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ロードバイクの軽さを考える(1)

2011-03-21 10:43:19 | ロードバイクの軽量化

 ロードバイクにとっては軽さが命と考える傾向が非常に強いと思います。UCIのルールでは、機材の軽量化を目的とした過度の機材競争を防ぐために質量の最低限度を6.8kgと設定しているのに、市場には6kgを切るようなものまで出回っているのが実情です。人と職業として競うことのない、ホビーライダーにとってここまでの軽量化が本当に必要なのかと思ってしまうのは私だけではないでしょう。そこで、今回はロードバイクの軽さの意味を考えてみたいと思います。
Tcr_advanced_sl_se_2011  ご承知のように自転車はフレームを骨格として手足としてホイールやタイヤやハンドルなどが、駆動系としてコンポーネントなど様々なパーツから組み立てられていますが、人間が使用する比較的スピードの出る乗り物としては非常にシンプルな構造になっていますし、ロードバイクはその中でも際立って軽い乗り物です。
 それでも自転車ばかりを見ていると10kgでも重たいと感じるものですが、例えば250ccのオートバイは150kg前後の重量があります。50ccのスポーツバイクでも50kgほどの重量になります。原付バイクと一緒にするなというお叱りの声が聞こえてきそうですね。
 ここで面白い比較をしてみようと思います。250ccのオートバイの最高時速を120km/hとし、ロードバイクの平均速度を30km/hとした場合、重量1kg当たりの速度はどの程度になるかというものです。250ccのオートバイの重量を150kg、ロードバイクの重量を10kgとすると、1kg当たりの速度はオートバイで1.25km/h、ロードバイクは3km/hとなり車重10kgでもオートバイの倍以上の速度比という結果になります。ロードバイクをプロ仕様の6.8kg、平均速度を40km/hとすれば5.89km/hとオートバイの5倍近い数値となります。Fz1_fazer_gt
 この数値を見るとロードバイクは非常にスピード効率の高い乗り物だということが分かると思います。但し、オートバイの場合はエンジン込みの重量なのに対し、ロードバイク単体では非常に軽いものではありますが、走るためにはエンジンつまり人が必要になる訳で、人が乗った状態ではスピード効率は一気に下がることになります。体重70kgの人が乗った場合のスピード効率は原付バイク以下になってしまうのです。
 ロードバイク単体だと重さ10kgのバイクと6kgのバイクでは6kgのバイクのスピード効率が60%もアップするのに対し、このバイクに70kgの体重の人が乗った状態では、スピード効率は一気に6%代にまで低下してしまいます。コンマ数秒を競うレースならともかく、対費用効果を考えればホビーライダーが無闇に車体重量に拘ってもほとんど意味がないことがお分かり頂けるのではないでしょうか?車体を1kg軽くするより、体重を2kg軽くするほうがスピード効率は良くなるのです。勿論、無理なダイエットで体力まで落としてしまえば別ですが、余分な体脂肪はそぎ落とす努力をした方がより効率の良い走り繋がるはずです。1kg軽いバイクに数十万円を投資することを考えれば1kgのダイエットなんて楽チンと感じてしまうのは私だけでしょうか?
Ac_alx440sl_l  ただ、直接駆動するタイヤとホイールは別物と考えざるを得ません。自転車はより小さなギアで大きなホイールを回転させることでスピードを出す乗り物です。例えば68.58cm(27インチ)の紐の先に重りを付けて回転させることを考えてみましょう。重りの重さが500gと1kgでは最初の1回転に必要な力が単純に2倍で済まないことはお分かりいただけると思います。回転数が上がれば慣性が働き徐々に軽く感じられるようになりますが・・・比較的軽いギアでケイデンスを高くして走ることがエネルギー効率を考える上では重要だというのはこの例からもお分かりいただけるのではないでしょうか?これは実際に私がWH-T565をAL-700Xに装着して感じたことです。重量は前後で2,401gとロードバイクにすれば相当重たいフレームですが、坂道以外の場所で不満に思うことは全くありません。これが1kgも軽くなるとすれば坂道が随分楽になるだろうなぁと思っています。Wht56500
 ロードバイクの場合適正なギアを選んでいれば平坦な場所での走行では、振動吸収性などの乗り心地の良し悪しは感じても、ホイールやタイヤの重さを感じることはほとんどないと思います。が、一度坂にかかるとタイヤやホイールの重さが身に染みるようになり、乗り心地などを意識する余裕すらなくしてしまうはずです。これはバックパックを背負って坂道を登るのと同じで、バックパックの中身は少ない方が楽なことは誰でも感じることでしょう。また、きつい坂道を登ったり走ったり場合シューズの重さがとても気になるもです。つまり、坂道の走行を考えればパワーを直接地面に伝えるホイールやタイヤはできるだけ軽い方が楽という結論になりますし、この部位の軽さは、他の部位の軽さとはそれが持つ意味の重さが違うということは知っておいて損はないと思います。

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