「曖済證文之事」第五頁、上の九~十行目
解読 候得者、田并浦と書付有之候を、重而修覆
之節田并上下と相糺シ申筈相極メ申候。
読み 候えば、田並浦と書き付けこれ有り候を、重ねて修覆
の節、田並上下と相ただし申す筈、相決め申し候。
解説 (持ち合いの儀に)候得者・・・そうらえば。「候」はともかく、「得」も「者」も難しい崩し方です。文章の流れで読みましょう。tの様な字が「者」・・・「は」です。 「田并浦」・・・田並浦。 「書付」・・・「書」の崩し書体は形で覚える字。 「有之候を」・・・「之」の次の点が「候」です。田並浦と書き付けているのを。 「重而」・・・重ねて。再度。 「修覆」・・・修理。修繕。 十行目は用紙の継ぎ目で中央に線が入ったように映っています。御判読下さい。 最初は「之節」・・・の時。の際。 「田并上下」・・・田並上下。田並かみしも。 「相糺シ」・・・相正し。正しくする。 「申筈」・・・正しくすると言う約束。取り決め。 「相極メ申候」・・・決めました。
文意、お宮の棟札に、田並浦とのみ書き付けた件は、お宮の棟へ納めている状態なので、其の通りにして置く。但し、田並上下持ち合いであるので、田並浦と書き付けているのを次回修復の際に田並上下と修正する約束をし、取り決めた。