焼きたてのフランスパンを買ってきた。美味しくて食べすぎてしまう。
食事時ならともかく間食なのだ。
正月に食べすぎて、少し太ってしまった。
これではいけないので、食べるのはこの辺でやめよう。
そんな時、昔食べた美味しいパンのことを思い出した。
その頃、僕は5,6歳。まだ小学校に上がる前だったので、そんなものだったろう。
鎌倉駅から歩いて10分ぐらいのところに住んでいた。そこから7,8分ぐらいのところにパン屋さんがあった。「マルキ」というパン屋さんだった。我が家では父親の胃が悪かったので、朝はパン食にしていた。それで、そこのパンばかりを買っていた。
その食パンは、今のようにビニールの袋には入っていない。白い紙で包んでくれる。
僕は朝早く、パン屋さんのガラスケースからようやく顔を出して
「食パン一斤ください。8枚に切ってください」と言っていた。
パン屋さんの小母さんは、スライサーで8枚に切ると、白い紙で包んで
「ハイ、できたよ」と、ぼくにくれた。僕は持ってきた買い物かごに入れて、「有難う」と急いで家に帰ったのだ。
「初めてのお使い」のように一人で買い物に行ってきた。
親から任されて買い物に行くのは、少し大人になったようで嬉しかった。
たびたび僕はパンを買いに行ったのだ。
そのパンは、見た目は普通の食パン。イギリスパンのように頭が盛り上がっているわけではなく、デニッシュパンのようにバターたっぷりの層ができているパンでもない。
ごく普通の食パン。
パンの耳は他のパンより、若干固め。でも、噛むと、カリッ,サクッとして、少し甘味を感じる。耳を取って食べることなどしない。
むしろ、耳が食べたい。
中の部分は、真っ白で、しっとりとしている。焼きたては特にそうだが、少し時間がたっても決してパサパサとはしないのだ。
僕はこのパンにはジャムでなく、バターをたっぷりつけて食べた。
このころのマーガリンは今ほど美味しくはなかった。バターに似せてはあったが脂臭いような気がした。
だから、やっぱりバターが良かった。
食べていると、小麦の香りだろうか、とても、芳しい香りがしていたのだった。
また、食べたい。しかし、今はもうこのパン屋さんはなくなってしまった。
朝、暗いうちから起きてパンを焼いていた、小父さんも小母さんも今はもういないのだ。
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食事時ならともかく間食なのだ。
正月に食べすぎて、少し太ってしまった。
これではいけないので、食べるのはこの辺でやめよう。
そんな時、昔食べた美味しいパンのことを思い出した。
その頃、僕は5,6歳。まだ小学校に上がる前だったので、そんなものだったろう。
鎌倉駅から歩いて10分ぐらいのところに住んでいた。そこから7,8分ぐらいのところにパン屋さんがあった。「マルキ」というパン屋さんだった。我が家では父親の胃が悪かったので、朝はパン食にしていた。それで、そこのパンばかりを買っていた。
その食パンは、今のようにビニールの袋には入っていない。白い紙で包んでくれる。
僕は朝早く、パン屋さんのガラスケースからようやく顔を出して
「食パン一斤ください。8枚に切ってください」と言っていた。
パン屋さんの小母さんは、スライサーで8枚に切ると、白い紙で包んで
「ハイ、できたよ」と、ぼくにくれた。僕は持ってきた買い物かごに入れて、「有難う」と急いで家に帰ったのだ。
「初めてのお使い」のように一人で買い物に行ってきた。
親から任されて買い物に行くのは、少し大人になったようで嬉しかった。
たびたび僕はパンを買いに行ったのだ。
そのパンは、見た目は普通の食パン。イギリスパンのように頭が盛り上がっているわけではなく、デニッシュパンのようにバターたっぷりの層ができているパンでもない。
ごく普通の食パン。
パンの耳は他のパンより、若干固め。でも、噛むと、カリッ,サクッとして、少し甘味を感じる。耳を取って食べることなどしない。
むしろ、耳が食べたい。
中の部分は、真っ白で、しっとりとしている。焼きたては特にそうだが、少し時間がたっても決してパサパサとはしないのだ。
僕はこのパンにはジャムでなく、バターをたっぷりつけて食べた。
このころのマーガリンは今ほど美味しくはなかった。バターに似せてはあったが脂臭いような気がした。
だから、やっぱりバターが良かった。
食べていると、小麦の香りだろうか、とても、芳しい香りがしていたのだった。
また、食べたい。しかし、今はもうこのパン屋さんはなくなってしまった。
朝、暗いうちから起きてパンを焼いていた、小父さんも小母さんも今はもういないのだ。
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