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これぞ本物のルチア

2018-01-13 23:37:57 | 音楽、芸術

マリアカラスのルチア狂乱の場

1952年カラス29歳の全盛期のライヴ録音

ドニゼッティ作曲「ランメルモールのルチア」

これを聴けば、如何にマリアカラスのテクニックが凄かったか、声が凄かったのかが分かります。

2オクターブ半を全て美しく鳴らして、自由自在に歌っているだけでなく、表現力も凄いです。

これが本物のルチアです。

今では、高音しか出ない細い声のソプラノばかりが歌っていますが、本来この役は、ドラマチックソプラノで、高音が出せ、且つ、コロラトゥーラが出来る人の為に作曲された役です。

私は17歳で声楽を始めた当初から、カラスのレコードばかりを聴いて育ってきたので、カラスの歌っている役を、現在のソプラノが歌っているのを聴くと、みんな下手にしか聴こえませんでした。

今でもそうです。

デルモナコのオテロや道化師を聴いて育ったので、他の誰を聴いても、みんなへたくそに聴こえました。

 

今も勿論、一人も聴きたい歌手は居ません。

本気でオペラ歌手を目指すのなら、本当の本物を聴いて勉強するべきです。

本物の世界一をお手本に必死で勉強すれば、相当に上手く成れる可能性はあります。

目標の程度が低いと、決して本物には成れません。

 

カラスやデルモナコには成れなくとも、少しは近い所まで登れるかも知れません。

 

 

 

 

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ベルカントのテクニック

2018-01-13 12:47:30 | 音楽、芸術

日本の声楽の先生は、理論は何も分かってないせいか、やたらと

「何とかみたいに、かんとかみたいに・・・・・」

と言うのが多くてうんざりした。

 

デルモナコのマスタークラスの後、ブルガリア国立ソフィア音楽院で

オーディションの結果、一番の先生につく事に成った。

ブルガリア出身には、ボリス・フリストフ(世界一のバス歌手と言われ、カラスのノルマで、父親役オロヴェーゾ役をやっていた。)

その後輩で、ニコライ・ギャウロフの様な偉大なオペラ歌手を輩出している。

 

ロシアやブルガリアのオペラ歌手にはベルカント唱法は出来ない。

東欧風のベルカントで、本物のイタリア式ベルカントとは違っている。

何が違うかと言うと、イタリア式では声帯を酷使しないが、東欧式ではかなり、声帯に負担をかけている。

 

でも、国際歌手に成ったブルガリアの歌手は、ミラノスカラ座で勉強してプロに成っているので、本物のベルカント唱法を身に着けているし、教える力も有る。

私が習ったのは、ミラノスカラ座で勉強して、国際的に活躍しているプリマドンナだったので、ベルカント唱法の理論を、人間の顔を描いて説明してくれた。

 

1、先ずは、声の通る道が目の下約1cmの所に有って、声は、その位置より下には落としてはいけない事。

歌う時には常に口角を上げて、ほほ笑んだままで歌う事=大口を開けて、百面相をしてはいけない。

 

2、a e i o u どの母音でも、同じ質の響きで歌う事。

これを実行するには、舌は柔軟にして力が入っていては出来ない。

これは上記の「ほほ笑んだまま」と繋がる。舌は柔軟に、口の中で平にしたり、すぼめたりする事で、正確な発音が出来る。腹話術に通じるものが有る。

 

3、喉声に成らない事=喉を傷めるからやってはいけない。

 

4、肩に力を入れてはいけない。=肩に力が入ると、喉にも力が入る。

高音を出そうとして、力んでしまい、肩が上がる人が多い。

肩に力が入るほどに、喉は締まるので、高音は出なくなる。

これを回避させるには、「膝を屈伸して!」と言えば、肩の力はストンと落ち、高音が嘘の様に簡単に、スポーンと出る。

5、声帯を意識してはいけない=声を出そうと意識するのではなく、息が声帯を通る時に、声帯はたまたま振動するだけで、その時に音声が出るだけの事である。

6、顎に力を入れてはいけない、にっこりしたまま、口角を上げ、顎には一切力は入れずに、自然体にする事。(顎はぶらーっとしたイメージ)

7、喉の奥を高く開けること=大口を開ければ、喉の奥は締まる。喉を開ける事と口を開ける事は全く別の事である。

意識としては、口の中に、まるごとの茹でたてじゃが芋が入っていると想像する。

するとどうなるか?! 熱いから、喉の奥が天井に向かって大きく開く。

 

8、練習はピアノで練習する、フォルテで、大声でしてはいけない。

ピアノで出せない音は、フォルテにも出来ない。

どんな高音であっても、怒鳴って出してはいけない。ピアノからフォルテにもっていけないとダメ。

9.息は鼻から一瞬で吸い上げて、口からゆっくりと吐く。この時、息漏れが無い様に、息=響きに変える。

これの訓練には、ローソクを使うと分かりやすい。息の全てが響きに変わっていれば、ローソクの炎は揺れない。たとえフォルテッシモに成っていても炎は消えない。

 

10、声は目の高さで1m位先にフォーカスする。(声は視える)

正しくフォーカスされた声は、ピアニッシモでも、ホールの天井を鳴らして、お客様の耳に届く。

その他、まだまだ沢山重要なテクニックが有って、それが全部出来る様になれば、感情を込めて、自由自在に3オクターブ近い声域を歌える様になる。

(これを読んでも理解できる人は、殆ど居ないと思いますが、オペラをやっている人には分かるかも?)

 

カラスは「トリル、トリル、トリル、よ!」とインタビューで言っているのだけど、トリルが出来る様に成れば、ビブラートのコントロールも出来る様に成り、表現力が倍増するから、トリルが出来るか出来ないかで、歌手の力量は変わってくる事を言っている。

 

私はトリルが出来る様になるまで、毎日練習して三か月が掛かった。

でも、生徒にやらせてみたら、早い人は、一週間で出来る様に成ったし、普通でも一か月くらいで出来る様になる事が分かった。

私の生徒は全員、トリルが出来る様に成りましたよ。

出来ない人は、「出来るまでやらない人」に他なりません。

 

実は、巻き舌も全然出来なくて、これが出来るのにも三か月かかりました。

高い e の音を伸ばせる様に成るには、三年掛かりました。

声域を1オクターブ伸ばすには、1年半くらい掛かってます。

 

出来ない事を出来る様にするには、只管、練習、練習に明け暮れるのみ、です。

 

トリルが多用されているドニゼッティのアンナ・ボレーナ狂乱の場です。

49歳の時の録音で、2オクターブを歌っています。↓ 

アンナ・ボレーナ ソプラノ山田レイ

 

 

 

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