新幹線開業に伴い造り替えられた金沢駅舎内を好奇心に駆られあちこち見て回った。ショッピング街やレストラン街など多くの店のどこも華やに雅びていて、京都駅をも上回ると感じられる賑わいだった。
ドーミーイン金沢に宿泊した夜の食事は金沢の街を彷徨い歩かず、氷見で購入してきた海の幸を味わった。明けて11月14日(土)朝、窓外を見やると街は小雨に煙っていたが、バスの1日フリー乗車券を購入し、私よりこの地に詳しい妻の提案で、まずは武蔵ヶ辻にある近江町市場に向かった。
ここも凄い賑わいである。「金沢市民の台所」として親しまれ、280年の歴史を誇る市場。市場は京都錦小路の様に一直線に結ばれるのではなく、数本の路地が交差している。市場への入口が7ヶ所あり、その点を線で結ぶと「女」という字になるとか。金沢・能登の特産品や加賀野菜、魚介類などの生鮮産品を中心に約180店舗がずらりと並んでいて、押すな押すなの人波だが、私は苦にならない。人混みの中をふらふらと歩くのも又楽しからずや。興奮気味に見て回ると、解禁となったばかりの蟹があちこちで売られ、店頭で生牡蠣を食べさせるお店もある。私のみ味見をしてしまった。磯の香りがして香ばしい。今回の旅は“花も団子も”味わえた。(写真:近江市場)
(市場店頭風景 1) (市場店頭風景 2)
そこから、長町武家屋敷跡に向かった。加賀藩の下級武士が住んでいた屋敷群。土塀に囲まれた狭い石畳の路地が続く。見ると表札が掛かり、現在も市民生活が営まれている。犀川から取水した用水が二本。「大野庄用水」と「鞍月用水」が街中を流れ、武家屋敷に趣を添えていた。人が生活するにはまず水の確保が必須であったことを改めて知るのだった。川のほとりの「和菓子 村上」で一服。ここで本格的に雨が降り出して来た。雨具の用意が乏しかった私達は散策を切り上げ、近江町市場付近へとひき返しで昼食。16時38分金沢発の「かがやき510号」で帰路に着いた。かくして三泊四日の北陸旅行を終えた。(武家屋敷門構え)
(大野荘用水)
(土塀と石畳み) (武家屋敷を今も流れる大野荘用水)