2021年はほんとに変化が見えた年だったと何度か書いたけど、そんな中、アメリカでは来年の中間選挙に向けてWashington Post/ABC News の世論調査が出てきた。
それによれば、誰も驚かないと思うけど、バイデンの仕事に対する承認の率が記録的に低いのだそうだ。
それにより、2022年の中間選挙では共和党に投票すると言う人が、民主党だと答えた人より10%多くなっている、というのが話題になっている。
こんなに開くとは、とメディアは書くわけだけど、でも考えようによっては、このグダグダの連続を経てもなお、こんなもんなのかとも言えると思うな。
その前に、そもそもそうでなくても投票率の低いアメリカの選挙が、さらに低くなっていくんだろうな、と思ってみたりもする。
しかしそんなことはまるで関係ないかのように、アメリカが誇る主要メディアが、世界中の子分に全部同じ記事を書かせて、民主党の失政が影響しましたね、やはり、とかなんとか言って、共和党の勝利は民主主義が機能している証拠だ、とか書くんじゃないかと想像する。予定原稿書いちゃう?
日経は、惨敗の悪夢かもしれないとかなんとか書いてるけど、これはそういう「民主主義は機能している」とかいうシナリオに向けた路線かもよ、とか言ってみたい。
バイデン氏、よぎる中間選挙「惨敗」の悪夢
■ 策略が走ってる感がいっぱい
The Economistは、アメリカの政治の混乱を前に、中国がアメリカ式民主主義より一党システムの方が優れていると習近平が言っているという記事を書いている。
China’s leaders see America’s mid-term elections as an opportunity to flaunt the merits of one-party rule over American-style democracy https://t.co/3eChpiKaPJ
— The Economist (@TheEconomist) November 8, 2021
ちょっと笑ってしまうのは、実のところ、これは習近平さんが出てくるずっと前から、これらアングロ勢の懸念だから。
2008年のリーマンショックの時、既にこんなことをやっていた。
こういう政治的危機が来ると、中国やソ連(もうなかったんだが)みたいなシステムの方がいいという見解が来る、しかし我々は、それでも民主主義を選ぶ、民主主義にはいろいろ欠点がある、しかし悪い中で最高なんだ、とチャーチルは言っていたではないか、みたいなことをメディアが書いたり、言ってたりした。
1929年のアメリカ発の経済危機の後で、多くの人がソ連の方がよくないか???みたいに言い出したことを懸念すべきなのだ、こうなってはいけないのだ、みたいに続いていたりもしたけど、私としては、西側支配者層にとっての「トラウマ」なんだろうなと思った。
実際、1929年以降のアメリカは、株式市場の混迷からの危機があり、そういう中で、追い打ちをかけるように「ダストボウル」現象という砂嵐が農民を痛めつけ、中西部の農業地帯が大混乱、部分的には崩壊状態だっため、このままでいいわけがない、といった感じで社会変革を求める機運みたいなものが情勢されていったと言っていいんじゃないかと思う。まして、砂嵐は突如吹いたというより、農地の使い方が悪かったことがそもそも問題だったと言われているので、無軌道にやってたらこうなる、といった具合に国家管理の不足を示唆していたというのもあるんじゃなかろうか。
ダストボウルは、今ではすっかり忘れられている感じがあるけど、文字通り生活が成り立たなくなった人たちが出てきたわけだから、これはかなり大きな混乱をもたらした重要な問題だった。
wikiにはこうある。
世界恐慌に加えてこの災害の被害を受けたことで、テキサス州、アーカンソー州、オクラホマ州などグレートプレーンズでは多くの土地で農業が崩壊し、農家は離農を余儀なくされた。350万人が移住し、多くは職を探しにカリフォルニア州などの西部へ移住した。
移住は非常に大規模であった。オクラホマ州では15%の人口がカリフォルニア州だけではなく、テキサス州、カンザス州、ニューメキシコ州へ移住した。オクラホマ州からの移住者である彼らは、少なくとも30万から40万人と見積もられる。彼らは「オーキー(英語版)(Okie)」と呼ばれ、この呼称は現在でもまだ軽蔑的なニュアンスで使用される。
この混乱の時期に当選したフランクリン・ルーズベルト大統領は就任後最初の100日間に、砂嵐対策の土壌保護政策を取ったことでも知られている。
■ 罰当たり
で、ここらへんを考えてみると、アメリカの右派が戦後に作った、共産主義者が扇動して共産主義者を増やした、ルーズベルトはコミー、みたいな話というのは、本当ではないと言わないとならないでしょう。
大雑把にいって、国らしい国ではなかったアメリカ、食えないなら死ねという方針しかなかった地にあって、まして、その多くはヨーロッパで食えないからアメリカに来た人たちだった中で、そうじゃない方法だってあるんじゃないか、というのは何ほどか希望だったんだと思う。
それを、後から見て、ソ連にはこういう悪いことがあり、あれも失敗、これも失敗、だからそんなものの希望を見た奴は馬鹿、というのは、実に罰当たりだと思う。
また、1920年代後半には、アメリカの黒人でソ連に渡ってソ連に住んだ人たちがまとまった数いることが知られている。
Stories of black Americans, who fled to the USSR to escape race discrimination | RT Documentary
アメリカでは自分たちには希望はない、だったら賭けてみよう、と思ってソ連に行って暮らした人たちの物語。彼らは冷戦後アメリカに戻ってみたけど、でも何か違うともう一回ロシアに戻った人たちもいた。
今どうなってるかチェックしてないけど、この動画の初期のコメント欄は、アメリカの黒人の人たちが、こんな歴史は知らなかったという感激コメントで一杯になっていた。また、その中で、自分のおじいさんが、近くの人でソ連に行った人がいたと言っていた、それはきっとこの中の人たちだ、とか書いてる人もいて、何かこう歴史が繋がったような思いで読んだ。
とはいえ、共産主義者という名前は同じでも、ソ連はトロツキーを追い出して、マザーランドを守るスターリンと共に歩む方向に向かったので、米ソでは早い段階から異なる展開をしていった。妥協できるわけもないとも思う。つまり、むしろ、敵同士だね。
とかとか、いろいろ雑駁な話を書いたけど、戦後に作ったイデオロギーに拘ってものを見すぎるのはよくないと改めて思う。
■ オマケ:新しいノーマルを
で、私はこういう選挙によって国の代表者を選んで私たちの国をマネージするという制度を守りたいと思っている。
だがしかし、同時に、これはThe Economistを代表例とする資本家集団が推奨している制度なのだ、という点を見逃すべきではないと思う。どうして推奨するかといえば、カラー革命をしかければ傀儡作れると知ってるからでしょ。基本は、買弁なんだろうと思うんですよね。
買弁(ばいべん)は、清朝末期の1800年代から1940年代にかけて、欧米列強(銀行や商社)の対中進出や貿易を支援した中国人商人のこと。転じて、外国資本に追随し、自国の利益を損なうような行為や人物のことを指す。例:「買弁的な行為」。
であれば、一般人の方は、それに対して対策していかないとならない、カラー革命に負けないような対策を取る、と考えるべきでしょう。どう考えても、巨大資本家集団が一般人に心をくだくことはないんだから。
https://www.nytimes.com/2021/05/07/us/california-population-loss.html
コロナによる死者の増加が原因なんて、真っ赤な嘘。
私の知人は、過酷なロックダウンに耐えられず、他州に引っ越した。
今や、二大政党制は分割統治のツールにすぎない。
それでも、今私は来年の中間選挙を一日千秋の思いで待っている。
ワクチン証明がなければ職場、学校、病院にも行けない。ジムにもレストランにもおちおち行けない。力ずくでワクチンを強制する暴力。私は持病があるのに、もう何ヶ月も医者に行っていない。命懸けの抵抗。こんな状態でいつまで体がもつか、不安でたまらない。日本にいる年老いた両親に会うこともできない。こんな狂気、いつまで続くのか。
中間選挙で何か変わるだろうか。しかしながら、有権者でない私にも投票用紙が郵送されてくる現実で、選挙に何を期待できるのだろうか。
私は民主主義が悪いとは特に思わないけれど、機能していないのが問題だと思っています。
もっと言えば表向きは民主主義の体で、責任を取らない人達に操られているという。
勿論、完全にではないが、マスコミと声の大きい人達をある程度押さえれば残りは異端扱いできるので民主主義もどきは都合がいい。