まったく、突然に数独です。7月19日に「第4章 上級ステップ(とりあえずの終わりに)」を最後に、その後数独についてはまったく触れていません。その時は「どんな超難問数独でも解決出来る方法を解説します」とのタイトルのもと、37回に亘る連続の解説を載せましたが、途中「全ての難問が解ける方法」には至っていないことに気が付き、「今後に待ちたい」として、”筆を折り”ました。
いまだ完全解決への道遥かに遠し、です。それどころかそんな姿勢をあざ笑うかの様な問題を紹介するメールが2本、同じ日に違う方から届きました。「解けたら天才!フィンランドの数学者が作った”世界一難しい数独”」とのタイトルのメールにはその紹介記事と、その数独の問題が書かれていました。右図がその問題です。解いてみてください、と言うより数独の現在の一断面の紹介の積もりで、最下段にその記事が書かれている URL を乗せました。数独のある断面が乗っていますから、宜しければお読みください。
その概略を書きますと
《海外の複数のニュースサイトが伝えるところによると、上記の問題は実はフィンランドの数学者 Arto Inkala 氏が作成した問題で、彼曰く”世界でもっとも難しい数独”とのこと。問題は彼が作成した問題作成プログラムによって作成したもので、問題作成にはなんと3ヶ月を要したそう。》で、問題解決には軽く数週間はかかるでしょうとまで書かれていました。マーちゃんも早速問題に取り組みましたが、確定数は僅か2個、あと手筋を用いて候補数を一つ消しただけで、まったく先が見えません。
日本発の「数独」というパズル、イギリスで大フィーバーし世界各国に広がりました。日本でも「ニコリ社」からは「激辛数独」などの問題集が、世界文化社からは「難問ナンプレ」と名付けられた問題集などが数多く発売されています。池田書店から発売された「極」の編著作はイスラエル人です。マーちゃんは日本作家の作品はその作風や使われる手筋を知るが故に多くの問題を解けますが、外国人作の問題は、苦戦が続いています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100824-00000018-zdn_g-ent
(2)候補数を消去する
⑮その他の手筋
例えば「XYZ-wing」等まだまだ多くの手筋があります。ただマーちゃんはその辺の部分は未だ不勉強で、具体的題材の収集も出来ていません。「どんな超難問数独でも解決出来る方法を解説します」が看板倒れに終わりそうですが、ただ、今までの説明で現在市販されてい超難問は殆ど解決できると考えています。「二コリ社」の「激辛数独」も「世界文化社」の「難問ナンプレ」や「ナンプレ超上級編」も解決します。挑戦してみてください。
ここで紹介が出来ず、ミシチャンさんのホームページに登場するような手筋が問題に組み込まれていれば解けないこともあるかと思いますが、ご容赦下さい。それに新たに手筋が発見される事もあります。ナンプレ・数独の世界は日進月歩しています。いずれ又知識を整理してからこの続きを書き出したいと思いますが、今日でとりあえず終了します。
長らく読み続けられた方がいらっしゃいましたら心からお礼申し上げます。マーちゃんは、東京散歩とか、再度の百名山、江戸時代の数学(和算)などに興味があります。身辺雑記も含め、今後はそれらについてのブログを書きますので、宜しければそちらをお読み下さい。(7月22日以降)
最後の幾つかはマーちゃんが気が付いた事柄です。図1をご覧下さい。
図1
「X-wing」が「候補数が二つのだけの行が2つあり、その候補数が同じ列の上にあるならば、その列にはその候補数はそれ以外には存在しない」と言うものでした。(行と列を入れ替える事可能)
この「X-wing」の手筋の後半部分を書き換えるとどうなるでしょう。
仮定は「候補数が二つだけの行が2つあり、その候補数が同じブロック内にあるならば・・・」です。どんな結論が待っているでしょうか?
候補数5についての配置が図1の様に、a行にはAとa、c行にはBとbとします。この時AとBが同じブロックに、aとbも同じブロックに属しているという仮定です。このときにも消去出来る候補数があります。図2を見て下さい。
図2
例えば図2で黄色印マスのどれかが5で確定したとすると、aとbは消去され、AとBが残りこれは困ります。(具体的事例を前提にしての話ではありませんので、この様な仮定がありえるのか否か検討していません。黄色印マスでの5の確定がAとBの存在に影響を与えない、とします)
謂わば「X-wing」の拡張は次の様にも言い換えられます。
図3
図3で「候補数が二つだけのブロックが2つあり、その候補数が同じ行の上にあるならば・・・」。さてこのときの結論はどうなるでしょう。図4を見てください。
図4
例えば黄色印マスのいずれかが5で確定すれば、a、bは消去され、a行にAとBが残ります。これは困ります。だから黄色印マスに5は存在し得ず、こから候補数5を消去出来ます。
図5からは「Sashimi Fish」や「Finned Fish」の拡張を考えますです。
ミシチャンさんのホームページを参考にさせていただきましたが、理屈はマーちゃん流です。図5を見て下さい。
図5
図5は「Sword Fish」が成立しています。その時黄色印マスに5は入りません。理屈を復習します。
もし黄色印マスに5が入ればa’、b’、c’は消去され、Aa, Bb , Ccが残されます。この形覚えておくと有効だと思います。あってはならない配置なのです。(”困った配置”と呼ぶ事にします。仮にAa, Bbでの「X-wing」が成立と見立てればCcが消えてしまいh行に5は存在しえなくなってしまいます)これが「Sword Fish」で候補数を消去出きる理屈です。この理屈は次のような局面でも使えます。
図6
「Sashimi Fish」の「Sword Fish」版です。b行、e行、h行に候補数は3個(2個でも可)で、候補数が上記の様に配置されているとします。このとき候補数5を消去出来るマスがあります。
図7
図7でa’、b’、c’の3つを見る事の出来るマス、すなわち黄色印マスから候補数5を消去出来ます。(理由は、ここで5が成立すると、a’、b’、c’が消去され、”困った配置”となってしまいます。
図8
図8は「Finned Fish」の「Sword Fish」版です。
図9
図9の黄色印マスから5が消去出来ます。
黄色印マスで5が確定すると、a’、b’、c’、dが消去され、Aa, Bb, Cc の”困った配置”になってしまうからです。
(2)候補数を消去する
⑭「Finned Fish」の成立を調べる
図1を見てください。
図1
図1も「Sashimi Fish」と同じように、「X-wing」が成立しそうで、僅かなところで「X-wing」は成立していません。「Sashimi Fish」が、候補数4個で成立した手筋に対して、上記の場合はg行の候補数が3個。この局面で消去出来そうな候補数は無い様に思えます。ところがあるのです。
先ず候補数の配置から説明します。「Sashimi Fish」のとき同様、候補数5について、以下の様になっているとします。
a行はAとaが対をなしています。
g行に候補数は3個あり、それらの記号は、対をなすわけではないのでBに対してのbを用いないで、c、dで表しています。dを取り去れば「X-wing」成立、言い方を変えれば「X-wing」にdが追加されている配置です。この時,候補数5は消去出来るマスはあるでしょうか?暫く考えた後に図2をご覧下さい。
図2
上図の黄色印マスから候補数5を消去出来ます。理由は簡単です。この黄色印マスで5が成立すれば、a、c、dは全て消去され、その結果AとBが成立する事になり、これは困ります。だから黄色印マスから候補数5を消去出来る分けです。
この一連の理屈を「Finned Fish」と呼ぶそうです。
finned を英和辞書で調べると、「ひれをもった」とか「ひれの・・」とあります。「X-wing」を魚に見立て、それにひれが付いたと言う意味でしょうか。或いは”ひれの付いた魚”と言う風に解釈すれば、このネイミングが理解可能です。
今後のブログで展開しようとする理屈を理解していただく観点を紹介すれば、a、c、dの全てを見る事の出来る地点(=マス)で候補数5は不成立です。AとBが残るような状況はあってはならないとの判断から、消去マスを見つけるわけです。例えば図3をご覧下さい。
図3
図3は「Sashimi Fish」でも「Finned Fish」でもありません。敢えて言えば、dを取り去れば「Finned Fish」、cとeを取り去れば「Sashimi Fish」で、「Finned Fish」+「Sashimi fish」の様な状態です。「手筋」ではありませんが、このa、c、d、eを見る事が出来るマスでは5は不成立のはずです。黄色印マスはこれらをすべて見渡せます。だから黄色印マスから5を消去出来ます。
この手筋発見でも2つのライン、AaラインとABラインが直角をなす事の発見に神経を集中することで、この手筋発見が可能となると思います。 次のような観点からも発見への糸口が開けると思うのです。
それは対をなすラインAaラインに平行で2個又は3個の点(=マス)を持つラインの存在発見に精神を集中させる、と言う観点です。
例題 次の局面で「Finned Fish」を発見してください。
図4
解説は次回のブログで。
(2)候補数を消去する
⑬「Sashimi Fish」の成立を調べる
それにしてもこの手筋に妙な名前をつけたものです。多くの手筋に「Fish」が付けられる理由、面白いと思いますが、私には謎です。一体誰がいつ頃、これらの手筋を発見したのか興味が湧きます。外国の文献を読めば少しは様子が分かるかもしれませんが・・・。図1は前回のブログでの問題の再掲です。
図1
候補数の状況を明らかにして図2です。
図2
マーちゃんは1~9の順にオセロ石を配置して調べます。
そのときに、”対をなす”二つのマス、云わば2点を結ぶ線分が2本あり、直角をなす場合を捜すのに精神を集中させます。
候補数7の配置がその様になっていました。図3を見てください。
図3
”対をなす”マスを結ぶ線分は、e3ーe4 ラインが一本、e4-h4 のラインがもう一本、この2本が直角を形成しています。
黄色印マス4個が「Sashimi Fish」形成です。このときマスh4とマスi3の両方を見るマスh1(水色印マス)から7が消去出来ます。h1=7が成立すれば、i3≠7、h4≠7。だからe3=7かつe4=7 が成立して困ります。∴h1=5 です。
ペア数{57}の奇数個の連鎖 h1-i3-e3 で「浜田ロジック」が成立しh1=5、i3=7、e3=5 と解く事も出来ます。
その後は問題なく図4の最終局面に到達です。
図4