DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

弾が足らないのはロシアではなかった

2022-06-27 03:03:43 | WW1&2
なんだかさっぱりわからないが、G7諸国はロシアからの金(ゴールド)の購入を禁止したそうだ。

それによってロシアは収入を失うということらしいんだが、金を貯めてるロシアにとって何か悪いことがあるんだろうか? わからない。もう、西側がやってることは何がなんだかさっぱりわからない。

ロシアがやってることはわかる。インド、中国向けの原油の輸出量が増加していることは今日隠れもないことなわけだけど、インド向けの原油価格は通常のマーケット価格より3割程度安いと言われている。中国向けのレートは私が追っかけてないから不明だが、ロシア産増量、また、イラン産が一貫して大きなシェアを占めている。

他方で、ロシアとヨーロッパとは離婚状態なのでこっちはぐじゃぐじゃで、それが故に価格は高止まり。2月までと大きく異なるのは、「友好的でない国々」へのガス輸出はルーブルのみという仕様になってること。これがそのうち石油や他のコモディティーにも適用されるだろうとみんな思ってる。(なぜいっぺんにやらないのかというと、ルールブルが高くなりすぎるのも困るから様子見してるんじゃないのか、と言われている)




総じていえば、ロシアはユーラシア地域の経済に寄与している。この地域の発展がスピードアップすることは、自分のところが落ち着くだけでなく、全体として西側以外の国、要するにロシア規定による「友好的でない国々」のシェアや発言に左右されない枠組みの形成に寄与する、がんばろう、皆の衆、だと思う。


■ 弾が足らないのはロシアではなかった

そんな中、先週、西側のデマの総大将のようなイギリスが興味深い記事を出してきた。それも、イギリスが誇る古いシンクタンクから出てきた。

要旨は、ロシアのミサイル類などの装備品は(西側が勝手に品切れになると言ったが)十分にありそうで、逆に、西側で、在庫も生産もかなりお寒い状況ですというもの。

体裁としては、これでは民主主義の兵器庫にならないじゃないか、考えないとだめだよ、がんばろう、という具合。

The Return of Industrial Warfare


中身としては、ロシア人は巡航ミサイル、戦域弾道ミサイル(≒短めの中距離ミサイル)をこれまでに1100~2100発発射している、在庫は4,000発ぐらいだろうと想定されるが、それで無くなるということではなく増産してる様子がうかがえる、みたいな話が結構ざっくりと入っている。

アメリカの年間の生産量を3か月かそこらで使ってしまうようなミサイルの撃ちあい(というか、ロシアが一方的に撃ちまくってるという状況だが)がそこにあるんですよ、ということを示した。このスケール感は今まであまり書かれていないので、これは価値があると言えるでしょう。

この記事を機械翻訳を通して訳してtweetされていた方がいらした。ありがたいことですが、あまりたくさんの方に目に触れている感じはないのかもしれない。残念なこと。



で、現在の量の問題もさることながら、そもそも西側の産業構造からすると、兵器産業もビジネスっぽいので、部品は下請けに出したり、使わない型式は部品もなかったり、サプライチェーンに海外が含まれていたりといった状況がデフォルト。これで量産体制にしろというのは結構大変なんですよ、という示唆も含まれている。

書かれていないけど、逆にロシアの場合は、

なにかあったらすぐに制裁される
一朝事ある時において武器がないなどというのはロシアを失うことだ

という考えからずっと地道に国産化と生産性の向上みたいなことをやってきた甲斐がありましたといったところか。


■ 共存と言えない人々

で、当然のことながら西側諸国は、ロシアのみならず中国を念頭において、各国が防衛費を増強して量産体制に励む、ということになるのでしょう(喜んでいるわけではないが)。

そこで、冒頭の話が関係してくると思う。つまり、西側諸国は生産体制がビジネス・ライクになっており、かつ、先進国共通の課題として高コスト構造である現状の上に、さらに資源の高コストがかぶってくる。

しかも足元の地合いはインフレ。庶民の生活に油をまわせ、ガスをまわせといっている中で武器弾薬に資源をまわすというのか~、ってそれはどこの大日本帝国でしょう、みたいなところまではいかないだろう・・・にせよ、エネルギー資源、鉱物資源が高騰する中で兵器量産体制を作るのは大変。

もちろん、量産じゃなくて、新しいことをしよう、新軍事革命だとか言ってみたところで事情は一緒でしょう。トライ&エラーしないとできないんだから。

まして、例えば極超音速ミサイルを実践配備して使ってるのはロシアであって、西側はそれを追っかけている側だったりする。であるから、ここで、「あっちは量だ、こっちは質なのだ」みたいなこと言ってみたところで実は虚しい。

この間、4月にはSarmatミサイル(RS-28)の発射実験も成功し、先週、年末までに配備する計画が発表されていた。


ということなので、いやもう、西側チームは、経済のかじ取りが難しく、軍事はエッジが溶けてるみたいな状況。しかし、この政治状況ではロシア敵視、中国敵視を止める見込みは全然なさそう。

このまま10年経ったらどうなるんだろう、と思いつつタカ派の雄叫びを聞きながら10年が過ぎる、みたいなことになるのかなぁって感じ。


適度な敵視はいいけど、相手の政体を破壊してやる、果てはロシアを5分割、中国を6分割してやる、みたいなことが実しやかに語られる風潮が続く限り、いつまでも、敵対することの便益があるかのような妄想が続くんだろうと思う。

アメリカの場合、外交官たち(国務省)とCIAがロシアでカラー革命をするという目標を取り下げないという、実に、驚くような無作法がまかり通って20年なので、これをひっくり返すだけでもビッグ・イベント。現在のところでは、ありそうな気配はない。



コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 81年目の6月22日 & 無自覚ナ... | トップ | 敵も己もわからないNATO & ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
十字軍と魔女狩りの西側諸国! (ローレライ)
2022-06-27 06:14:45
十字軍と魔女狩りに取り憑かれた西側諸国,ウエストフアリヤ条約締結以前の暗黒魔女狩り時代の大陸に先祖帰り!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

WW1&2」カテゴリの最新記事