10月4日(月)
無くなればなくて寂しや彼岸花
本棚に本がびっしり詰まっていると安心した。店をやっていたので店にも本がびっしりあった。もう本はいらない。ジジイの片づけをしている。本立ての本を片端からくくって資源ごみに出す手はずを決行している。アルバムが出できて懐かしんだりしている。マリコさんがやつれているなあ。浅草に向いた写真が出てきた。確かツアーで出かけたのだった。無理やり連れて行った記憶もある。行きたくなかったのだろう。このころから人の気持ちを推し量ることができないわがまま男だった。マリコさんか、会えることは絶対ないが、物の弾みでもいいから会いたいなあ。永く暮らしていたのに夢にさえ出てこない。
ま、どうでもいっか。
あたしゃ毎日眠たい。
スクラップブックが出てきた。何をスクラップしていたのだ。開いてみるとあれま、グリコ森永事件の終結宣言の記事が貼ってあった。前後して昭和60年の記事が貼ってあるからこのころだったのだろう。夏目雅子の病床記事と写真も貼ってあった。日航ジャンボ機墜落もこの時だったのだろう。隔壁のイラストと記事もあった。一人生き延びヘリで釣り上げられれていた川上恵子さんの記事もあった。恵子さんは慶子だったような気もする。大変な事件が続けてあったのだ。
なにかよくない波動が渦巻いていたのだろう。
日傘をくるくる回して歩道橋から降りてくる夏目雅子はきれいだったなあ。アマゾンプライムビデオにあるだろうか。<時代屋の女房>
昨日、<闇に消えた怪人・グリコ森永事件の真相・一橋文哉>を読み終わったばかりだったのだ。ジジイの片づけの最中あまりにも偶然にびっくりする。
三億円事件の時は阿佐ヶ谷にいたけれどグリコ・森永はこっちだったなあ。
死ぬまでに一度夜の一番街を歩いてみたかったのだけれど、どうでもいいか。娘の愛は松浦病院で産まれた。芝仁は健在か。仕事を離れたらなんの目的もなくぶらりと夜の阿佐ヶ谷一番街を歩いてみたい。
往時茫々。
本棚に隙間ができてくるのが楽しい。くくってくくって月曜の分別ごみに用意する。誤って図書館の本もくくっては事件なので図書館の本はリュックに差し込んだ。ISBNがない本はリサイクルでも取ってはくれないらしい。
ヤマモトノブコという学校の先生がお客さんにいた。すごい読書家だった。読んだ端から古書店で引き取ってもらっていたようだった。溜めない主義。新刊は古書で売れる。次に買う本の足しになる。ヤマモトノブコさんどうしているかなあ。
クーラーを入れるほどのものでもないので片づけた扇風機を引きずりだして横に置く。