狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

自立せず「自助」の努力を怠り安易に「共助」に依存するのは本末転倒である・・「友だちはいらない」を読む

2016-05-08 10:13:26 | 孤独・独立・自尊心
  ズバリ、このタイトルに共感し読んだ。
 「友だちはいらない。」(著者:押井守氏、出版社:東京ニュース通信社、出版日:2015/05/10)
 また、帯に在る「世間の価値観に『NO』を叩きつける」にも非常に共鳴した。
 友達を安易に作るよりも、先ず自分で勉強し、自分で考え、自分で判断し、自分で行動するという、「自立意識」を持つ事が大事である。最初から安易に他人に頼らずに、自分で努力する事が大事である。精一杯に自分独りで努力した後に、不足する部分を他人に補ってもらう順番が大事である。「自助」を怠り「共助」を求めるのは本末転倒であり、それは単なる甘えである。以上の様に、無欲恬淡に孤往独邁していく覚悟の私は思うのである。
 私は「自分の価値観」として、友達も恋人もいらないと、今に至っては正直その様に思っている。また、群れる事が元来から嫌いである。
 友達も恋人もいない孤独である事をおかしいと思うのであれば、勝手に笑っておけと思っている。笑われたからと言ってその様な低俗な事を気にする訳が無い。また、笑われたからと言って、それによって私が笑った相手に媚びへつらい迎合して友達や恋人を作ろう等とは全く考えない。つまり、笑われたところで、私は今後も変わる事は絶対に無い。自分に自信が有れば、人の反応や評価、顔色、中傷、雑音等に影響されず、振り回されず、逆にそれらに対しては、却って見下す事が出来るぐらいである。
 確乎不動たる自尊心、誇り、自信があれば、自分がおかしいのでは無く、却って著書も言っている通り「世間がおかしい」と思える様になるのである。
 「中傷」とは「根拠のないことを言いふらして、他人の名誉を傷つけること。」と辞書に在る(デジタル大辞泉より)。
 孤独である事がなぜおかしいことなのか、理由を述べてみろと思う訳であるが、理由も無く笑っているのである。そもそも孤独である事を笑う理由は全くないのである。その笑うと言う評価の裏付けとなる理由が存在しないのである。その笑いに根拠・証明が無いのである。証明の無いものを信じる事によって、騙される訳である。
 一方、孤独は良くないと著者は言っている。しかし私は孤独は値打ちの高い良いものであると解釈している。孤独は、自分の内面を見つめ、黙想し、思索し、読書し、勉強し、修行し、訓練・鍛錬し、祈り、教養を高め、心身を修養し、信仰を深める事が出来るのである。但し勿論、孤独の自由には公の秩序を乱してはならない責任が伴う。また、高い道徳心と自律意識、規範を持つ事が必要である。
 「当たり前の事を疑問に」と言っている。つまり、世間一般に存在する常識や空気、雰囲気を疑えと言っている訳であるが、それらは決して正しい訳では無いのである。同様に理由もなく、自分で判断せず、世間の多くの人達はそれらに従っているのである。
 本ブログの2016年4月10日付の記事「確たるベース・根拠の裏付け無き世間の低次元の評価を恐れる事により偽善・欺瞞・裏切りの罠に陥る」より以下に引用する。

 「旧約聖書・箴言29章25節
   人を恐れるとわなにかかる。
   しかし主に信頼する者は守られる。

 人を恐れるとは、人の雑音に値する様な言葉を聞き入れたり、人に嫌われない様にしようと努めたり、人から笑われない様にしようと努める事で、その様に人からの評価・承認を求めようとする事である。その様にして他人の評判や反応、顔色を気にして、それらを当てにして、基準にして言動に繋げる事は、偽善行為を自ら行う事や欺瞞や裏切りを被る「わな」に繋がるのである。 
 そして続く26節には、

 同書・29章26節
   支配者の顔色をうかがう者は多い。
   しかし人をさばくのは主である。

 世間の大多数の人達にとっての支配者は、周囲の人・他人である。周囲・他人の評価・反応が支配者となっているのである。その周囲の人を恐れているあまりに周囲の人に従っているのである。自分の思いでは無く、周囲の人・他人の考えに同調して行動し、発言しているだけである。つまり、他人から批判やバッシング、嘲笑等をされて裁かれる事を恐れているのである。しかし、それらの裁きは間違いである。
 世間の多くの人達は、周囲・他人を自分の支配者として崇め拝んでいる奴隷状態にいるのである。そして自分自身を失くしてしまい他人になってしまっているのである。
 他人の評価・承認は当てにならない。他人の評価・承認には、正しい裏付け・証明が存在しない。根拠・基準が無い。明確な理由が無い。それらの事が解ると、人を恐れる事は無くなるのである。
 そもそも、評価・承認をする側の世間の多数派の人達の持っている教養レベル・知識レベル・思考レベル・判断レベルを見ていけば、如何に低レベルであるかが解るものである。その低レベル・低次元から生じる評価や承認が如何に低レベル・低次元な評価・承認であるかが解るものであり、その様なものが馬鹿げていて如何に間違っているかという事に気が付くものである。
 また、周囲・他人の常識・空気・雰囲気を基準・根拠にし、「みんなが言っている事だから」、「みんながやっている事だから」という理由だけで、評価・承認に繋げているだけなのである。みんながみんな間違った事をしていても、それが常識化するのである。自分自身の内に考え・主義・主張が存在せず、付和雷同しているだけなのである。組織等の或る枠内・範囲では、その様な常識化・空気・雰囲気が形成され易い。空気や雰囲気は「空(から)」である。その空である存在のものに、多くの人達は支配されているのである。」

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  ・2014/06/29付:「『『普通がいい』という病』を読んで・・・絶対的基準・規範も持たずにお互いの顔色・反応を確かめて『普通』と認め合っているに過ぎない世間の人達」
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  ・2016/05/08付:「心に絶対的規範由来の礎を存する独立自尊の精神を持つ力・・・『孤独の力』を読む」

 参考文献
「友だちはいらない。」(著者:押井守氏、出版社:東京ニュース通信社、出版日:2015/05/10)
「友だちはいらない。」(著者:押井守氏、出版社:東京ニュース通信社、出版日:2015/05/10)

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