狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

閑寂の中に独立し、心に礎を据え成熟する・・・「孤独の価値」を読む

2016-05-08 08:56:04 | 孤独・独立・自尊心
 孤独は、その活用次第では、高い値打ちを存するものに成り得る。孤独によって自由を手に入れる事が出来るが、それには前提条件が有る。
 自由の行き過ぎ、履き違えとならぬように、外からの法律等による制約だけでは無く、自分自身の内に、自律意識、高い理性、高い道徳感が必要となる。それら自律・道徳・理性を形作る基となるのが。確固たる真実の規範である。その規範たるものは、相対的に優れているというレベルでは無く、絶対的なもので、最高のものである。またその様な規範に準ずるものとしては、長い歴史とその上で培われて来た伝統・文化を基にする事である。また、高い教養と知識も、その意識形成には必要である。
 その規範を基にして、心に土台が築かれて固く存在している事が、孤独でいる事の前提条件として必要である。
 自由には責任が伴う。同様に、権利には義務が伴う。孤独である一方で、公共の秩序を乱さず、迷惑を掛けず、道徳秩序も乱さず、罪を犯さない事が必要となる。
 それらの条件を満たした上で、自分の内面を高める為の、修養・修練を行う。勉強、読書、研究、芸術、詩、創作を行う。
 静寂の中で自分と向き合い、内省し、思索し、自分の思想・哲学を持つ。この事が、自立意識と独立精神に繋がり、自尊心、自信、自分の誇りに繋がる。友達を安易に作って依存し甘えようとせず、自分で努力する事が大事である。友達や恋人、金よりも、自分の思想を持って自立する事が必要である。
 「孤独の価値」(著者:森博嗣氏、出版社:幻冬舎、出版日:2014/11/30)を読んだ。
 孤独の静寂・閑寂からは、侘び寂びの美意識が生まれ、飾らず、シンプル、質素、簡素の価値を認識し、清貧の思想を得る。精神的に成熟し、自分で考え自分で判断出来る、精神的に自立して真の大人になる。
 世間一般的多数派の群れにおいての喧騒の中にいると、それらの事は不可能である。その群れ・集団から離れて、独りで立つという「独立」が必要である。
 私は釣りを趣味として持っているが、独り波打ち際に座って海を眺めながら、その波の音、波しぶきが散って含まれた空気を吸いながら、精神はリラックスされて浄化される。森林浴も同様で、その波打ち際にはα波やマイナスイオンがその効果を促している。世間・社会・都会の喧騒から離れて、その様な自然の中に独り身を置く事で、心身をリセットする事が出来る。
 最近は、個人でも生きやすくなっているという。私も著者と同様、インターネットを利用しての通信販売を利用している。食品や石鹸・洗剤等、農薬・化学肥料不使用の有機栽培されたものや、化学合成添加物が無添加のものを近くのスーパーで探してもなかなか見当たらず、あまり店頭には置いていない。また、本の購入においては、予め希望の本がある場合には検索にて直ぐに見つかり、インターネットのクッキー(Cookie)機能によって、それまでの検索履歴から自動的に推測された、それらの趣向に見合った、関連した本が紹介される為に、便利に感じている。
 ところで、その世間一般的多数派の世論を形成し、また誘導しているのが、テレビ等のマスコミである。マスコミはその世間一般的多数派の人たちを洗脳し、ドラマ等では感情を動かすという「感動」をさせて、ある方向に目と頭を偏向させて、偏見を持たせて煽動している。マスコミは、綺麗事、偽善、美化、幻想、虚構によって、感情を操作しているのである。そして、「感情」を優位にさせて、大事な「思想」を失くす方向に導いて来たのである。
 孤独である事は「独立」する事である。マスコミや世間一般的多数派に影響されない独立状態に居るのである。そしてそれらを客観視して批判し、決してそれらには従わないのである。

  本ブログ過去の関連記事
  ・2013/04/08付:「唯一の創造主に従いながら、此の世に在っては『独立自尊』の精神を」
  ・2013/11/24付:「自由で自然なマイペースの自分を取り戻す為の、独り静かな食事・・・『孤独のグルメ』を読んで」
  ・2014/05/18付:「『独行道』・・・流浪・孤独の境涯を渡った宮本武蔵・・・『宮本武蔵 剣と人―遺書『独行道』に秘められたその実像』を読んで」
  ・2014/06/29付:「『『普通がいい』という病』を読んで・・・絶対的基準・規範も持たずにお互いの顔色・反応を確かめて『普通』と認め合っているに過ぎない世間の人達」
  ・2014/08/06付:「奴隷根性を持たないパレスチナ人が不義・不正のイスラエルに対して抵抗・反抗するのは正当・・・イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙(3)」
  ・2014/08/26付:「独立心の強いパレスチナ人は決して妥協せず抵抗・反抗を続ける・・・イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙(15)」
  ・2015/08/13付:「自分のアイデンティティを重んじ自尊心を高める事が自信・誇りとなり、ひとりで生きる強さとなる」
  ・2015/08/13付:「独立を維持し自尊心・自信を持ちつつ自分の弱さを認め謙虚である事による力・・・『負ける力』を読んで」
  ・2015/11/29付:「精神的に自立した本当の大人は自分で勉強する・・・セックスを基準に大人と判断する世間の低レベル」
  ・2016/04/10付:「独立自尊の精神で孤往独邁の覚悟・・・妥協せず精神面での勝利、『自分を取り戻す』」

 参考文献
「孤独の価値」(著者:森博嗣氏、出版社:幻冬舎、出版日:2014/11/30)
「孤独の価値」(著者:森博嗣氏、出版社:幻冬舎、出版日:2014/11/30)

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