*アメリカでは大物スポーツ選手が巨額の横領に遭った事例は沢山あるそうだ。
案外簡単に、アドバイザーの立場を利用して、他人の口座からお金を引き出す事はできるらしい。
まあ、「良心」が無ければ、の話だが・・・・・
20億円も横領された事例まであるので、ここで発覚してなかったら、大谷選手の引退後に資産はゼロかマイナスに成っていた恐れさえある。
米国スポーツ界で起きた横領事件
水原氏が大谷選手の口座から450万ドル(約6億8000万円)を「巨額窃盗(Massive Theft)」したとして、大谷選手は告発し、捜査を依頼している。
水原氏は違法賭博の問題とは別に窃盗の件でも捜査され、おそらく立件されるだろう。
「そんな大金をどうやって横領したのか」
「大谷の関与なしで無理じゃないか」
「大谷が気づかないわけがない」
そんな意見もちらほらと見かけるが、米国のプロスポーツの世界でマネジャーによる横領は頻繁に起きている。
2018年にNFLのコーリー・レディング選手の財務アドバイザーだったケネス・クリーブランド氏が、今回の事件とほぼ同額の470万ドル(約7億円)の投資詐欺を行い、懲役7年(84カ月)の実刑判決を受けている。
レディング選手は、アメフト選手が派手に浪費をして引退後に金銭に困るケースを多く見ていたため、堅実に投資をしたいと大学の教授に相談したところクリーブランド氏を紹介され、10年来の関係となった。
「嘘と欺瞞によって信頼を悪用した」
米国司法省によると、クリーブランド氏は預かっているお金を投資し「順調に利息がついている」と財務諸表まで偽造する一方で、実際は家賃などの生活費、従業員や家族への給与を支払っていたという。
定期的にレディング選手に利息を払っていたが、支払われた利息自体もそもそもレディング選手のお金だったというから驚きだ。
レディング選手が引退を考えた際に口座にほとんどお金が残っていないことが判明したため、引退を先延ばしして選手生活を続けたという。
この件を担当した検事は「純粋に個人的な利益のために、嘘と欺瞞によってその信頼を悪用した」と厳しい言葉を残している。(※参考:米国司法省より:https://www.justice.gov/usao-sdin/pr/financial-advisor-sentenced-seven-years-federal-prison-defrauding-former-colts-player)
同様に2023年にはNBAエージェントのチャールズ・ブリスコー氏、財務アドバイザーのダリル・コーエン氏らが、バスケットボール4選手から総額で1300万ドル以上(約20億円)を横領し、起訴されている。コーエン氏は住居の改装、恋愛関係にあった女性へのお小遣い、クレジットカードの支払いなどに充てていた。
この件はまだ判決が出ていないが、投資アドバイザー詐欺、個人情報窃盗罪など各訴訟の最高刑は懲役25年とされている。(※参考:米国司法省より:https://www.justice.gov/usao-sdny/pr/financial-advisor-financial-planner-nba-agent-and-previously-convicted-fraudster)
口座へアクセスする権利を持っていたか
ほかにもスポーツ選手のマネジャーによる横領のケースは多数存在する。もちろんその多くは投資や財務を担当するマネジャーで口座へアクセスする権利(Power of Attorney:委任状)を持っていたと思われる。
水原氏がその権利を有していたかは現段階では不明で、どのように口座にアクセスしたかは明らかになっていないが、米国生活に必要な社会保障番号の取得、銀行口座の開設、オンラインのパスワード設定を始め、その後の銀行とのやりとりなどもサポートしていた可能性は高い。
米国で多くのプロスポーツ選手を顧客に持つマイケル・ストラウス弁護士はスポルティコの取材に対し「今回の大谷の件は多くのトップ選手にとってよい教訓になったはずだ。自分の内部の人たち(マネジャー、会計士、財務管理担当者など)を常に監査し、法的危機やPR上の危機に積極的に備えなければならない」と話す。
大谷選手の場合、金額はもちろんだが、それ以上に、水原氏の「嘘」によって選手生命を脅かされかけたこと、イメージの低下、スポンサーの喪失の可能性、そして野球に集中できない状況ができたことなど失ったものはとても大きい。
全文はこちら☟
「僕の口座からお金を盗んで、嘘をついていた」大谷翔平が語った水原一平氏の「嘘」の重さ…米国スポーツで頻繁に起きる窃盗・横領の事例