタドールがドーフィネへ、クロイチゲルがツール・ド・スイスに参戦して来ることになるようだが、ここでもコンタドールの調子が上がらないようなら今年のツール・ド・フランスもチーム・スカイの独壇場になってしまう可能性が高くなる。そのドーフィネの開幕が今週末に迫っているのだ。
 今年のコンタドールの走りを見る限り、正直ツール・ド・フランスでの勝利はかなり厳しいと云わざるを得ない。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでも感じたことだが、出場停止から戻ってからのコンタドールの走りに以前のようなキレが感じられないのだ。気持は前面に出ているのだが、身体がそれに付いて来ないといった感じがずっと続いている。TTにも以前のような速さがない。個人的には復活を信じたいところだが、正直、今の状態ではかなり厳しいと云わざるを得ない状況だ。
 いずれにしても、今年のツール・ド・フランスに向けての前哨戦が早くも幕を開けようとしている。今年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネにはコンタドールVSフルームに加え、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでコンタドールを苦しめたホアキン・ロドリゲスやバルベルデも参戦を予定している。本番を前にラルプ・デュエズでどんな闘いを見せてくれるのか、今から実に楽しみである。

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