twitterを見るたびに、わきに
「ロシアが全面侵攻を開始」という文言が出ていた。
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全面戦争と言うのが、例えばナチスがソビエトに侵攻したものとか、アメリカがイラクに飛び込んでいったようなものだというのなら、今回のロシアの軍事オペレーションはかなり趣が違う。
全面というのは、多分英語圏の記事がfull-scale(フルスケール)と書くからそのまま使ってるのかなと思うけど、全面ねぇ・・・って感じ。
ウクライナという糞広い土地に設置された何十か何百かの、軍事用の空港、武器弾薬施設、防空施設等々は確かに、一気にミサイルで破壊された。その意味で、全体の幅を使った、とは言えるでしょう。
だがしかし、じゃあ、ウクライナ軍とロシア軍が戦闘を繰り広げていたのか、というとかなり怪しい。多分、ドンバスではあったでしょう。なにしろ8年もにらみ合いをやってる仲なので互いに血気盛ん。また、多分ドンバス北部に対してロシア領内からBM-30を使っているようだったので、戦争っぽい感じがとてもしたと思う。
他の地域はどうなのか? 単純に、スタンドオフの飛び道具で軍事施設が壊されて終わりになっているとしか言いようがないと思う。
地上は、当事者の言なので信用したくないという人はいるだろうけど、ロシア防衛省の発表でも、ウクライナ軍は武器を捨てて軍を離れた人が多数という。そうじゃない、という説は今のところ見えない。
Ukrainian troops abandoning their positions, dropping weapons — Russian Defense Ministry
どうしてこうなるのか。そりゃもうこの問題を見続けている人は誰でも知ってる通り、バンデラ主義者の政権に忠誠を誓ってるウクライナ人が多数だ、などという事実はこれまでのところ確認された試しがないからでしょう。単に、一応従ってる以上ではない。命をかけてゼレンスキーに従いたいとか、あるか???でしょう。
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前から何十回も書いてますが、2014年のクーデターがあって、現在の政権はアメリカに据え付けられ、そのまま行政府はアメリカのいうなりになってる。そして、そのアメリカときたら、ナチスのコラボレーターだったステファン・バンデラを賛美する人々たちに政権をやらせてる。
忘れてはいけない。バンデラ主義者やらその他の右翼勢力を担いで2014年にウクライナでクーデターをしたのは、オバマ政権。
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で、バンデラ+αの右翼勢力の人たちの頭の中では、全ウクライナ人が、ソ連と戦い、ロシアと戦っているのだ、となってる。だから、いや私はロシア人だし・・・という人たちは、ロシアに忠誠を誓う悪い奴扱いされ、ロシア語は禁止され、脱ソ連化とか脱ロシア化とかいうスローガンを立ててみたりする。
それは結局、ソ連は悪い=ナチは正しいに導かれ、ナチの親衛隊だったSSガリチアこそ素晴らしいという話になり、それを放置するアメリカもEUもナチ賛美はいけません、とさえ言えない体制になってる。
ナチ英雄化問題と西側はケツが拭けないお話 2020
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/a0bf8994c09f34b96e1c2b887f4418a0
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/a0bf8994c09f34b96e1c2b887f4418a0
まぁ、冷戦期のアメリカが各地で右翼にやらせていたことの集大成みたいなものでしょうか。
で、これをウクライナ人の総意でできた政権だなどというのは、まったく間違ってる。この8年間、それでも何度も野党が出来て反対の方向に行こうとする試みはあったが、有望な人が軟禁されたり、テレビは停波になるし、もうさんざんな体制なのが現在のウクライナ。その前に2014年には多数の政治家、その候補者の人が殺されてる。
ということなので、今後の大きな問題は、キエフのバンデラ賛美政権の行方はいかに、ということになるでしょう。
ロシア大使館さんのtweetにこんなのがあった。
プーチンの演説らしい。こうこられたら、相当数が、結局のところ、まぁそれはそう、で終わっちゃうのがウクライナ人の多数だと思う。
ウクライナ軍の軍人の皆さん!
— 駐日ロシア連邦大使館 (@RusEmbassyJ) February 24, 2022
尊敬する同志の皆さん!
皆さんの父、祖父、曾祖父がナチスと戦い私たち共通の祖国を守ったのは、今日ネオナチに政権を掌握させるためではありません
皆さんが忠誠の誓いを立てたのは🇺🇦国民に対してであって、🇺🇦を略奪し🇺🇦国民を愚弄する反国民政権に対してではありません. pic.twitter.com/j8GZtMww8E
上記は24日にプーチンがしたスピーチの一部で、全文はここ。
24 February 2022 12:14
Address by the President of the Russian Federation
ロシア軍の兵器と運用もすごいけど、プーチンによる一連の真実の暴露スピーチも相当強力だと思う。
そしてもちろん、どうしてロシア人が作った街にいるロシア人の生命の心配をロシア軍がしちゃいけないんだよ、という問題もある。
それはつまり、ソ連という政体とレーニンというへんな人たちが持ってた志向の問題であり、それがもたらした1991年の、住民に尋ねもせずに成り立ったソ連内の共和国の独立問題。ついでにいえば、ウクライナとロシアは2014年でもまだ国境線を画定していなかった。
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■ オマケ
今回の、ウクライナの軍事施設の無力化をゴールとしたロシアのオペレーションは、今後の軍事にとって結構示唆的。
つまり、今までは、例えば今のバンデラ・ウクライナとか、典型例としては日本がロシアにかみついた1905年の戦争みたいに、外から話しを作って、ファイナンスもして、誰かに兵隊になってもらって実行する、という戦争が多数あったわけでしょ。
それはプロデューサーと実行者の違う戦争で、実行者の壮大な犠牲を伴うものだった。しかし、もし、今回のようにそうならないために相手の施設、特に空の施設を叩けるなら、大きな犠牲が出る前に終わりになるかもしれない。もちろん、もう一回作る、という選択肢もあるので最終的にはものの考え方だが。
前に、基地のそばに住んでる人は引っ越しを考えた方がいいと言ったのはこのことが頭にあったからです。
日清、日露戦争で傭兵として使われた日本。
ロシア、中国を酷い目に合わせ、日本人も多大な犠牲を強いられた。日露戦争の時、ロシアに味方した中国人農民が数万人虐殺されたというのを読んだこともある。
中国はロシアから小麦の輸入を増やすとか。
ますます、ドル離れが進む。
まるで明治維新の再現を見るような。
清水の次郎長よりも倫理観の無い、天皇家と維新志士の明治政府と、
汚職まみれの前政権を倒した、今のネオナチ政権と。
また私たちはロシア人であるという意思表示がウクライナ国内で起き始め、ルガンスク、ドネツクに続いて独立を目指す州が出てきたようです。