パリオリンピックが17日間に渡る熱闘に幕を下ろしました。開会式でのセリーヌ・ディオンの「愛の讃歌」に感涙を流したものの、お家芸の柔道で苦戦を強いられ、バスケットボール、バスケットボール、サッカーが続々と予選で姿を消してしまった日本選手団でしたが、終わってみれば金メダル20個で世界3番目のメダル数になっていました。アメリカと中国の40個の半分ですが、対人口比で考えれば圧倒的な数といえるでしょう。
GDPでは世界第3位に甘んじている日本ですが、このスポーツ界での世界3位の奮闘は明るい話題でしょう。経済の低迷も政治不信も吹き飛ばすパワーをスポーツは持っているようです。オリンピック期間中に円高になったのもスポーツの力だったりするのでしょうか?
柔道やバスケットボールなどで疑惑の判定が続きイライラさせられましたが、フェンシングの躍進は柔道の借りをフェンシングで返したような爽快感がありました。母国発祥の競技が逆転した奇妙な構図ですが、母国発祥のお家芸競技であっても、少しでも隙を作るとあっという間に形勢が逆転してしまうのは経済もスポーツも同じなのかもしれません。
今回、競技人口が世界第2位のフランスの柔道人気に圧倒されました。その象徴がリネール選手なのでしょう。開会式では誰かも分からなかったのですが、柔道界とフランス人にとっては超の付く有名人だったようです。4年に一度しか本気で観ることも無い競技なので。東京オリンピックの金メダリストを忘れていても不思議ではありません。
その4年に一度のにわか柔道ファンがこの国では多いはずです。競技人口も減る中で、今後、日本の柔道はどこへ向かって行くべきなのかを考える時期がきているのかもしれません。どうやら日本の「柔道」とオリンピック競技としての「JUDO」には違いがあるようで、技も判定基準も「柔道」ではなく「JUDO」に沿っているというのです。東京オリンピックから正式種目となった日本の「柔道」は半世紀の時を経て、世界の「JUDO」へと変わっていったということのようです。日本人の柔道論は「JUDO」には通用しないことが良く分かった大会でした。
逆にフェンシングは小柄で俊敏な日本人向きの競技で、本格的に強化すれば今回のような結果が残せることも分かりました。バレーボールやバスケットボールの高さの壁に泣かされた日本人ですが、小柄でも俊敏な動きとたゆまぬ努力ができる民族性が加われば強くなれるスポーツがあることが証明されたのは嬉しい限りです。
今回は銀メダル1個に終わったスポーツクライミングもそんな競技のひとつでしょう。ロスでは正式種目になるので、種目数が増えればメダルの数も自ずと増えていくはずです。勿論、東京からメダルラッシュが続いているスケートボードも同様でしょう。
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