総タイトル:【占領下、米国の押しつけの「近代化」・・・農薬、化学、ガン治療・・・「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた『沈黙の夏』」を読んで】
養蜂家の怒りは勿論、戦後レジームに対する怒りが含まれた本を読みました。
「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた『沈黙の夏』」(著者:船瀬俊介氏、出版社:三五館、出版日:2008/5/22)
「蜂群崩壊症候群(CCD)」。一夜にして死骸を残す事も無く、ミツバチが原因不明に大量に失踪する現象の事です。原因として電磁波や遺伝子組み換え食物等が挙げられていますが、有機塩素系殺虫剤や有機リン系殺虫剤でもない「ネオニコチノイド」が原因とされて、フランスが2006年に使用禁止の最高裁判決を出した事を始めとして、デンマーク(2000年)やドイツ等のヨーロッパで使用禁止が広がって来ています。しかし、日本では全く規制の考慮にも入っていません。「新しいニコチンの様な物質」です。ニコチンは、たばこに含まれている物です。
有機塩素系殺虫剤や有機リン系殺虫剤が発癌性や催奇形性等を含む為に問題になった事から、其れに代わる農薬としてネオニコチノイドが登場しました。しかし、そのパッケージには「ミツバチ・カイコを飼っている付近では使用しない事」と注意書きがされています。ミツバチが少なくなる事により、ミツバチの媒介による受粉での繁殖が難しくなって、その事を必要とする植物が少なくなり、食料飢饉にも繋がる事にもなります。水溶性が有り、土壌深くに浸透し、野菜や果物がその土壌から水分を吸収する為に、その食物表面を洗っても内部に残留します。
ヨーロッパで禁止されている農薬を日本でその余剰分を売ろうとしているのか、製薬会社の利権、其れに繋がる農林水産省の官僚、農水族の政治家、農協等、その利権構造によって、一般庶民の健康や命よりもお金儲けしか考えていない様です。この事は、医療におけるガン治療(抗がん剤や放射線治療)やワクチン接種と同じ様な内容・構造です。著者はこれらの事を、「農薬マフィア」「ガン・マフィア」と呼んでいます。農薬メーカーも医薬メーカーも同じです。
日本からネオニコチノイドの農薬を中国に輸出し、其れを使用して栽培されて輸入された茶葉には、それが80ppm残留している物も在ります。日本の茶葉における残留基準値は50ppmとされています。小エビは1ppmで死に、土壌の有益な生物であるミミズは、0.05ppmで遺伝子の損傷が起きて死んでしまいます。そして、ミツバチはたった0.2μgだけで死んでしまいます。
かつての農薬は100~数百m程の範囲に影響が出ましたが、ネオニコチノイドは4km程の範囲にまで広がって影響が出てしまいます。ミツバチは方向感覚、神経回路が狂わされて、巣の周辺に死骸が見つかる事も無く消え去ってしまいます。
害虫は耐性を獲得し、製薬メーカーは更に強力な農薬を開発し、害虫は更に強い耐性を獲得すると言うイタチゴッコが延々と続いて、土壌は延々と悪くなっていくばかりです。農家は効かない農薬よりもより効き目のある農薬を使おうとする為に、製薬会社の利益に繋がります。農薬は害虫を絶やすだけではなく、ミミズ等の益虫も絶やしてしまいます。又、益虫の死骸やふん等も残らずに、且つ化学肥料ばかり使う為に土壌はやせていくばかりです。水分は地下深くまで浸透し、また農地から河川や湖、そして海に流れ出て、プランクトン等の水生生物も居なくなります。それら食物連鎖の下位に存在する生物の死滅で、上位の鳥や魚も絶えてしまい、人間の食料飢饉に繋がります。
米は農家が出荷する時に検査が有り、カメムシによる斑点が有る場合に商品価値が下がるという理由から二等米、三等米にランクを落とされ、安く買い叩かれてしまいます。しかし、その後に選別機械の光センサーによって斑点の有る米粒を取り除き、ランクに関係なく混ぜてしまって、原価に大きな差額を加えた上で消費者に売られています。その差額分から、農協、官僚、政治家に回っています。其の為に、農家は斑点米を出さない様にしようとして、農薬のネオニコチノイドをより多く使っています。しかし斑点の出る割合は小さく、光センサーで選別出来る為に、その事の為に農薬を使う必要性は有りません。つまり、先述の製薬メーカーを始めとした利権構造が浮かぶ訳です。巨大資本を持つ製薬メーカーはマスコミ等にも圧力をかけて、其の利権を守ろうとしています。消費者を保護してくれるはずの生協も、国や自治体、製薬会社の言う事を鵜呑みにして信じてしまい、低農薬に繋がる等と言われて受け入れています。ネオニコチノイドの危険性が解っていません。
戦後の占領下の1947年にアメリカによって農協が設立されましたが、化学肥料や合成化学殺虫剤の農薬がもたらされました。有機リン化合物は化学兵器に使用され、サリンやVXガス等が存在します。有機リン系殺虫剤は第二次大戦前後から使われていますが、元々その神経ガスは軍事利用の為に開発された様な物です。そしてそれを応用して、農薬や家庭用殺虫剤を産み出しました。又、DDT等の有機塩素化合物も同様に人間にも影響を与え、化学兵器も作られました。洗剤や住宅の建材、食品添加物、プラスチック等、石油由来合成化学物質が生活用品・食品にあふれる様になり、化学物質過敏症等の健康被害が多く起こっています。石油由来合成化学製品も化学薬品も、アメリカの石油メジャーの利権に繋がっています。更に健康被害が製薬メーカーの利益に繋がります。
動物・植物が絶やされ、人間においても生殖障害や精神障害、遺伝子損傷、発癌等が起こります。又、頭痛、不眠、食欲不振、倦怠感等の不定愁訴、自律神経失調症、更年期障害、うつ等の現代病の原因に化学物質過敏症等が考えられます。又、乳幼児期や幼少時に化学物質に被爆すると、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害等の発達障害に繋がる事も考えられます。空気や飲食物、化粧品、石鹸等から経口・経鼻・経皮的に摂取し、身体の免疫系・体液系(ホルモン)・神経系を犯して、生体の恒常性が損なわれて様々な症状となって表れます。これらに対して精神薬等を処方され、効かないばかりか代謝されずに体内に残留する事も有り、症状が慢性化するばかりか副作用が出たり余計に悪化する事も有ります。そしてそれが、製薬会社の利益に繋がります。因みに巷で疑われている、パソコンのアンチウイルスソフトのメーカーが自らウイルスをばらまいて、それに対応するウイルスパターンを持っているソフトを売っている事と同じで、バージョンアップをして毎年更新しないとより強力になっているウイルスに効かなくなってしまう事と同じ構図です。セキュリティーを高める為のバージョンアップの繰り返しで、ソフトのメーカーは利益を揚げ続ける事が出来ます。一度購入してしまうと必要無くなるのではなく、常にメーカーが利益を揚げられる様に考えられている訳です。ものづくりにおいても、余り耐久性の有る物を作ってしまうと長持ちして修理する事も無く買い替える事も無くなってしまう為に、儲からなくなってしまいます。全て同じ事です。
著者が薦める「自然農法」として、石灰、酢、自然由来の天然農薬、海水、木酢液、混植、天敵・生物農法、光農法、酵母、米糠、散水、天ぷら廃油等を挙げています。又、住宅に天然の建材を使ったり、殺虫剤に天然除虫菊(ピレスロイド)等を使用する事等を薦めています。ピレスロイドは衣類の防虫剤や蚊取り線香に使用されていますが、これには、ハロゲン(塩素、フッ素、ヨウ素、臭素等)が入っていません。又、揮発した後に速やかに分解・失活します。そして、屋上緑化や壁面緑化、天然木造住宅、そして屋上での養蜂を挙げています。
著者は元々、九州の田園地帯の田舎で育ち、農業とも触れ合って来ました。二毛作、三毛作、牛の引く鋤、麦踏み、レンゲの緑肥、フナ、アメンボ、タニシ、ツチガエル等、牧歌的な環境で幼い頃を過ごしました。その様な経験が身に染みる記憶として残っている事と、優れた洞察力の才能から、食品・健康・環境問題においてのジャーナリストとしての活躍に表れている様に思います。
その場しのぎで一時的な利益を揚げる事ばかり考えず、自然環境も人間も悪化する事無く、100年、200年、もっと先まで続ける事が出来る、ゴミの極力出ない、有限エネルギー・資源を減らす事の無い、永遠に持続可能な生命の循環システムの構築が必要です。
養蜂家の怒りは勿論、戦後レジームに対する怒りが含まれた本を読みました。
「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた『沈黙の夏』」(著者:船瀬俊介氏、出版社:三五館、出版日:2008/5/22)
「蜂群崩壊症候群(CCD)」。一夜にして死骸を残す事も無く、ミツバチが原因不明に大量に失踪する現象の事です。原因として電磁波や遺伝子組み換え食物等が挙げられていますが、有機塩素系殺虫剤や有機リン系殺虫剤でもない「ネオニコチノイド」が原因とされて、フランスが2006年に使用禁止の最高裁判決を出した事を始めとして、デンマーク(2000年)やドイツ等のヨーロッパで使用禁止が広がって来ています。しかし、日本では全く規制の考慮にも入っていません。「新しいニコチンの様な物質」です。ニコチンは、たばこに含まれている物です。
有機塩素系殺虫剤や有機リン系殺虫剤が発癌性や催奇形性等を含む為に問題になった事から、其れに代わる農薬としてネオニコチノイドが登場しました。しかし、そのパッケージには「ミツバチ・カイコを飼っている付近では使用しない事」と注意書きがされています。ミツバチが少なくなる事により、ミツバチの媒介による受粉での繁殖が難しくなって、その事を必要とする植物が少なくなり、食料飢饉にも繋がる事にもなります。水溶性が有り、土壌深くに浸透し、野菜や果物がその土壌から水分を吸収する為に、その食物表面を洗っても内部に残留します。
ヨーロッパで禁止されている農薬を日本でその余剰分を売ろうとしているのか、製薬会社の利権、其れに繋がる農林水産省の官僚、農水族の政治家、農協等、その利権構造によって、一般庶民の健康や命よりもお金儲けしか考えていない様です。この事は、医療におけるガン治療(抗がん剤や放射線治療)やワクチン接種と同じ様な内容・構造です。著者はこれらの事を、「農薬マフィア」「ガン・マフィア」と呼んでいます。農薬メーカーも医薬メーカーも同じです。
日本からネオニコチノイドの農薬を中国に輸出し、其れを使用して栽培されて輸入された茶葉には、それが80ppm残留している物も在ります。日本の茶葉における残留基準値は50ppmとされています。小エビは1ppmで死に、土壌の有益な生物であるミミズは、0.05ppmで遺伝子の損傷が起きて死んでしまいます。そして、ミツバチはたった0.2μgだけで死んでしまいます。
かつての農薬は100~数百m程の範囲に影響が出ましたが、ネオニコチノイドは4km程の範囲にまで広がって影響が出てしまいます。ミツバチは方向感覚、神経回路が狂わされて、巣の周辺に死骸が見つかる事も無く消え去ってしまいます。
害虫は耐性を獲得し、製薬メーカーは更に強力な農薬を開発し、害虫は更に強い耐性を獲得すると言うイタチゴッコが延々と続いて、土壌は延々と悪くなっていくばかりです。農家は効かない農薬よりもより効き目のある農薬を使おうとする為に、製薬会社の利益に繋がります。農薬は害虫を絶やすだけではなく、ミミズ等の益虫も絶やしてしまいます。又、益虫の死骸やふん等も残らずに、且つ化学肥料ばかり使う為に土壌はやせていくばかりです。水分は地下深くまで浸透し、また農地から河川や湖、そして海に流れ出て、プランクトン等の水生生物も居なくなります。それら食物連鎖の下位に存在する生物の死滅で、上位の鳥や魚も絶えてしまい、人間の食料飢饉に繋がります。
米は農家が出荷する時に検査が有り、カメムシによる斑点が有る場合に商品価値が下がるという理由から二等米、三等米にランクを落とされ、安く買い叩かれてしまいます。しかし、その後に選別機械の光センサーによって斑点の有る米粒を取り除き、ランクに関係なく混ぜてしまって、原価に大きな差額を加えた上で消費者に売られています。その差額分から、農協、官僚、政治家に回っています。其の為に、農家は斑点米を出さない様にしようとして、農薬のネオニコチノイドをより多く使っています。しかし斑点の出る割合は小さく、光センサーで選別出来る為に、その事の為に農薬を使う必要性は有りません。つまり、先述の製薬メーカーを始めとした利権構造が浮かぶ訳です。巨大資本を持つ製薬メーカーはマスコミ等にも圧力をかけて、其の利権を守ろうとしています。消費者を保護してくれるはずの生協も、国や自治体、製薬会社の言う事を鵜呑みにして信じてしまい、低農薬に繋がる等と言われて受け入れています。ネオニコチノイドの危険性が解っていません。
戦後の占領下の1947年にアメリカによって農協が設立されましたが、化学肥料や合成化学殺虫剤の農薬がもたらされました。有機リン化合物は化学兵器に使用され、サリンやVXガス等が存在します。有機リン系殺虫剤は第二次大戦前後から使われていますが、元々その神経ガスは軍事利用の為に開発された様な物です。そしてそれを応用して、農薬や家庭用殺虫剤を産み出しました。又、DDT等の有機塩素化合物も同様に人間にも影響を与え、化学兵器も作られました。洗剤や住宅の建材、食品添加物、プラスチック等、石油由来合成化学物質が生活用品・食品にあふれる様になり、化学物質過敏症等の健康被害が多く起こっています。石油由来合成化学製品も化学薬品も、アメリカの石油メジャーの利権に繋がっています。更に健康被害が製薬メーカーの利益に繋がります。
動物・植物が絶やされ、人間においても生殖障害や精神障害、遺伝子損傷、発癌等が起こります。又、頭痛、不眠、食欲不振、倦怠感等の不定愁訴、自律神経失調症、更年期障害、うつ等の現代病の原因に化学物質過敏症等が考えられます。又、乳幼児期や幼少時に化学物質に被爆すると、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害等の発達障害に繋がる事も考えられます。空気や飲食物、化粧品、石鹸等から経口・経鼻・経皮的に摂取し、身体の免疫系・体液系(ホルモン)・神経系を犯して、生体の恒常性が損なわれて様々な症状となって表れます。これらに対して精神薬等を処方され、効かないばかりか代謝されずに体内に残留する事も有り、症状が慢性化するばかりか副作用が出たり余計に悪化する事も有ります。そしてそれが、製薬会社の利益に繋がります。因みに巷で疑われている、パソコンのアンチウイルスソフトのメーカーが自らウイルスをばらまいて、それに対応するウイルスパターンを持っているソフトを売っている事と同じで、バージョンアップをして毎年更新しないとより強力になっているウイルスに効かなくなってしまう事と同じ構図です。セキュリティーを高める為のバージョンアップの繰り返しで、ソフトのメーカーは利益を揚げ続ける事が出来ます。一度購入してしまうと必要無くなるのではなく、常にメーカーが利益を揚げられる様に考えられている訳です。ものづくりにおいても、余り耐久性の有る物を作ってしまうと長持ちして修理する事も無く買い替える事も無くなってしまう為に、儲からなくなってしまいます。全て同じ事です。
著者が薦める「自然農法」として、石灰、酢、自然由来の天然農薬、海水、木酢液、混植、天敵・生物農法、光農法、酵母、米糠、散水、天ぷら廃油等を挙げています。又、住宅に天然の建材を使ったり、殺虫剤に天然除虫菊(ピレスロイド)等を使用する事等を薦めています。ピレスロイドは衣類の防虫剤や蚊取り線香に使用されていますが、これには、ハロゲン(塩素、フッ素、ヨウ素、臭素等)が入っていません。又、揮発した後に速やかに分解・失活します。そして、屋上緑化や壁面緑化、天然木造住宅、そして屋上での養蜂を挙げています。
著者は元々、九州の田園地帯の田舎で育ち、農業とも触れ合って来ました。二毛作、三毛作、牛の引く鋤、麦踏み、レンゲの緑肥、フナ、アメンボ、タニシ、ツチガエル等、牧歌的な環境で幼い頃を過ごしました。その様な経験が身に染みる記憶として残っている事と、優れた洞察力の才能から、食品・健康・環境問題においてのジャーナリストとしての活躍に表れている様に思います。
その場しのぎで一時的な利益を揚げる事ばかり考えず、自然環境も人間も悪化する事無く、100年、200年、もっと先まで続ける事が出来る、ゴミの極力出ない、有限エネルギー・資源を減らす事の無い、永遠に持続可能な生命の循環システムの構築が必要です。
悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の夏」価格:¥ 1,470(税込)発売日:2008-05-22 |
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