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テロリスト・ウクライナ&猛スピードの復旧

2022-10-08 23:40:15 | WW1&2
前のエントリーの最後で触れた通り、現地の土曜の早朝クリミアの橋の一部が爆破された。

ことについては、最初っからキエフ政権の一部が、ほーれみろ、といった調子でいることは知られているが、それだけでなく、SNSには大量の、ほーれみろ、ほーれみろ、ロシアは弱い、ロシアは何にもできないのだ、クレムリンを爆破されようが何もできない、ふぬけ、みたいなコメントを書きまくってる人たちがいる。

よくロシアものを解説している人のブログをたまたま見たら、1つのアカウントがなん十個もそんな暴言とか写真などを貼り付けていた。強い憎しみを感じた。

一体全体何?って感じ。1つわかるのは、到底、勝ってる人たちがやってることではないよなってこと。


■ 猛スピードの復旧

クリミア大橋で爆破があったのは現地の朝方で、その後、ロシアの中央政府も、クリミアの地方政府も非常に着々と動いていたようだった。

着々と、消火して、調査隊が入って、他方で、クリミアの観光客には混乱を避けるために、クリミアが金出すからホテルで延泊して、とお願いし、フェリーは動けると広報して、そのうち事故調査と並行して修理と復旧の計画が立てられ、現地時間の午後8時には列車を通すとか言い出した。

これはやっぱり、鉄道部隊のある国ならではの展開力だろうかと勝手なことを言ってみたい。現時点ではどこがどう活躍しているのか私には不明。



ロシアの鉄道部隊 Russian Railway Troopsは昔のクリミア戦争の頃から存在するユニット。兵站支援の工兵集団。この手の専門集団としては世界で最も古いと言っていいと思う。

もちろんソ連時代もあって、大祖国戦争の最中も戦後も膨大な鉄道路線を復旧させていった中心の集団。

その名誉ある、そしてロシアの国防にとって重大至極なこの集団は、ソ連解体後一時鉄道省の下に置かれたが、その後連邦軍管轄へと復帰した。こういうのは、さりげに秘かに大きな事件だったんだろうと思うわけですよ。そしてそれらすべてを知り尽くしているのが現在クレムリンにいるロシアのリーダー層。


それはともかく、実際、爆破の結果を見るに、鉄道部分は燃料を積んだ車両が燃えたので燃え方が派手で、フェンスなどは確かにぐにゃっと燃えていたが躯体もその上の部分も無事であるように見えた。自動車用の部分は、躯体ではなく渡してある道路の部分の陥没なので、修理できないってことはないと見えた。また、1本は多分無傷なので、状況が許せばそのまま通れるんじゃないのか、とも見える。

 


無事だった道路の方も通行していいですよ、となった。



これはつまり、テロリストには屈しないという意思を示したってことでしょうか。

■ 何がしたかったんだ

で、一体全体この橋を爆破する、ではなくて橋の上で自爆テロもどきをやって道路陥没させて民間人を殺すことにどういう意味があったんだろうか。

そもそも、そういうことも懸念されるからこそ、4州をまとめてロシアにすることに大きな意味があったわけですよ。クリミアが陸でロシア本体に繋がった、いわゆる「ランドブリッジ」が完成した。




4州の住民投票の前から、おとなしく何をやっているかと思えば(笑)、鉄道の復旧作業をしていたりすることは前にも書いた。クリミアとロシアの間の鉄道が開通したのは6月の話。

クリミアと沿岸部の鉄道復旧、水も来た、ヘルソンはクリミアの後を追うかも


これによって、沿岸部への物資の輸送がやりやすくなって、日常生活のみならず軍事作戦の物資輸送にも大きく寄与している。

だからといってケルチ海峡にかけた橋からのルートの重要性が毀損されることは何もなく、こっちはこっちで重要なのだが、万々一のことを考えると複線化しておくことは当然重要だった。

クレムリンにしたら、やってよかった特別作戦を今日ほど感じられる日もなかったでしょう。にもかかわらず、それを喜んでいるキエフの政権は一体何を考えているのだろう。

わけがわからない。

わかるのは、西側が抱えているのは、クーデターによって据え付けられた傀儡政権というより、テロリスト集団じゃないのか、それ、といった趣であること。


■ オマケ

その後、クリミア半島内を出発した貨物列車が夜中にクリミア橋を通過。ロシアの鉄道屋さんの勝利ですね。

 


その後、旅客列車も出た。



大きくて丈夫でよかったケルチ海峡にかかる長い橋。






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6 コメント

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鉄道テロはイギリス仕込み! (ローレライ)
2022-10-09 11:13:58
アラビアのロレンス以来のイギリスの鉄道テロの手口がキエフナチスに伝播している!
愛国無罪のテロ根性が洗脳されている!
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確かに (ブログ主)
2022-10-09 11:21:06
確かに、鉄道テロといえばイギリスと言いたいっですが、そもそも、現代のテロリスト仕込みの作戦の大元はイギリスだと思うんですよね。

ムスリム同胞団からこっち、という話し。

まぁ、デマとテロのイギリス(+フランス)の出番がなくなるのは人類の幸福への第一歩と言っておきたい。
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他人の不幸を喜ぶ (石井)
2022-10-09 14:55:57
「ズロラーダストボ」というロシア語があります。「ズロ」は悪、「ラーダストボ」は喜び、という意味で日本語には「人の不幸を喜ぶこと」と訳されます。ロシア語はこういう人間の暗黒面に関する表現が非常に豊かで、日本語では一言で表現できないことを簡単に言うことができます。別の言い方をすれば、ロシアはこういう人間の劣情を言語化して認識できる社会だとも思います。今回のクリミア橋爆破では連中の喜びようが半端ないようです。今までも、ロシアで航空機墜落、大店舗火災、学校襲撃などで多くの犠牲者がでる事件が起こる度に、彼の国では大喜びして祝杯をあげることを繰り返しています。逆にロシアでは、ウクライナで同様の悲劇が起これば、大使館に哀悼献花の行列が出来ています。人の暗い感情の中に他人の不幸を喜ぶというのがあること理解できますが、社会ましてや国レベルでの話となると、その国には絶望しかないように思います。欧米+その金魚の糞の国々も同様でしょう。
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Schadenfreude (ブログ主)
2022-10-09 15:40:17
そういえば、Schadenfreude(シャーデンフロイデ)も同じ組み合わせですね。

英語圏ではこれをドイツ語のまま借用語として使って、そのまま、他人の不幸を喜ぶことを表している。

はたと、フランス語でjoie maligne(悪意ある喜び)も同じ組み合わせ。

オリジナルはどこかわかりませんが欧州言語で共有されているアイデアなのかも、という気もします。
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「人の不幸は蜜の味」は洋の東西を問わない? (Rolling Stone)
2022-10-09 23:20:02
こんばんは。
TAKUMI様、石井様、大変興味深いお話をありがとうございます。
今どきのネットスラングで言えば「メシウマ」でしょうか。

他人の不幸を心の中でこっそり嘲笑うのも人の性でしょうが、【何の恥ずかしげもなく】そうした振る舞いができる人間にはなりたくないものだと切に思います。

ところで、

>逆にロシアでは、ウクライナで同様の悲劇が起これば、大使館に哀悼献花の行列が出来ています。

ガルージン駐日大使が、原爆投下追悼式典から締め出されたにもかかわらず、慰霊碑に献花をし祈りを捧げてくれたこと、彼を含むロシア代表団が安倍元総理の国葬で、日本の礼儀作法に則った90度のお辞儀をしてくれたことを思い出しました。

司馬遼太郎の『菜の花の沖』に、礼節は敵に対して発揮されるときこそ、その真贋が試されるというくだりがありましたが、彼らの礼節は本物ですね。
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Unknown (千葉)
2022-10-10 11:26:21
長い間欧州から陰湿な敵対行為を受けてきたからこそ生まれた言葉のような気がして辟易しますね
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