「曖済證文之事」第三頁、上の六~七行目
解読 右之趣段々相調見申候得共、双方とも
利害難相分り御座候へ共、右苫草引候
読み 右の趣、段々相調べ見申し候得ども、双方とも
利害相分けり難く御座候えども、右苫草引き候
解説 「右之趣」・・・右に述べた事情。「趣」は二行前の「通」とほとんど同じですが、少し異なる様です。串本町史に倣いました。 「段々」・・・いろいろ。順を追って。 「相調見」・・・相調べ見。「調見」と言う熟語は有りませんが、「いろいろ調べて見る」と言う意味に解釈しておきます。 「申候得共」・・・申し候えども。いろいろ調べて見たが。 「利害」・・・利益と損害と。 「難相分り」・・・相分けり難く。「分かち難く」が本当ですが、「分り」と言う送りカナが付いているので、「分けり難く」と読みました。利害は分け難い。 「御座候へ共」・・・でございますが。 「右」・・・右に述べた。 「苫草」・・・読むのは困難です。 「引候」・・・引いた(場所)。