カザフスタンの情勢は、基本的にはカザフスタン政府がコントロールできていると言っていいんじゃないでしょうか。
政府はそう言ってる。
そして、暴動に関与した「強面」の面々が大量に拘束、検挙されているフェーズのように見える。カザフスタン政府は、この事件に関しての調査委員会の設置を命じているという報道もある。
で、ネット上は、この「強面」の面々の裏を探ることに賑わっていて、今のところ、MI6とISISっぽいイスラム過激派の組み合わせがリーズナブルかもなぁって感じ。
なぜこんなことが起きたのかの主たる動機としては、今般、ロシアがいわゆる最後通牒ではない(とロシア当局者が言う)最後通牒を出したことを発端として、ロシアとアメリカがジュネーブで会う、NATOとロシアが久しぶりに会うというスケジュールが組まれているので、この、最低でも話し合う場を持とうという流れに対して妨害しているのであろうという説が説得力がありそう。
できることなら、もう一発ウクライナのマイダンみたいなのを作って、わーわー騒ぐことで、ほぉら見ろ~、「ロシアは脅威なのだ!だからNATOは必要だ!!」というフェーズが欲しかったんじゃないか、と。
だがしかし、ロシア政府のスケジュールには何の変化もない。
また、アメリカ政府も、カザフスタンがらみではあまりご活躍が見られない。
ウクライナにおけるオバマみたいな、ロシアが悪いのだ~と、何の根拠もなく上から宣言するタイプの人出てきてます?
多分、どこかでこれら「強面」のハンドラーたちにとっての失敗があって、奇妙奇天烈な失敗クーデターみたいになったんじゃないのか、と私は思う。
にもかかわらず、日本人の中には、こんなことを真面目に語る人がいるからなぁと、笑ってしまった。
ウクライナ、中止になるかも知れませんね。それとも、ロシアに二方面作戦をする余力があったりするのでしょうか。
— buvery (@buvery) January 6, 2022
ロシアが、ウクライナとカザフスタンを二正面で攻撃しようとしている、というつもりなんでしょうか? どこの仮想戦記だろうかと大笑いしてしまった。
しかも、この二正面説は、昨日あたりネット上で語られていたもので、それによればアメリカのどこかのシンクタンク務めのどこかの「アナリスト」だか「政治学者」だか「ロシア研究者」だかという肩書を持った人が広めたものらしかった。
それに対する、アメリカ人らしき人のコメントもいろいろ面白かった。ロシア軍は北極海、極東、中央アジア、ヨーロッパに対応する編成に最初からなっとるだろう、と。でもって、アメリカ軍には何十万もの予備役がいるが、そんなものを使ったところで、結局どこでも勝ててない、アメリカ軍に対応できないことはロシア軍にもできないことを意味しない、馬鹿を売り込むな、みたいな感じで、読みながら私は大笑いしてしまった。アメリカ軍に対する信用を失ってるアメリカ人は最近本当に多い。
そして朝起きたら、日本人が馬鹿みたいに、こんなコメントしていて、ちらっと見たらこのアカウントのフォロワーは2万人とかいるそうで、そりゃもう、こうやって、クズみたいな情報を真面目に広げる人がいるんだから、日本の中の言論環境が情報の「クズ拾い」になるのも無理はないよな、と思った。
で、このクズ情報の拡散には金がかかってる。シンクタンクの人はただじゃない。
■ やっぱり失敗だったのか?
で、昨日から今日にかけて、英外務省、米国務省が、ロシアのウクライナ侵略は許せない、という壊れたテープレコーダー状態をまた繰り返している模様。
やっぱりカザフで何か失敗があったんじゃないのか・・・。
カザフスタンって西側、特にイギリスにとっては非常に重要な工作拠点。トルコからウイグルへのトルコ系(と言われている)人々を束ねたいという戦略がまだ生きてる。グレートゲーム以来の重要な工作。
そして、よしんばそれができなくても、トルコを使うための重要な言い訳、動機付けになるので今日も有用。トルコは誰でも知ってる通り、テロ支援国家というより、国家ごとテロリストなので、西側にとっては欠かせず、その他にとっては使い方次第といったところ。
また、カザフスタンは石油も重要だけど、世界のウランの4割だったかを採掘する重要地点。
Uranium Surges as Unrest Grips World’s Top Supplier Kazakhstan
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-01-05/turmoil-in-uranium-rich-kazakhstan-threatens-to-elevate-prices
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-01-05/turmoil-in-uranium-rich-kazakhstan-threatens-to-elevate-prices
こういうところにCSTOが入って来て、騒動に関わった人が多数調べを受けてる。また、もしこれが政府内部でのクーデター案件だったら、勝った側が人から文書から調査するに決まってる。
何か工作仕掛けた側が失敗したんじゃないのかなという印象を持ったのは、暴動の最後の頃に空港が暴徒に抑えられて、その中から飛び立つ飛行機があった、というのを読んだ時。これはたいてい、誰かが逃げているという状況でしょ、と思った。少なくとも、液化石油の値上げのデモ隊には関係ない。そうこうするうちに、伝え聞く(見る)ところでは、カザフスタンからプライベートジェットで出て行った人々もいるという話。
ポイントとなる人物ネットワークが逃げたのなら、西側には信頼できる情報源がなくなっている、という状況も考えられる。
また、今日になって、米国務省が、CSTOが派遣される法的要件に疑問があるとか言い出した模様。
The diplomat commented on the statements of the White House press secretary Jen Psaki that the United States has questions about the legality of the request of the authorities of Kazakhstan to use the forces of the Collective Security Treaty Organization (CSTO) in the country.
この事件は見かけよりずっと大きな余波があると私は思う。
そうなんですよ、チャイニーズであるアルカイダ(名前はなんでも)っぽい人たちを使ったんじゃないかと私も考えてました。だって近いもん。